経理業務のRPA自動化|自動化できる業務・事例・失敗しないポイントを解説

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月次レポートの集計、経費精算の確認、請求書の転記。経理担当者の日常には、定型的だが時間を奪われる作業が数多くあります。そのうえ、一つのミスが決算データに影響する責任の重さから、ダブルチェックが欠かせず、工数はさらに膨らみます。

RPA(Robotic Process Automation)を導入すると、これらの繰り返し作業をソフトウェアのロボットが代行します。本記事では、経理業務においてRPAで自動化できる業務の範囲から、実名事例3社の削減実績、失敗しないポイントまでを解説します。

この記事でわかること
  • 経理業務でRPAを使って自動化できる作業の範囲
  • 社労士事務所・広告会社・TIS株式会社の実際の導入事例と削減時間
  • 自動化を定着させるための3つのポイント
  • BizteXの3サービス(BizteX robop・BizteX Connect・インテリジェント フロー)の使い分け
目次

経理業務で自動化が急がれる理由

RPAによる自動化を検討する前に、経理部門が今なぜ自動化を必要としているのかを確認しておきましょう。課題の本質を押さえることが、自動化対象の選定ミスを防ぐ第一歩になります。

月次・四半期の締め作業が担当者を圧迫している

月末・月初の数日間に業務が集中する「締め作業」は、経理部門共通の悩みです。複数システムからデータを手動で収集し、Excelへ貼り付け、差異を確認し、レポートとして仕上げる。この一連の作業を限られた人数でこなすため、残業や休日出勤が恒常化しているケースは少なくありません。

担当者が1名しかいない場合には属人化のリスクも高く、急な欠員が月次クローズに直接影響します。RPAを活用することで、これらのルーティン作業を自動実行し、担当者が本来注力すべき分析・判断業務に時間を使えるようになります。

転記ミスと確認作業がレポート品質を不安定にする

複数のシステム間でデータを手入力・転記する工程が多いほど、入力ミスのリスクは高まります。経費精算の転記ミスや請求金額の桁間違いは、発見が遅れると修正コストが大きくなります。そのため、提出前のダブルチェックが必須となり、これ自体が相当な工数を生んでいます。

RPAはあらかじめ定義したルール通りに正確に動作するため、転記ミスを構造的に防ぐことができます。チェック工数を削減しながら、品質を安定させることができます。

RPAで自動化できる経理業務の範囲

RPAは「画面を操作して、データを取得・入力・転記する」作業全般が得意領域です。経理部門で特に自動化効果が高い業務を見ていきましょう。

給与計算・経費精算の集計と転記

勤怠管理システムのデータを給与計算ソフトに転記する作業、経費精算システムで承認済みのデータを会計システムへ入力する作業はRPAが代行しやすい領域です。

複数システム間をまたぐ転記作業であっても、手順が定型化されていればRPAに任せることができます。実際に、給与計算・経費精算・月次監査依頼の自動化を実現した事務所では、2時間/日かかっていた業務が10分程度に短縮されています(後述事例参照)。

請求書処理・売掛金管理の自動入力

受注ごとに発生する請求書の作成・送付、売掛金残高の照合・更新も、RPAで自動化できる代表的な業務です。会計ソフトや基幹システムへの入力を自動化することで、月初・月末に集中する処理負荷を分散させることができます。

請求書処理にOCRを組み合わせると、紙やPDFの請求書をデータ化してシステムへ自動登録するフローも構築できます。API連携に対応していない旧来のシステムでも、画面操作を通じてデータを取り込めるため、システムリプレイスなしで自動化を始められます。

月次レポート・試算表作成のデータ取得

複数システムからデータを収集して試算表やKPIレポートを作成する業務も、RPAが特に力を発揮する領域です。各システムにログインしてデータをダウンロードし、Excelに貼り付けて集計する一連の作業をロボットが代行します。

データ取得が完了したExcelをGoogleスプレッドシートへ自動書き出しする設定にしておけば、レポート更新の工数をさらに削減できます。決算書類の作成補助や部門別損益集計など、定型的なデータ集計工程に幅広く応用できます。

RPAで自動化できる業務と向いていない業務の詳細については、「RPAでできること・できないこと」もあわせてご参照ください。

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経理業務のRPA自動化事例3社

実際にRPA(BizteX robop)を導入した企業の事例を紹介します。いずれも経理・財務に直結した業務の自動化事例です。

社会保険労務士事務所ダブルブリッジ:給与計算・経費精算など2時間/日→10分に短縮

給与計算業務をRPAで自動化したフロー図

社会保険労務士事務所ダブルブリッジ様では、BizteX robopを導入し、給与計算・公文書送付・経費精算・月次監査依頼の4業務を自動化しました。

導入前は、各業務の手作業に1日あたり計2時間以上を費やしていました。データの転記・確認・送付といった定型操作をRPAが代行することで、同じ業務量を10分程度でこなせるようになっています。「RPAが社員1名相当の業務量を担っている」と表現されるほどの効果が出ており、担当者は顧客対応や専門的な判断業務に注力できる体制が整いました。

給与計算や経費精算は、月次の集中処理が多い業務です。手順が定型化されているほどRPAとの相性がよく、精度の高い自動化が実現しやすい領域です。

広告会社:経費精算データのSAP変換処理を完全自動化し転記ミスを100%排除

広告・ダイレクトマーケティングを手がける企業様では、インテリジェント フロー(BizteXの業務改善代行サービス)を活用し、経費精算システム「マネーフォワード クラウド経費」の承認済みデータをグループ会社報告用のSAP取り込みフォーマットへ変換・出力する業務を自動化しました。

親会社の基幹システム(SAP)へのAPI連携が不可能なため、指定のExcelフォーマットへ手動で加工する作業が必要でした。変換ロジックが複雑で属人化しており、月初3日間に業務が集中する状況でした。

BizteX robopの導入後は、1日3〜5回の変換処理をRPAが代行。複雑な条件分岐もロボットが実行するため、判断ミス・転記ミスが100%排除されています。SaaSとレガシーシステムを組み合わせた環境でも、システム改修なしで自動化を実現した事例です。

TIS株式会社:経営DB生成業務を自動化し月70時間・年間1,400時間を削減

大手SIer・TIS株式会社様では、BizteX robopを導入し、経営データベースの生成業務を自動化しました。月70時間、年間換算で1,400時間のコスト削減を実現しています。

複数のシステムからデータを収集して経営DBを生成する作業は、担当者が手動でこなすと非常に時間がかかる工程です。RPAがこのデータ収集・加工のルーティン部分を担うことで、担当者は生成されたデータの分析・活用に専念できる環境になりました。

BizteX robopの導入事例をもっと見る


経理業務をRPAで自動化する3つのメリット

RPAの導入目的に関するBizteX調査によると、1位「コア業務へのリソース割り振り(53.8%)」、2位「ヒューマンエラー防止(49.8%)」、3位「コスト削減(44.8%)」となっています。経理部門での自動化においても、この3点がそのままメリットとなります。

月次業務の工数を削減し、分析・考察に時間を使える

給与計算・請求処理・レポート作成といった定型業務をRPAが担うことで、担当者は数字の読み解き・分析・経営への示唆出しといった付加価値の高い業務に時間を使えるようになります。

締め作業の負担が軽減されると、残業・休日出勤の常態化を防ぐことにもつながります。少人数の経理部門でも、業務量の増加に対して人員を増やさずに対応できるケースも生まれます。

ミスと確認作業を減らし、月次クローズが安定する

RPAは設定したルール通りに動作するため、転記ミスや入力漏れを構造的に防ぎます。ダブルチェックや修正対応に費やしていた時間が削減され、月次クローズの品質と速度が安定します。

ヒューマンエラーによる計上ミスや請求漏れが発生すると、修正・再確認の工数が大きく膨らみます。RPAで自動化した工程は、同じ手順を何度繰り返しても正確に実行されるため、こうしたリスクを根本から減らせます。

人件費削減でROIを可視化しやすい

経理業務の自動化は、削減できる作業時間を「時給×時間」で換算してROIを計算しやすい領域です。「月○時間削減=年間○万円のコスト削減」という形で効果を数値化できるため、経営層や管理部門への導入稟議を通しやすいという特徴があります。


経理RPA自動化を定着させる3つのポイント

RPAは導入すれば即座に効果が出るわけではありません。自動化の設計段階でポイントを押さえておくことが、長期的な定着につながります。

自動化する業務と「データの正」を最初に決める

RPAに任せる前に、「どの業務を自動化するか」と「正しいデータとは何か(データの正)」を明確にしておくことが重要です。この設計が曖昧なまま進めると、ロボットが誤ったデータを正として処理し続けるリスクがあります。

業務の範囲は「給与計算の転記のみ」「月次のデータ収集のみ」のように具体的に絞り込み、参照するデータソースを一本化しておくと、後からの修正コストを抑えられます。

例外・イレギュラーの扱いを事前に定義する

経理業務には「前月修正」「振替計上」「突発的な仕訳」など、通常フローとは異なる例外処理が発生することがあります。RPAはあらかじめ設定したルール通りにしか動けないため、例外への対処方法を設計段階で定義しておく必要があります。

例外が発生した場合に「担当者へアラートメールを送信して処理を止める」「別シートへ転記して手動確認フラグを立てる」といった処理を組み込んでおくと、例外が見落とされるリスクを下げられます。

まず1業務で成功体験を作り、横展開する

最初から複数の業務を一度に自動化しようとすると、設定の複雑さや想定外の例外処理への対処に時間がかかり、定着が難しくなります。まずは手順が明確でイレギュラーが少ない1業務(例:特定の請求データ取得)で自動化を完成させ、実績を確認してから他の業務へ展開する手順が確実です。

「1業務→検証→横展開」のサイクルを繰り返すことで、組織全体の自動化リテラシーが上がり、担当者が自分で改善を加えられる体制に育っていきます。RPA導入の失敗を防ぐポイントについては、「RPA導入の失敗原因と対策」も参考にしてください。

経理業務の自動化を支援するBizteXの3サービス

BizteXは経理業務の自動化に対応した3つのサービスを提供しています。業務内容や社内体制に応じて、最適なサービスを選択・組み合わせできます。

BizteX robop|手作業の繰り返しをロボットが代行

BizteX robop紹介画像

BizteX robopは、プログラミング不要で現場担当者が自分でロボットを作れるデスクトップRPAです。マウス操作やキーボードショートカットを記録してロボットを構築するため、ITの専門知識がなくても操作できます。

給与計算の転記・経費精算の集計・月次データ収集など、画面操作を伴う定型作業の自動化に強みを持ちます。IT部門以外の現場担当者が活用しているケースが導入企業の約70%を占めており、経理部門での自律的な運用実績が多数あります。

2週間の無料トライアルから試すことができ、トライアルで作成したロボットはそのまま本番環境で使用できます。

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BizteX Connect|会計SaaSとのデータ連携を自動化

BizteX Connect紹介画像

BizteX Connectは、クラウドサービス同士をAPIでノーコードにつなぐiPaaSです。freee・マネーフォワード クラウドなどの会計SaaSと、kintone・Salesforce・Slackといった業務ツールをAPI連携して、自動的にデータを流す仕組みを構築できます。

APIを使ってデータを取得するため、管理画面のUIが変わっても処理が止まりにくく、RPA(画面操作型)に比べて安定した長期運用が見込めます。データの連携タイミングも、定期スケジュールのほかに特定のイベント(承認完了・入金確認など)をトリガーとした即時連携が可能なため、データのリアルタイム性を確保しやすいのも特長です。継続率97%以上を実現しており、導入後の定着を支援するヘルプページ・トレーニング体制も整っています。

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インテリジェント フロー|設計から運用まで一括代行

インテリジェント フロー紹介画像

インテリジェント フローは、業務プロセスの要件定義・設計・構築・運用保守までをBizteXの専門チームが一括して代行するサービスです。現場担当者がツールを操作する必要がなく、経理部門の業務特性に合わせた自動化フローをプロが設計します。

「社内にRPAを設定できる人材がいない」「ツールを覚える時間が取れない」という状況でも、インテリジェント フローであれば自動化を進めることができます。3万件以上の自動化実績をもとに、業務の特性・例外処理・将来の拡張性まで考慮したフロー設計を実現します。

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おすすめRPAツールの比較については「おすすめRPAツール比較」も参考にしてください。

よくある質問

経理業務はRPAで自動化できますか?

自動化できます。特に、給与計算の転記・経費精算の集計・請求書入力・月次レポートのデータ収集など、「手順が定型化されていてシステム間の転記が発生する業務」はRPAと相性が良い領域です。

逆に、仕訳の勘定科目判断・税務判断・取引条件の交渉といった「状況に応じた判断」が必要な業務はRPAには向かず、人が担当する必要があります。

RPAで自動化できない経理業務はありますか?

あります。RPAはあらかじめ設定したルール通りにしか動かないため、「状況に応じた判断」が必要な業務は苦手です。イレギュラーな仕訳の判断・税務上の解釈・経営への示唆出しといった業務はRPAで代替できません。こうした業務はRPA導入後に担当者が注力する領域として位置づけるのが効果的です。

経理のRPA自動化でどのくらい時間を削減できますか?

業務の種類と規模によって異なります。今回紹介した事例では「給与計算・経費精算などで2時間/日→10分」「経営DB生成業務で月70時間削減」「経費精算のSAP変換処理で月初3日間の集中業務を解消」といった効果が出ています。

まず自動化対象業務の現在の工数(時間/月)を計測しておくと、導入後のROI算出もスムーズに進みます。

RPAを入れると経理の仕事はなくなりますか?

なくなりません。RPAが代行できるのは、手順が明確な定型作業に限られます。数字の解釈・分析・経営層へのレポーティング・イレギュラー処理の判断・外部との折衝といった業務はRPAでは代替できず、人が担う必要があります。

むしろ、定型作業をRPAに任せることで、こうした付加価値の高い業務に集中できる環境を作るのがRPA活用の目的です。

経理のRPA自動化はどこから始めればいいですか?

「手順が定型化されていて、月に一定回数以上発生し、システム間の転記・コピーが含まれている業務」から始めるのが効果的です。例として、月次の経費精算データの転記・特定システムからのデータ取得・定型フォーマットへのデータ貼り付けなどが挙げられます。

最初の1業務で自動化を完成させ、効果を確認したうえで他の業務へ展開する「スモールスタート」が、定着に向けた最も確実な進め方です。

まとめ

経理業務のRPA自動化では、給与計算・経費精算の転記、請求書処理、月次レポートのデータ収集が代表的な対象領域です。実際の導入事例では「2時間/日→10分」「月70時間削減」「転記ミス100%排除」といった定量効果が出ています。

自動化を成功させるには、自動化範囲の設計・例外処理の事前定義・スモールスタートの3点を意識することが重要です。経理部門の規模や社内リソースに応じて、BizteX robop(自社構築)・BizteX Connect(SaaS連携)・インテリジェント フロー(代行)から最適な形を選択できます。

まず1業務の自動化を試してみたい方には、BizteX robopの2週間無料トライアルから始めることをおすすめします。

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この記事を書いた人

DX hacker編集部 瀧澤のアバター DX hacker編集部 瀧澤 マーケティング部オウンドメディア担当

DX hacker編集部の瀧澤が不定期で更新します。
業務自動化・DX推進に役立つ最新情報を、30,000件以上の支援実績をもとにわかりやすく発信中。
「インテリジェント フロー」や「BizteX robop」「BizteX Connect」などの業務最適化サービスも紹介しています。

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