人事・総務部門の業務には、繰り返し行われる定型作業が多く含まれています。これらの業務を手作業で行うと、時間や人員が大量に必要となりますが、RPAを導入することで効率的に自動化することができます。
本記事では、RPAを活用した人事・総務業務の自動化事例やそのメリット、導入のポイントについて詳しく解説します。業務効率化を目指す人事・総務担当者の方は、ぜひご参考ください。
人事・総務部門の業務はRPAで自動化できる
RPAは定型業務を自動化できるツールです。人事・総務部門では、決まったフローで行う業務が数多く存在します。例えば、以下のような業務が自動化の対象となります。
- 勤怠データの集計
- 給与計算
- 各種申請書の処理
- 社員情報の更新
上記の業務ではデータ入力や転記、集計などの単純作業が多く含まれています。RPAを導入して自動化することで、作業時間の大幅な削減やヒューマンエラーの防止が期待できます。
\事例を含めて5分でRPAがわかる/
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人事・総務業務が抱える課題
人事・総務業務は、多くの企業にとって欠かせない役割を担っていますが、その業務内容は複雑で煩雑なものが多く、さまざまな課題を抱えています。
例えば、業務の属人化や定型業務の手作業による非効率さ、さらにはコミュニケーションの不足による業務停滞などが挙げられます。それぞれ詳しく解説します。
業務の属人化
多くの人事・総務業務では、特定の社員に業務が集中し、属人化が進む傾向があります。これにより、担当者が不在や退職した際、業務が滞るリスクが高まります。
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の導入によって、日常的なタスクを自動化し、業務の属人化を解消することが可能です。
定型業務の手作業による非効率性
人事・総務には、データ入力や書類作成など、繰り返し行われる定型業務が数多くあります。手作業によるこれらの業務は、時間がかかるだけでなく、ミスの発生も避けられません。
RPAを活用することで、こうした定型業務を自動化し、業務のスピードと正確さを向上させることができます。これにより、業務の効率化と生産性の向上が図れます。
コミュニケーション不足による業務の停滞
人事・総務では、他部署との連携や社内外のコミュニケーションが欠かせませんが、情報の伝達不足や遅れが業務の停滞を引き起こすことがあります。
RPAを活用して通知や報告を自動化すれば、コミュニケーションの効率が向上し、業務の滞りを防ぐことが可能です。結果として、スムーズな業務進行を実現できます。
RPAで自動化できる人事・総務部門の導入事例
定型業務が多い人事・総務部門では、RPAによる業務自動化が大きな効果を発揮します。この章では、BizteX robopで自動化した業務の活用事例を、自動化フロー図とともにに紹介します。
入社手続き時のアカウント発行業務
こちらの事例では、RPAで入社手続き時のアカウント発行業務を自動化しました。
これまでは、新入社員の入社時にアカウント発行業務を手作業で行っていたため、この作業には1人あたり約20分を要していました。
そこで以下の作業をRPAで自動化しました。
- 新入社員情報の自動取得
- 各種アカウントの自動発行
- 結果の自動記録
- 作業完了の自動通知
その結果、1人あたりの処理時間がわずか5分に短縮されました。例えば、5名の新入社員がいる場合、従来なら100分(5名×20分)かかっていた作業が、わずか25分(5名×5分)で完了するようになりました。さらに、月単位で考えると1,500分(25時間)もの業務時間を節約できるようになったのです。
さらにRPAの活用は入社時だけでなく、退職時の処理にも適用可能です。退職書類の自動作成・送付や、各種アカウントの自動削除も行えます。これにより、人事部門の定型業務が大幅に効率化され、人事担当者はより付加価値の高い業務に時間を割けるようになります。
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人事評価シートの作成
こちらの事例では、RPAを活用して人事評価シートの作成を自動化しました。
従来は、複数のシステムからデータを抽出し、エクセルシートへ入力・転記し、PDFに変換してメール送信するまで、すべての作業を手作業で行っていました。そのため、多くの工数がかかり、ヒューマンエラーのリスクも高い状態でした。
これらの課題を解決するためにRPAを導入し、すべての工程を自動化しました。その結果、作業時間が大幅に削減され、従来3日かかっていた作業がわずか2時間で完了するようになりました。ヒューマンエラーもなくなり、データ入力ミスや送信ミスがゼロになりました。
この自動化は業務効率化にとどまらず、人事担当者が戦略的業務に注力できるようになり、リソースの有効活用にもつながりました。その結果、人事部門の生産性が飛躍的に向上し、より質の高い人事評価の実現に成功しました。
教育研修の運用サポート
こちらの事例では、RPAの導入により教育研修の運用サポートを自動化しました。
導入前は、複数のシステムから研修やeラーニングの受講状況、資格取得状況を確認する必要があり、担当者の負担が大きくなっていました。手動での作業はヒューマンエラーのリスクを伴い、重要な連絡の抜け漏れや誤った情報の伝達といった問題が懸念されていました。
これらの課題を解決するためにRPAを導入し、教育研修の運用サポートを効率化しました。具体的には、申請システムからのデータ収集、未受講者リストの作成、リマインドメールの送信、承認者への報告が自動化されました。
これにより、管理工数の削減とタイムリーなフォローアップが実現しました。人事担当者は定型業務から解放され、より戦略的な業務に注力できるようになり、結果として、管理工数をかけずに教育研修の運用をサポートすることが可能となりました。
見積書作成・送付業務
こちらの事例では、RPAの導入により、Webフォームの入力内容に基づく見積書の作成・送付業務が自動化されました。
自動化前は、人事・総務部門の担当者が毎回100〜200件もの見積書対応を行っており、かなりの時間と人員を費やしていました。手作業ではヒューマンエラーも発生し、その修正対応により精神的負担も大きい作業でした。
これらの課題を解決するためにRPAを導入し、見積書の作成・送付業務を大幅に効率化しました。手作業によるヒューマンエラーがなくなり、業務の正確性が向上しました。
さらに、見積書送付までの時間も短縮され、商談をスムーズに進めることが可能になりました。人事担当者は負担の大きい作業から解放され、人的リソースを戦略的な業務に振り向けられるようになり、残業時間やエラー修正コストも削減されました。
スカウトメール送信業務
こちらの事例では、RPAの導入によりスカウトメール送信業務を自動化しました。
自動化前は、人材の選定から候補者リストの作成、メール送信まで手作業で行われており、膨大な時間と労力を要していました。さらに、手作業による人為的ミスのリスクも高く、誤った情報を送信してしまう可能性や優秀な人材を見逃してしまうことが懸念されていました。
こうした課題に対し、RPAの導入が有効な解決策となりました。複数の求人サイトからの人材選定、送信リストの作成、スカウトメールの送信までを自動化することで、作業時間が大幅に削減されました。
さらに、この技術はスカウトメール以外にも応用可能です。勤怠関連のリマインドなど、社内向けの一斉メール送信にも活用できます。リマインド自動化のメリットは、手作業での煩わしさがなくなり、心理的負担が軽減されることです。自動化することで、担当者は気持ち的にも楽になり、より重要な業務に集中できるようになります。
\費用対効果が出たRPA事例を業務別に紹介/
その他の人事・総務部門の活用事例
人事・総務部門では、他にもRPAを活用して自動化できる業務はたくさんあります。
- 人事異動のデータ更新
- 勤怠情報の管理
- 求人票の更新
- 労務・給与管理
- 物品購入と経費清算
- 各種福利厚生の利用申請処理
- 出張申請の処理
勤怠情報の管理は、毎日発生する業務です。RPAを導入することで、タイムカードデータの集計や残業時間の計算を自動化できます。
労務・給与管理も、RPAとの相性が良い業務です。給与計算や社会保険関連の処理を自動化することで正確性が向上し、処理時間も短縮されます。特に月末や年度末の繁忙期には、効果が顕著に表れるでしょう。
また、人事異動や求人票などの見落としやすいデータ更新も、RPAで自動化することで変更漏れを防げます。
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RPAで人事・総務部門の業務を自動化するメリット
RPAによる人事・総務業務の自動化は、以下のようなメリットをもたらします。
- 業務効率化とコストの大幅削減ができる
- 正確にデータを集計・処理してくれる
- 従業員の満足度が向上する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
業務効率化とコストの大幅削減ができる
RPAの導入により、時間や人手がとられていた手作業を効率化できます。例えば、勤怠データの集計や給与計算などの定期的に発生する業務を自動化可能です。
手作業によるヒューマンエラーの減少により、修正にかかるコストも削減されます。これは時間の節約だけでなく、ミスによる金銭的・信用的損失のリスクも低減します。
自動化によって浮いた人的リソースをより戦略的な業務に再分配することで、組織全体の生産性と価値創出が向上します。結果として、総合的なコスト効率が大きく改善されるのです。
正確にデータを集計・処理してくれる
RPAの導入により、人事・総務部門のデータ処理は高精度かつ正確になります。従来の手作業では避けられなかった入力ミスや計算ミスが激減し、一貫性のある高精度のデータ処理が可能です。
例えば、給与計算や勤怠管理、経費精算などの複雑な処理も、RPAなら24時間365日、疲れを知らずに正確に遂行します。
大量のデータを扱う際も、RPAは高速かつ正確に処理可能です。これによりレポートや分析の質が向上し、より信頼性の高いデータを抽出できます。
人事・総務部門では個人情報や経営に関わるデータを多く扱うため、RPAによるデータの正確性は大きなメリットとなるでしょう。
従業員の満足度が向上する
人事・総務部門では、ミスが許されない重要データを日常的に扱います。この手作業による心理的負担は非常に大きく、特に上司や経営陣へのリマインドメール送信などは精神的ストレスの要因です。
しかし、RPAを導入して自動化することで、従業員は確認作業のみに注力できるようになり、締め切りに追われるストレスも減少します。
定時に自動処理されることで、伝達ミスや伝達漏れもなくなります。これにより、残業時間の削減やワークライフバランスの改善にもつながります。
結果として従業員のストレスが減り、満足度が向上します。
\導入効果を最大化する方法を解説/
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RPA導入のメリットとは?デメリットや導入効果が出た事例も解説
RPAでできること・できないことを自動化フロー図で解説!
RPA導入後に人事・総務部門の業務自動化を失敗しないためのコツ
RPA導入の失敗を避けるためのポイントは、以下のとおりです。
- 習得時間の短い覚えやすいRPAを選ぶ
- 専任の担当者がいるRPAベンダーを選ぶ
- 運用代行サービスも活用する
- スモールスタートで自動化を始める
それぞれ詳しく解説します。
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習得時間の短い覚えやすいRPAを選ぶ
人事・総務部門の従業員が、短期間で使いこなせるRPAツールを選択することが重要です。数時間の研修で基本操作を習得できるツールが望ましいでしょう。
使いやすいツールを選ぶことで導入初期のハードルが下がり、従業員の抵抗感も軽減されます。また早期に効果を実感できるため、組織全体のRPA活用も積極的になるでしょう。
習得が容易なツールであれば、部門内での知識共有も円滑に進みます。これにより特定の個人に依存せず、チーム全体でRPAを活用する体制が構築できます。
専任の担当者がいるRPAベンダーを選ぶ
導入後のサポート体制が整っているベンダーを選ぶことが、RPA導入の成功につながります。専任の担当者がいることで、トラブル発生時に迅速かつ的確に対応してもらえます。
また、定期的なセミナーやトレーニングを提供しているベンダーを選ぶことで、継続的なスキルアップが図れます。
専任担当者との長期的な関係構築により、自社の業務特性に合わせたカスタマイズや改善提案なども期待できます。これにより、より効果的なRPA活用が実現するでしょう。
運用代行サービスも活用する
自社のリソースが限られている場合、運用代行サービスの活用もおすすめです。自動化対象業務の選定から運用、効果測定まで全て任せることができます。
特に導入初期や複雑な業務の自動化には、外部の専門家のサポートが大きな助けとなります。専門家の知見を活用することで、効率的かつ効果的な自動化が可能です。
また、運用代行を通じてRPAの活用ノウハウを学び、徐々に内製化していく方法もあります。これにより長期的には自社での運用力が向上し、コスト削減にもつながるでしょう。
スモールスタートで自動化を始める
RPA導入は、小規模な範囲から始めることが成功への近道です。具体的には、次のようなステップを踏むことをおすすめします。
- 自動化対象の業務を絞り込む
- 短期間で効果が出やすい簡単な業務から着手する
- 成功事例を積み重ね、徐々に適用範囲を拡大する
- 定期的に効果を測定し、必要に応じて改善を行う
上記の方法により、リスクを最小限に抑えつつ、早期に効果を実感できます。また、段階的に経験とノウハウを蓄積できるため、長期的な成功につながります。
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人事・総務部門の業務自動化は「BizteX robop」がおすすめ
BizteXでは、人事・総務部門の自動化にもピッタリのRPA「BizteX robop」を提供しています。基本的な操作が約2時間で覚えられるため、操作の習得に困ることはほとんどありません。実際に、導入企業の約7割が現場部門で活用しています。
また、初心者でも理解しやすい学習プログラムや、専任担当者による手厚いサポート、運用代行の提供により、困ったときにもすぐに解決できます。
デスクトップ型RPAのため、「自社開発ツール」や「独自の管理画面」といったレガシーシステムにも対応しています。
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iPaaS「BizteX Connect」でも人事・総務部門の業務を自動化できる
BizteXではノーコード・ローコードでサービス連携ができるiPaaS「BizteX Connect」も提供しています。こちらも活用することで人事・総務部門業務のさらなる自動化を実現させることができます。
たとえば、勤怠打刻や各種申請の通知なども「BizteX Connect」で自動化できます。
上記の事例では、SlackとKING OF TIMEを「BizteX Connect」で連携しています。勤怠打刻は、Slack上の特定のスタンプを押すだけでKING OF TIME上で自動的に打刻されます。また、KING OF TIME上で行ったスケジュール申請などもSlack上で自動通知されるようになっています。
このような自動化により、打刻漏れや申請の承認漏れが大幅に軽減され、人事や総務部門の月末に発生する業務量も減少します。
iPaaSはRPAと併用することで、さらに効率化が可能です。上記のような自動化に加えて、RPAと組み合わせることで、より幅広い自動化も実現できます。
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まとめ
RPAは人事・総務部門の業務効率化に役立ちます。入社手続き、人事評価、教育研修、見積書作成、スカウトメール送信など、さまざまな業務を自動化できます。
RPAの導入により、作業時間の大幅削減、ミス防止、データ処理の正確性向上、従業員満足度の改善が期待できます。
自動化を成功させるためのコツは、使いやすいツールの選択、充実したサポート体制、運用代行サービスの活用、そしてスモールスタートでの段階的導入です。RPAで人事・総務部門の業務革新を実現しましょう。
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