製造業界では労働市場の変化などにより、多くの課題が生まれてきています。そうした製造業界の課題を解決する手段の一つとして、RPAがいま注目を浴びています。
内閣府の調査によると、製造業界におけるRPA投資の実施率は約14%で、金融業・保険業、サービス業についで3位と、比較的RPAの導入が進んでいる業界の1つです。もしまだ導入されていないのであれば、ぜひ本記事を参考にしてください。
本記事では、「製造業界でもRPAは活用できるの?」「RPAを製造業界で導入するメリットは?」など、製造業界とRPAの活用について事例を交えて詳しく解説します。
\RPAは製造業界でも活用できる/
製造業界が抱える課題とは
製造業界は、日本全体のGDPのおよそ2割を占める大きな業界ですが、解決しなければならない課題も多くあります。代表的なものは下記の3つです。
- 人手不足と人件費の高騰
- 業務が属人化しやすく技術継承もしづらい
- 災害・感染症によるサプライチェーンの分断
今回はこれら3つの課題について解説していきます。
人手不足と人件費の高騰
製造業界では、日本の少子高齢化による労働力の減少と若者離れにより、人手不足が深刻化しています。2030年の未来推計では、製造業界の人手は約38万人不足するという予測結果も出ています。
その対策の一つとして、少数の優秀な人材で業務をこなす方法もありますが、製造業界は国内産業全体の中でも平均賃金の水準が高いため、優秀な人材を採用するとなると人件費が高騰してしまう問題があります。
こうした人手不足や人件費の高騰問題をすぐに解決することは難しいため、今あるリソースの中で生産性や品質を向上させる方法の検討が必要でしょう。
業務が属人化しやすく技術継承もしづらい
製造業界では、特定の熟練工や技術者に依存する作業プロセスやノウハウが多く、業務が属人化されてしまいがちです。
しかし、この属人化を解消しようにも十分に技術継承がされないまま熟練技術者が先に退職してしまうという現状があります。
この問題に対処するためには、業務の標準化やマニュアルの整備、教育・研修システムの充実化にリソースを割けるようにすることが重要です。
災害・感染症によるサプライチェーンの分断
災害・感染症によるサプライチェーンの分断は、部品供給の遅れや生産停止が直接的な損失に繋がります。そのため、弾力性や柔軟性のあるサプライチェーンの構築など、BCP(事業継続計画)対策が必要です。
複数の調達先の確保、在庫管理の自動化やリアルタイムでの情報共有など、最先端技術の導入は必須となるでしょう。
製造業界でもDX推進が重要になる
製造業界においても前述した課題を解決するため、DX(デジタルトランスフォーメーション)化は重要なテーマとなっています。新しいテクノロジーを積極的に導入することで、製造ラインや日々のルーティン業務を効率化することができます。
ここでは代表的なDX推進の施策を3つ紹介していきます。
工場をスマートファクトリー化
スマートファクトリー化とは、IoT(Internet of Things)技術、AI(人工知能)、ロボティクス、ビッグデータ分析などのデジタル技術を統合し、製造プロセスの自動化と最適化を図ることです。
製造ラインを自動化することで人的ミスを減らし、生産効率の向上とコスト削減が実現できます。
また、リアルタイムでのデータ収集と分析により、生産プロセスが把握しやすくなるため、迅速な意思決定と品質管理ができるようになります。
サプライチェーン管理のデジタル化
ブロックチェーンやクラウドコンピューティングなどの技術を利用して、調達から製造、配送に至るまでの全プロセスを一元管理します。これにより、供給網の可視化と効率化が進み、リードタイムの短縮や在庫コストの削減が可能になります。
また、柔軟性が向上し、市場の変動に迅速に対応できるため、リスク管理が強化されます。
RPAで定型業務を自動化
RPAは、主に請求書やレポート作成を含む事務作業などの定型業務を自動化することを得意としており、製造業界では必須となる在庫管理や品質管理プロセスなども自動化が可能です。
こうした毎日の定型業務を自動化することによって、より重要な業務へ時間を割くことができるようになります。
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製造業界もRPAで業務自動化ができる
製造業界では、DXの一環としてRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)による業務自動化が注目されています。
前述した通りRPAは、データ入力や書類作成などのルーティン業務を自動化することを得意としており、業務効率化はもちろんのこと、人的なミスも減らせます。
製造業界では、例えば下記のような業務がRPAによって自動化できます。
- 受発注業務や在庫管理を自動化
- 品質管理を自動化
- 請求書や報告レポート作成を自動化 など
それぞれ一つずつ解説していきます。
受発注業務や在庫管理を自動化
RPAを活用すれば、顧客からの注文受付、注文内容の確認、システムへの入力、製造指示などのプロセスを自動化できます。
他にも下記のような業務を自動化できます。
- 在庫レベルの監視
- 在庫補充のための自動発注
- 過剰在庫や在庫不足の警告 など
このような自動化によって、顧客サービスの質が高まり、結果的に競争力も高めることができます。
品質管理を自動化
RPAを活用すれば、品質検査の結果記録、不良品の報告、品質データの分析など、品質管理プロセスを自動化できます。
これにより、製品の品質を一定に保てるようになるだけでなく、品質データの即時分析と迅速な意思決定もしやすくなります。
請求書や報告レポート作成を自動化
仕入れ先からの請求書処理、販売請求書の作成、支払い処理などの経理関連の業務を自動化することができます。
また、それだけでなく生産データ、販売データ、品質データなどの自動収集と自動分析、定期的なレポート作成などもRPAで効率化が可能です。
\RPAは製造業界でも活用できる/
製造業界でRPAを導入するメリット
製造業界でRPAを活用すると下記3つのメリットが得られるでしょう。
- 従業員の業務負担が軽減できる
- 人的ミスが減ることで品質が向上する
- サプライチェーン分断時のリスクを軽減できる
どれも製造業界の課題を解決していくために重要なものばかりです。一つずつ解説していきます。
従業員の業務負担が軽減できる
RPAによって日々のルーティン業務を自動化すれば、従業員の業務負担を減らすことができます。負担が減ることで社内の雰囲気も良くなり、働きやすい環境になるでしょう。
また、業務自動化によって生まれたリソースは、技術継承に必要な教育体制の整備や、より創造性の高い業務へ充てることで企業の生産性を上げることもできます。
人的ミスが減ることで品質が向上する
RPAによって自動化された業務は、ロボットが正確に実行してくれるため、今まで手作業で発生していたヒューマンエラーを防止することができます。
たとえば品質検査の記録や不良品の追跡などを自動化することで、品質に直接関わる業務のミスも減らせるため、いままで以上に製品の品質を保てるようになるでしょう。
サプライチェーン分断時のリスクを軽減できる
製造業界では、自然災害や政治変動、パンデミックなどでサプライチェーン(※)が分断された際、早期に回復できるかが非常に重要になります。
こうした緊急事態を想定し、あらかじめRPAを活用してサプライチェーンの各段階で情報を自動収集・共有するようにしておくと、どの段階で問題が生じているのか、どこまで影響が及んでいるのかを迅速かつ正確に判断できるようになります。
※サプライチェーン(Supply Chain)とは、原料調達、製造、在庫管理、物流、販売などを通じて、消費者の手元に届くまでの一連の流れ
関連記事:RPA導入のメリットとは?デメリットや導入効果が出た事例も解説
\導入効果を最大化する方法を解説/
製造業界のRPA活用事例
ここではRPA活用事例をご紹介します。
DX推進と聞いて身構えず、これから挙げていく事例のような単純作業を自動化し、業務を改善していくのがおすすめです。
電子申請サイトに登録する業務を自動化
株式会社カクイチ様が毎月行っている転記作業をRPAで自動化した事例をご紹介します。
電子申請サイトにExcelやGoogleスプレッドシートに入力されている情報を登録する業務(月間3,000件ほど)
上記のような業務を「BizteX robop」で自動化した結果、250時間分のコスト削減に成功しました。ロボットに任せることで作業量の削減はもちろんですが、心理的負担も軽くなったとのことです。
関連記事:老舗企業のDX|250時間分の転記作業をRPAで自動化-株式会社カクイチの導入事例
検査データから必要なデータを抽出・集計
検索データの集計業務をRPAで自動化した事例です。
検査システムのデータから条件に合うものだけを抽出し、集計用のExcelへ転記する業務
上記のような業務を「BizteX robop」で自動化した結果、毎日約1時間必ず行っていた手作業による転記作業が無くなり、年間でおよそ240時間が削減されました。また、自動化後は作業完了通知も担当者へ自動通知されるようになりました。
入手困難な電子部品の在庫サイトチェック
定期的に発生していた電子部品の発注業務をRPAで自動化した事例です。
定期的に部品調達サイトをチェックし、在庫があれば発注をかける業務(常にサイト監視が必要)
上記のような業務を「BizteX robop」で自動化した結果、年間およそ1,200時間のコスト削減に成功しました。担当者は監視の時間が削減され、自動通知がきたら発注するだけになりました。
▼BizteX robopでは、2週間無料でRPAの自動化体験ができます。
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製造業界でRPAを導入する流れ
製造業界でRPAを導入するのは、難しくありません。
下記のステップで進めていけば、スムーズかつ導入後も継続的に業務改善をすることができます。
- 自動化したい業務を選ぶ
- 要件に沿ってRPAツールを選ぶ
- 無料トライアルでテスト導入して効果を検証・確認する
- RPAツールを本格導入する
まずは始めに、現在の業務で自動化できるものがあるか洗い出し、RPA導入による費用対効果が見合うのかを確認する必要があります。
とはいえ、どの業務が自動化に適しているのかを判断するのは難しいと思います。BizteXでは、タスクマイニングサービスを無料で行っており、業務自動化診断レポートの作成や業務自動化後の費用対効果の算出が可能です。
関連記事:RPAシナリオとは?初心者でも作成できる手順例やポイントを解説
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製造業界でRPAの導入を成功させるポイント
RPAは製造業界でも活用することで大きなメリットを得ることができますが、導入が成功するかは使用するRPAによっても変わります。
RPAの導入を成功させるためのポイントとして、以下2つは必ず確認しておきましょう。
- 非IT部門でも簡単に使えるか
- 導入後につまずかないサポート体制があるか
RPAを導入しても、有効に使えないと費用対効果を出すことはできません。特に製造業界では高齢化や若者離れが顕著なので、これらの要点を抑えているかは非常に重要です。
一つずつポイントを解説していきます。
非IT部門でも簡単に使えるか
ひとくちにRPAといっても、さまざまな種類があります。せっかくRPAを導入したのに一部の部門でしか使えず属人化してしまい、想定していた費用対効果が得られなかった例は多くあります。
相当複雑な自動化シナリオを組む予定がないのであれば、初めてRPAを導入する、または過去に挫折した経験がある企業は、直感的に現場レベルで使えるRPAを選ぶのがおすすめです。
導入後につまずかないサポート体制があるか
非IT部門の方でも扱いやすいRPAを選んだとしても、運用していく中で必ず不明点やつまずくポイントは生まれます。そのため扱いやすいだけでなく、導入後にも手厚いサポートをしてくれるベンダーなのかは必ずチェックが必要です。
月額料金にサポート費用が含まれているベンダーと、オプション料金がかかってしまうベンダーどちらもあるので、こちらも導入前に必ず確認しましょう。
関連記事:
なぜRPAは意味ない・役に立たないと言われるのか?
RPAの導入は失敗しやすい?失敗事例からみる成功のポイント
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非IT部門でも直感的に扱えるわかりやすいUIで、プログラミングの必要がなく、シンプルな操作で現場担当者が直接操作することが可能です。
また、サポート体制も万全で、専任の担当者と一緒に自動化ロボットを作ることが可能です。
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製造業界でもRPAでDX化
製造業界では、人手不足や技術継承が十分にできていないなどさまざまな課題がありますが、RPAをうまく活用することで解決することができるかもしれません。
いきなりハードルの高いDX化をするのではなく、まずは日々のルーティン業務を自動化するRPAを使ってDX化を進めていきましょう。
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