【わかりやすく解説】2022年電子帳簿保存法改正のポイントとは?紙保存廃止で経理業務のペーパーレス化をすすめよう【相談無料】

お知らせ
【2021年12月10日発表 電子帳簿保存法改正の「電子取引」義務化に、2年の猶予が設けられました】

2021年12月10日に公表された令和4年度与党税制改正大綱において、2022年1月1日に施行される電子帳簿保存法の改正内容変更が示されました。

電子帳簿保存法改正における変更点:
「電子取引」による取引情報の電子保存義務化について、2年の猶予期間を設ける

目次

【わかりやすく解説】電子帳簿保存法(通称:電帳法)とは

電子帳簿保存法は1998年の施行以来、時代の変化に応じた法改正がたびたび実施されています。
2015年には金額の上限撤廃と、電子署名の義務化廃止を、さらに2016年にはスキャナ保存要件の緩和を、そして2020年10月には電子決済の利用明細データを証憑として認めるなど、時代の変化に応じた改正がおこなわれているのです。これにより、スキャナ保存や帳簿書類のデータ化、電子取引を実施する企業が増えています。

とはいえ、国税関係書類の保存を紙でおこなっている企業も少なくありません。今回の改正では、デジタル化を踏まえた経理の電子化による生産性の向上、ひいては記録水準の向上を目的に施行されます。

2022年(令和4年)に施行予定の電子帳簿保存法改正 の内容

電子帳簿保存法では、「国税関係帳簿書類」(※1)の全部または一部についてを電子データで保存することを認めています。

(※1)国税関係書類とは「国税関係帳簿」と「国税関係書類」をさします。
国税関係帳簿:仕分帳・総勘定元帳・売上帳、仕入帳・固定資産台帳etc
国税関係書類:決算関係書類(貸借対照表、損益計算書)・契約書、発注書・納品書、請求書

この法律の施行により企業は、これまでは紙で7年もしくは10年保管しなければならなかった原本を、定められた保存要件を満たしたデータ化書類として保管することなどを条件に廃棄してもよいとされました。

2022年(令和4年)に施行予定の電子帳簿保存法改正では、原本の保存要件のさらなる緩和が見込まれています。これにより、運用ハードルが大きく下がり、AI-OCRやiPaaSなどのクラウドシステムを活用した経理業務のペーパーレス化や業務効率化、ひいてはDX化を促進できます。

では、2022年(令和4年)の改正でおさえたい要点はどのようなものでしょうか。

2022年(令和4年)電子帳簿保存法改正で押さえたい要点は6つ!

2022年(令和4年)施行予定の改正では、帳簿書類を電子的に保存するさいの手続きが抜本的に簡素化されます。
かならず押さえたいのは以下の6点です。

①税務署長の承認が不要になる
②請求書・領収書への自筆署名が不要になる
③本人が作成もしくは受領した書類の入力期限が2ヶ月以内に統一される
④一定の条件でタイムスタンプが不要になる
⑤紙原本と画像の確認が不要になる
⑥定期検査不要で紙書類の破棄が可能になる

詳しくは次のとおりです。
いざという時に困らないようにしっかりと押さえておきましょう。

【 令和4年 電帳法改正の要点①】税務署⻑の承認が不要になる

現状はスキャナ保存を開始する場合、開始⽇の90⽇前までに税務署へ申請し、税務署⻑の承認をとらなければなりません。税制改正により、事前の税務署長の承認が不要になります。

【 令和4年 電帳法改正の要点②】請求書・領収書への自筆署名が不要になる

これまでは受領者本⼈が電⼦化をおこなう場合、⾃筆の署名をした上で電⼦化する必要がありましたが、法改正により、この自筆署名が不要になります。

【 令和4年 電帳法改正の要点③】本人が作成もしくは受領した書類の⼊⼒期限が2ヶ⽉以内に統⼀される

受領者本人が作成もしくは受領書類をスキャンする場合は、受領後3日以内に入力をしなければなりませんでしたが、業務処理サイクルと同じく2ヶ月以内に統一されます。

【 令和4年 電帳法改正の要点④】 ⼀定の条件で タイムスタンプが不要になる

タイムスタンプとは、「その時刻に、そのデータ(書類)が存在しており、改ざんがおこなわれていない」ことを証明するものです。これまでは発行者側と受領者側の双方にこのタイムスタンプの付与が必須とされていました。

本改正では、適した管理をおこなっていれば、受領者側のタイムスタンプは不要となります。
これは 電⼦化した画像を訂正削除不可であったり、訂正削除履歴が残るシステムに2ヶ⽉以内に保存した場合も同様です。

【 令和4年 電帳法改正の要点⑤】 紙原本と画像の確認が不要になる

これまでは紙原本と画像を⾒⽐べて同等性を確認する「相互けん制」がつきものでしたが、本改正により不要になります。

【 令和4年 電帳法改正の要点⑥】定期検査不要で紙書類の破棄が可能になる

これまで紙書類を破棄する場合は「定期検査後」に破棄することが可能とされていました。本改正後はスキャナ保存の要件を満たした紙書類は定期検査をせずに廃棄することが認められます。

【重要】2022年(令和4年) 電子帳簿保存法改正により追加される罰則規定について

気を付けたいのは、電子帳簿保存法改正によるいくつかの要件の緩和に伴ってあらたに追加された罰則規定です。

電子保存されたデータに関して改ざんが見られた場合は、通常課される重加算税の額に対してさらに10%の額が上乗せされます。

さらに、要件を満たさない電子データについては、紙での保存をおこなっていなければなりません。もしもこの点に不足があった場合は、損金計上が認められない可能性があります。

ここまでで、電子帳簿保存法改正についての理解を概ね深められたと思います。

次に、電子化・ペーパーレス化がすすまない企業が抱える問題点、そして電子帳簿保存法が改正される2022年1月1日までに企業がとるべき対応を見ていきましょう。

電子化・ペーパーレス化がすすまない企業が抱える問題点とは

企業がペーパーレス化に踏み切らない場合、企業が抱える問題点があります。
それが次の3つです。

①書類の内容を確認したいときに、該当書類を探し出す時間と手間がかかる
②膨大な書類を保管するスペースが必要になる
③書類がオフィスに保管されていることで、テレワークの推進ができない


これらの問題は、どれもペーパーレス化に踏み切らないかぎり解決することはありません。

問題点を解決!企業の電子化・ペーパーレス化のメリットを知ろう

紙書類の電子化は、先述のように企業が抱える問題を解決するとともにペーパーレス化によるコスト削減や業務効率化、安全性の向上を実現します。

紙保存を廃止することで、以下のメリットを得られます。

紙書類の電子化、ペーパーレス化による企業メリット

ペーパーレス化メリット①:大幅なコスト削減ができる

・ファイルやキャビネットスペース、外部倉庫などの保管費用を削減できる
・申請書や契約書や納品書といった証憑書類や申請書などの出力が不要になるため、印刷費用を削減できる
・これまで押印で使用していた印鑑や朱肉の費用を削減できる

ペーパーレス化メリット②:業務の効率化を推進できる

・膨大な書類のファイリングをする必要がなくなる
・過去書類の検索性が向上する「必要な情報の検索」を楽にできるようになる
・紙書類の用意、提出にかかる工数を削減できる

ペーパーレス化メリット③:安全性が向上する

・データをバックアップできるため、情報消失のリスクが少なくなる
・必要書類の紛失リスクが少なくなる

電子帳簿保存法改正に向けた対策

電子帳簿保存法改正に備えて企業が導入検討すべき3つのクラウドシステム

既出のように、2022年に施行予定の電子帳簿保存法改正では、電子データを定められた要件を満たして保存することが重要になります。

特に「日付」「取引先の名称」、そして「金額」の3項目については、すぐに検索できるようにしておかなければなりません。さらにメールで受領した書類の場合は、既出の3項目はもちろん、メール本文の保存も必須です。

紙保存を廃止し、紙書類の電子データ化や検索機能の確保を効率的におこなうには適切なシステムを導入する必要が出てきます。

そこで導入検討をすべきなのが「AI-OCR」「RPA」「iPaaS」の3つのクラウドシステムです。

紙書類を文字データにするクラウドシステム AI-OCR『DX Suite』

AI-OCRは、請求書をはじめとした「手書きの書類」や「帳票」をAI(人工知能)が読み取り、データ化するシステムです。

わかりやすい電子帳簿保存法改正対策AIOCR

AI(人工知能)ならではのディープラーニングによって精度向上が図られ、 これまで困難とされていたさまざまな文字情報の認識を実現しています。認識精度が向上したことにより、癖文字や達筆といった従来のOCRでは読取が難しかった文字であっても認識してくれますし、かすれ文字に関しても問題なく読み取れます。

わかりやすい電子帳簿保存法改正対策AIOCRでデータ化

さらに、請求書等の特定フォーマットは、AIが読取位置を自動で判別。あらかじめ登録されている書類の種類(画像右)を選択するだけで、簡単にあらゆる書類をデータ化します。

\手書き書類をAIで即データ化/

あらゆるサービス同士を繋げるクラウドシステムiPaaS『BizteX Connect』

わかりやすい電子帳簿保存法改正対策iPaaSでのデータ連携方法とは
わかりやすいノーコドでのデータ連携方法

iPaaS(アイパース)は、複数のシステム同士を連携して、業務自動化を実現するサービスです。バラバラに管理されているデータを統合したり、システム間の連携を円滑にするなど、あらゆるサービス同士をつなげる「橋渡し役」として機能します。

複数のシステム間をまたぐ定形業務をプログラミング不要で自動化するiPaaSは、 オンプレミスやクラウドなどさまざまなシステムを包括的に連携します。

ここでいう定型業務とは転記や確認、保存などあらゆる業務をさします。作業時間の削減にくわえ、生産性向上に大きく寄与してくれるシステムです。安心安全の国産iPaaS『BizteX Connect』では、無料トライアルも実施中です

電子帳簿保存法改正に向けて、業務自動化を体験したい方は、お気軽にBizteXにご連絡ください。

\さまざまなシステムとの連携が実現/

定型業務を自動化するクラウドRPA『BizteX cobit』

わかりやすいRPAで業務自動化
わかりやすいRPA導入後の業務自動化例
▲管理システムに自動ログインしダッシュボードより該当項目の絞り込みとダウンロードを実施。転記済ファイルを社内関係者に向けメール送信。

RPAは、「人間の代わりに業務をこなしてくれる自動化ツール」のことです。

・決まった手順の定型業務
・繰り返しおこなうルーティンワーク
などの自動化が得意で、主にPC上でおこなう事務作業の分野で導入が進んでいます。

▼RPAの活用例
・交通費精算や請求書データの入力、問い合わせ内容の転記
・ターゲットリスト作成やSFA入力、広告レポート作成
・顧客データ収集や在庫状況の確認、商品情報の更新
・新入社員・新規職者のアカウント登録、作成
・伝票入力や支払対応の実行、反社チェックなど

業務をこなすソフトウェアは通称「ロボット」といわれ、業界や業務に関わらず、さまざまなパターンのロボットを作成可能です。これによって作業時間を短縮したり、ヒューマンエラーを削減したりなどの生産性向上が期待できます。無料デモを体験したい方は、お気軽にBizteXにご連絡ください。

\事例を含めて5分でRPAがわかる/

【図説】メール本文・添付データ・画像データを自動で電子保存するフロー

わかりやすい電子帳簿保存法改正対策データ連携フロー

具体的な各システムの連携の流れは上のとおりです。

メール/FAXで届いた添付ファイルをファイルフォルダに自動格納
・メール本文・必要項目を転記し、ファイルフォルダに自動格納

PDFや画像データを文字データに変換
・文字データのファイルをファイルフォルダに自動格納
・社内管理システムに自動転記
・社内チャットにデータ起こし終了を自動通知


このように、システムの導入で、業務の効率化を実現。人の手を介さずに、業務を遂行できるため業務時間の大幅削減も見込めます。

さらに2022年の電子帳簿保存法改正の要件もこれらのシステムを導入することで、手間なく対応することができます。

わかりやすい電子帳簿保存法改正対策

業務時間 250時間削減AI-OCR×RPA×iPaaSの導入効果

仮に「情報の目視確認」と「情報の手入力」に1帳票あたり5分かかり、月に5,000帳票の対応が必要と仮定します。

この場合、合計で約420時間を目視確認と手入力に費やしていることになりますが、この業務に、iPaaSとAI-OCRを導入することで、およそ250時間の業務時間の削減を実現できます。

  5分 × 5,000帳票 ÷ 60分 = 416.666(約420時間)

それを自動化によって1帳票あたり5分 → 2分とした場合、必要な時間は約170時間になります。

  2分 × 5,000帳票 ÷ 60分 = 166.666(約170時間)

「420時間 − 約170時間」とすると、なんと250時間もの業務時間を削減していることがわかります。

\手書き書類をAIで即データ化/

【問い合わせ】電子帳簿保存法の改正施行に向けて、準備をはじめよう

国税関係帳簿書類は、ビジネスの場面で欠かすことのできないものです。現在国を挙げて推しすすめられている企業のDX化を促進するためにも、紙書類の電子化やペーパーレス化への対応は必須といえるでしょう。

2022年の電子帳簿保存法(電帳法)の改正に対応するには、自社の業務に適したクラウドシステムの導入検討が急務となります。本記事でご紹介したAI-OCRやRPA、iPaaSは、電帳法改正に伴う業務改善や社内のに大きく寄与するシステムです。

BizteXでは、デスクトップRPA「BizteX robop」国内初のクラウドRPA「BizteX cobit」、サービスとサービスを連携するiPaaS「BizteX Connect」を開発・提供しています。さらに業務改善を図るクラウドシステム「AI-OCR」のご提案もおまかせください。

電子帳簿保存法改正に向けて業務フローの見直しをご検討中の方、業務効率化に関するお悩みがある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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この記事を書いた人

DX hacker編集メンバーが不定期で更新します。
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