出版業界は大きな変革期を迎えており、業務の効率化と高度化が急務となっています。そこで注目されているのがRPAです。
本記事では、出版業界におけるRPAの活用方法や導入事例、導入時のポイントなどを詳しく解説します。出版業界のDXを推進するヒントが満載です。
出版業界が抱える課題とは
出版業界は、近年大きな変革期を迎えています。デジタル化の波や読者の嗜好の変化により、従来のビジネスモデルでは対応しきれない課題が山積みです。ここでは、出版業界が直面する主な課題について解説します。
紙媒体市場が年々縮小している
かつては情報を得るための主要なメディアであった紙の書籍や雑誌ですが、インターネットの普及によって徐々にその地位が揺らぎつつあります。スマートフォンの急速な普及も相まって、特に若年層を中心に活字離れが加速しています。
この傾向は今後も続くと予想され、紙媒体だけに依存したビジネスモデルでは、持続的な成長は難しいでしょう。出版社は、デジタルシフトへの対応を迫られています。
電子出版は拡大傾向にある
紙媒体市場が縮小する一方で、電子書籍市場は年々拡大しています。
電子書籍のメリットは、購入の手軽さや保管スペースの省略、検索機能の充実など、利便性の高さにあります。また、スマートフォンやタブレットの普及により、いつでもどこでも手軽に読書を楽しめる環境が整ってきました。
出版社にとっても、在庫リスクの低減や流通コストの削減など、電子出版ならではのメリットがあります。今後は、紙と電子のハイブリッド戦略がカギとなるでしょう。
DX化で出版業界の課題解決
出版業界は、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進することで、さまざまな課題を解決できる可能性があります。オフラインメインの事業展開からオンラインメインへとシフトすることで、販売チャネルの拡大や読者層の多様化を図れます。
また、増加した作業量を新しいテクノロジーであるRPAで補うことで、業務の効率化とコスト削減を実現可能です。さらに、データ分析を活用して読者のニーズをより正確に把握し、新たな価値創造につなげることもできるでしょう。
関連記事:RPAとは?意味や導入事例を簡単にわかりやすく解説!
紙媒体から電子書籍へ
出版業界のDXで重要なのは、紙媒体から電子書籍へのシフトです。電子書籍には以下のようなメリットがあります。
- 紙・印刷・製本・物流に対するコストが不要
- データファイルのため在庫管理が不要
- 価格設定の自由度が高い
- グローバルな販売が可能
2022年度の電子書籍市場規模は、前年度比9.4%増の6,026億円に達しており(※1)、今後も成長が見込まれています。紙媒体をゼロにする必要はありませんが、電子書籍の比率を高めていくことで、コスト構造の改善と新たな市場開拓が期待できます。
(※1参照:インプレス総合研究所「電子書籍ビジネス調査報告書2023」)
定型業務の効率化・自動化
出版業界には、以下のような多くの定型業務が存在します。
- 原稿の入稿管理
- 書誌データの管理
- 販売データの集計・分析
- 在庫管理・発注処理
上記のような定型業務は人手で行うと時間がかかり、ミスも発生しやすいものです。しかしRPAを活用することで、業務の正確性と速度を大幅に向上できます。
RPAは出版業界で活用できる
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、出版業界でも活用することができ、以下のような業務の自動化に役立ちます。
- 契約書管理・著者への通知業務の自動化
- 販売・在庫管理の自動化
- その他書類やレポート作成の自動化 など
こういった業務を自動化することで、手作業を減らし、業務効率を大幅に向上させることができます。
例えば、契約書や通知業務の自動化でスタッフの負担を軽減し、販売や在庫のリアルタイム管理が可能になります。さらに、書類やレポートの自動作成により、リソースをより重要な業務へ再配置することができるようになるでしょう。
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出版業界でも活用できるRPA導入事例
ここでは実際にRPAを活用し、業務の自動化を実現した出版業界の導入事例をご紹介します。
導入したことでどのような効果が出たのかも含めて詳しく解説します。
他社および自社の購買データを自動取得
こちらの事例では、 RPA活用することで、ベンチマークとする他社製品と、自社の購買データを取得し、分析用Excelに転記する作業を自動化しました。
データ量が多く、関数での集計も毎回手間がかかり、ヒューマンエラーが起きていましたが、自動化したことによって、ミスがなくなり、常に最新データでマーケティング活動を行うことができるようになりました。
販売された本や手帳のデータ集計作業
こちらの事例では、RPAを活用して複数の販売チャネルからのPOSデータを自動で収集し、指定のフォルダに格納・設置する作業を自動化しました。
必要な情報を抽出・集計することで、営業担当者は手作業から解放され、戦略的業務に集中できるようになりました。さらに、時間帯別や地域別の分析を自動で行い、販売傾向をリアルタイムに把握することも可能です。
RPA導入事例記事:毎日・毎月発生する数百のデータ集計作業を自動化【株式会社日本能率協会マネジメントセンター 】
\非IT部門でも使いやすく覚えやすいRPA/
出版業界でRPAを導入する流れ
出版業界でRPAを導入する流れは以下の通りです。
販売データの集計、原稿の入稿管理、電子書籍の配信など、出版業務の中から優先順位をつけて自動化対象を選定
選んだ業務を自動化するために必要な機能やサポートを備えたRPAツールを比較検討する。
RPA導入前には無料トライアルなどを活用して、実際に自動化を試してみる。RPA ツールによって操作性やサポート体制が異なるため、自社に合ったツールを選ぶためにはトライアルが有効。
トライアルで効果を確認できたら、ベンダーと連携しながら本格導入を進める。現場の業務に合わせて自動化を進め、ルール変更にも柔軟に対応できる運用・保守体制を整えることが重要。
関連記事:RPAシナリオとは?初心者でも作成できる手順例やポイントを解説
出版業界でRPAの導入を成功させるポイント
出版業界でRPAを導入する際は、以下のポイントを抑えましょう。
- 現場レベルでも使いこなせるか
- 導入後のサポートが手厚いか
上記のポイントは、RPAの導入を成功させるために不可欠なため、それぞれ詳しく見ていきましょう。
関連記事:
なぜRPAは意味ない・役に立たないと言われるのか?
RPAの導入は失敗しやすい?失敗事例からみる成功のポイント
非IT部門の現場レベルでも使えるか
出版業界では、編集部や営業部などの非IT部門の業務を自動化することが多くあります。そのため、プログラミングの知識がなくても使えるRPAツールを選ぶことが重要です。
具体的には、以下のような特徴を持つRPAツールがおすすめです。
- 直感的で分かりやすいユーザーインターフェース
- ドラッグ&ドロップによる簡単な操作
- 豊富なテンプレートやサンプルシナリオの提供
- 充実したマニュアルやチュートリアル
上記の特徴を備えたRPAツールなら、現場の担当者でも短期間で使いこなせるようになります。自動化の対象となる業務を熟知している現場の担当者が、自らシナリオを作成・メンテナンスできることが、RPAを成功に導くカギとなります。
担当者付きの手厚いサポートがあるか
RPAの導入後は、業務の変更に合わせてシナリオを修正したり、トラブルに対処したりする必要があります。特に非IT部門では、こうした運用・保守に不安を感じることが少なくありません。
そこで重要なのが、RPA ベンダーのサポート体制です。以下のようなサポートを提供しているベンダーを選びましょう。
- 導入時のコンサルティングと現場でのサポート
- 操作方法や活用事例を学べる定期的なセミナー
- 専任の担当者による迅速な問い合わせ対応
- リモートでのトラブルシューティング
手厚いサポートを受けられるベンダーを選ぶことで、現場の担当者は安心してRPAを運用できます。問題が発生してもすぐに解決策を得られるため、業務の停滞を最小限に抑えられます。
また、定期的にセミナーやレクチャーを実施するなど、ユーザーのRPAスキル向上を支援するベンダーを選ぶのも効果的です。自社のRPA人材を育成することで、将来的には自社だけでRPAを運用・発展させることができるようになります。
\導入効果を最大化する方法を解説/
RPAを導入するならBizteX robopがおすすめ
BizteXでは、出版業界でも活用できるRPA「BizteX robop」を提供しています。基本的な操作が約2時間で覚えられるため、操作の習得に困ることはほとんどありません。実際に、導入企業の約7割が現場部門で活用しています。
また、初心者でも理解しやすい学習プログラムや、専任担当者による手厚いサポート、運用代行も提供しているため、困ったときにもすぐに解決できます。
デスクトップ型RPAのため、「自社開発ツール」や「独自の管理画面」といったレガシーシステムにも対応しています。2週間の無料トライアルも設けているため、初めての人でも操作感を試したうえで導入が可能です。
\非IT部門でも運用できる使いやすいUIが特徴/
出版業界でもRPAで業務自動化
出版業界は今、デジタル化やコンテンツの多様化など、大きな変革期を迎えています。この変化の波を乗り越え、競争力を維持・強化していくためには、業務の効率化と高度化が不可欠です。
そこで注目されているのが、RPAです。RPAを活用することで、出版業界のさまざまな業務を自動化できます。販売データの集計、原稿の入稿管理、電子書籍の配信など、手作業で行うと時間と手間がかかる定型業務を、RPAが肩代わりしてくれます。これにより、大幅な業務効率の向上が期待できます。
業務自動化の可能性に目を向け、RPAを味方につけることで、出版業界は新たな成長の機会を手にすることができるはずです。
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