請求書処理は「受領 → 確認 → 転記 → 承認 → 支払い」と手作業が積み重なりやすい業務です。件数が増えるほど担当者の負担は増え、月末月初の処理集中という構造的な問題もあります。
「RPA・iPaaSで請求書処理を自動化したい」と考えているものの、どの工程にどのツールを使えばよいか判断できないという担当者は多くいます。この記事では、ツールの役割分担の整理と実名事例を中心に解説します。
- 請求書処理のどの工程をRPA・iPaaSで自動化できるか
- AI-OCRとの組み合わせで非構造化請求書に対応する方法
- 川西ほんわか訪問診療クリニック様・カクイチ様の実名事例と削減効果
請求書処理で自動化できる工程
請求書処理の自動化は「画面操作の代行(RPA)」と「システム間のデータ連携(iPaaS)」の2方向から進められます。自社の業務フローがどちらに当てはまるかで、使うツールが変わります。
RPAが担う「画面操作・転記・入力」
RPA(Robotic Process Automation)は、人がPC上で行う操作をそのまま記録・再現するツールです。請求書処理では次の工程で使えます。
- メール添付の請求書PDFをダウンロードし、所定フォルダへ保存する
- 基幹システムや会計ソフトへ請求データを転記・入力する
- 支払い承認画面の確認・クリック操作を代行する
- 処理済みファイルを指定フォルダへ移動・整理する
手順が決まっており繰り返し発生する操作が主な対象です。APIを持たない古い基幹システムや業界専用の会計ソフトも画面操作で動かせるため、「SaaS同士の連携ツールでは手が届かない」業務でも自動化が可能です。
iPaaSが担う「システム間連携・通知・トリガー」
iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウドサービス間をAPI経由で連携するツールです。次のような工程で効果を発揮します。
- クラウドストレージ(Box・Google Drive等)への請求書到着を検知し、後続処理をトリガーする
- AI-OCRで読み取った請求書データを会計ソフトやkintoneへ自動登録する
- 請求承認が完了したら、Slackや社内チャットで担当者へ自動通知する
- 支払い期日が近い請求書をリストアップして担当者に自動送信する
SaaS同士のデータ受け渡し・通知・連携が得意な領域です。
RPAとiPaaS、どちらが向いているか
| 状況 | 適するツール |
|---|---|
| 基幹システム・会計ソフトへの画面入力が必要 | RPA(BizteX robop) |
| クラウドサービス間のデータ連携・通知が目的 | iPaaS(BizteX Connect) |
| 紙・PDFの請求書をシステムに取り込みたい | AI-OCR+RPA または iPaaS |
| 複数工程を一気通貫で自動化したい | RPA+iPaaSの組み合わせ |
導入事例:川西ほんわか訪問診療クリニック様(在宅医療)
在宅医療を展開する川西ほんわか訪問診療クリニック様では、訪問リスト作成と600枚以上の書類作成業務にRPA「BizteX robop」を導入しました。

導入前は月約50時間かかっていた書類作成業務が自動化され、担当者の作業は「確認」のみになっています。医療現場では書類の正確性が患者対応に直結するため、手作業によるミスリスクの低減も重要な効果です。
「定型的な書類作成を大量にこなす必要があるが、IT部門を通じたシステム開発は難しい」という環境でも、現場主導でRPAを活用した事例です。
導入事例:株式会社カクイチ様(ガレージ・倉庫)
ガレージ・倉庫製品を展開するカクイチ様では、太陽光関連の請求処理業務にiPaaS「BizteX Connect」を導入し、月50時間の作業時間削減を実現しました。

導入前は1物件あたり30分かかっていた請求処理が、10物件まとめて約5分で完了する体制になっています。複数物件の請求データをSaaS間で連携して自動処理する仕組みを構築したことで、担当者の手作業がほぼなくなりました。
「件数が増えるほど効果が大きくなる」という、iPaaSによる請求処理自動化の典型的な恩恵が得られた事例です。
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請求書処理を自動化するメリット
ヒューマンエラーと入力ミスの削減
手入力ではどうしても転記ミスが発生します。金額・日付・取引先コードのひとつが間違えば、支払いトラブルや経理の手戻りにつながります。RPAは同じ手順を正確に繰り返すため、入力精度が安定します。
月末月初の繁忙期対応
請求書の処理は月末月初に集中しがちです。ロボットは時間を問わず稼働できるため、夜間・早朝に処理を分散させることができます。担当者が翌朝出勤したときには処理が完了している状態を作れます。
属人化の解消
「この人しか請求書の処理ができない」という状況は、担当者の離職・異動時にリスクになります。RPAで手順を自動化しておけば、引き継ぎコストが大幅に下がります。
自動化を進めるときのポイント
自動化する範囲を絞って始める
「請求書処理全体を自動化する」と設計が複雑になります。最初は「メール受信したPDFを所定フォルダへ保存する」「基幹システムへの転記だけ」など、1工程から始めるのが現実的です。
データの入力ルールを統一する
自動化の前提として、請求書のフォーマットや入力ルールが統一されている必要があります。取引先ごとにフォーマットがバラバラな場合は、まず例外パターンの整理から着手してください。
例外・エラー時の対応フローを決める
金額が読み取れなかった、フォーマットが通常と異なるといった例外が発生したときの処理を事前に設計しておくことが重要です。「担当者に通知してから手動対応」というフローをルール化するだけで、安定した運用につながります。
BizteX robopで始める請求書処理の自動化

BizteXは、デスクトップ型RPA「BizteX robop」とiPaaS「BizteX Connect」を提供しています。2つのツールを組み合わせることで、請求書処理の入口から出口まで自動化できます。
BizteX robopは、プログラミング不要でPC上の定型操作を自動化するRPAです。マウス操作とドラッグ&ドロップでロボットを組み立てられるため、経理担当者が自分でロボットを作れます。基本操作の習得目安は2時間。APIを持たない基幹システムや会計ソフトにも対応しているため、「古いシステムがあるから無理」という場面でも自動化できます。
AI-OCRや他のSaaSとのデータ連携を組み込みたい場合は、BizteX Connectとの組み合わせを検討してください。受注書・請求書の読み取り結果をそのままkintoneや会計ソフトへ自動登録する、という一気通貫のフローが組めます。
まずRPAで「転記・入力の自動化」から始め、必要に応じてiPaaSを加えるという段階的なアプローチが、運用コストを抑えながら効果を積み上げる方法です。
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よくある質問
- 紙の請求書はRPAで自動化できますか?
-
紙の請求書をそのままRPAで処理することはできません。AI-OCRで電子データに変換する工程が先に必要です。変換後のデータを基幹システムへ転記・登録する工程はBizteX robopが担えます。
- 請求書の書式がバラバラでも自動化できますか?
-
書式の違いはAI-OCRの精度に影響します。完全に統一されていなくても対応できるケースはありますが、まず自動化しやすい「一定フォーマットの請求書」から始めることをお勧めします。
- 既存の会計ソフトはAPIがないのですが、連携できますか?
-
BizteX robopは画面操作を記録・再現するRPAのため、APIがない会計ソフトでも自動化が可能です。会計画面にログインして入力する操作を、ロボットがそのまま再現します。
- 導入にはIT部門の関与が必要ですか?
-
BizteX robopはプログラミング不要で現場担当者が設計できます。IT部門を通じたシステム開発なしでも、経理・総務の担当者が自分でロボットを作って運用している事例が多くあります。
まとめ
請求書処理の自動化は、RPAとiPaaSの役割分担を整理することがスタートです。画面操作・転記が中心ならRPA、クラウドサービス間のデータ連携が目的ならiPaaS、紙やPDF形式の請求書を扱うならAI-OCRとの組み合わせを検討してください。
川西ほんわか訪問診療クリニック様・カクイチ様の月50時間削減という実績が示すように、業務の性質に合ったツールを選ぶことで大きな効果が得られます。
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