業務の効率化や情報の一元管理を目指す企業にとって、kintoneは強力なツールです。その中でも、APIを活用した他システムとの連携は、kintoneの可能性をさらに広げる方法として注目されています。
本記事では、「kintone API」とは何か、具体的な活用メリット、そして導入のハードルについてわかりやすく解説します。ビジネスにおけるkintone活用のヒントとしてぜひ参考にしてください。
kintone APIとは
kintoneは、企業が業務プロセスを簡単にデジタル化し、カスタマイズ可能なアプリで情報を一元管理できるクラウド型プラットフォームです。そのkintoneをさらに便利にするのが「kintone API」です。API(Application Programming Interface)は、異なるシステム同士がデータをやり取りするための「窓口」のような役割を果たします。これにより、手動でのデータ移行や入力作業を減らし、データを自動的に共有できます。
例えば、kintoneで営業管理を行いながら、顧客管理システムや会計ソフトと連携すれば、営業情報がシームレスに同期されます。さらに、蓄積されたデータを外部ツールで分析したり、独自のアプリを開発して機能を拡張することも可能です。kintone APIは、業務効率化やデータ活用を強力にサポートする重要な仕組みです。
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kintone APIを活用したAPI連携のメリット
kintone APIは、他のシステムやツールとkintoneを連携させるための強力な手段です。この仕組みによって、手作業の削減やリアルタイムでの情報共有が可能になり、業務効率が大幅に向上します。
また、データの一元化や高度な分析が実現し、企業全体の意思決定を迅速化する効果も期待できます。以下では、具体的な3つのメリットをわかりやすく説明します。
データ入力作業の自動化で時間短縮
データ入力は業務に欠かせない一方で、多くの時間と労力を消費します。kintone APIを使えば、こうした作業を自動化し、効率化を図ることができます。
例えば、ECサイトの受注データをkintoneに自動登録する仕組みを作れば、手入力の手間が省けます。また、顧客管理システムと連携することで、新規顧客データを自動的に反映し、迅速な対応が可能になります。
このような自動化により、ヒューマンエラーのリスクが軽減され、従業員がより価値ある業務に集中できる環境が整います。
他システムとのリアルタイム連携で業務の即応性向上
ビジネスにおいて、リアルタイムで情報を共有できることは重要です。kintone APIを活用することで、営業データや在庫状況などを他システムとリアルタイムで連携させることが可能です。
例えば、商談データが即座に会計システムに反映されれば、経理部門はタイムラグなく最新の売上情報を確認できます。また、在庫情報の共有が迅速になることで、販売計画の精度も向上します。
このような連携は、情報のズレを防ぎ、意思決定や業務遂行のスピードアップに大きく貢献します。
データ可視化ツール連携で分析力を強化
kintone APIを活用して、Power BIやGoogle Data StudioといったBIツールと連携すれば、データ分析がより簡単かつ効果的に行えます。
営業データをグラフやダッシュボードで可視化することで、売上傾向や商談の成功率などを一目で把握できるようになります。また、リピート率や購買パターンの分析を通じて、より効果的なマーケティング施策を立案することも可能です。
このような可視化は、チーム内での情報共有をスムーズにし、経営判断を迅速化する大きな助けとなります。
\Connectはkintone連携できる/
kintoneのAPI連携にはプログラミング知識が必要?
APIと聞くと「難しそう」「専門的な知識が必要」といった印象を持つかもしれません。しかし、kintoneのAPI連携は、初心者でも始めやすい環境が整っています。プログラミング知識がなくても使えるノンコーディングツールや、公式のサポートが充実しているため、専門的なスキルがなくてもAPI連携を活用することが可能です。
特に便利なのが、ノンコーディングツールのiPaaSです。iPaaSを使えば、画面上の操作でkintoneと他システムの連携を設定できるため、プログラミングの知識がなくても簡単に作業を開始できます。
もし、高度なカスタマイズが必要な場合は、iPaaSベンダーのカスタマーサポートやパートナー企業に依頼することも一つの選択肢です。これにより、自社の業務フローに最適化されたAPI連携を実現でき、より高い効果が期待できます。
\さまざまなシステムとの連携が実現/
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iPaaS(アイパース)とは?メリットや活用事例をわかりやすく解説
ノーコードでAPI連携!iPaaS×kintoneの業務自動化例
iPaaSを活用すれば、プログラミングなしでkintoneと他システムのAPI連携が可能です。手作業の削減や業務効率化を実現する具体例を紹介します。
kintone・HubSpotの連携例
自動化例▶kintoneのレコード情報を元に、コンタクトリストを作成
kintoneのレコード情報を活用し、HubSpot内でコンタクトリストを自動作成することで、マーケティング活動や営業活動を効率化できます。
例えば、kintoneに登録された顧客情報をHubSpotにリアルタイムで同期し、リストの作成や更新を自動化することで、手作業の負担を大幅に軽減します。この仕組みにより、正確なデータ管理が可能になり、営業チームやマーケティングチームの生産性が向上します。
自動化例▶kintoneに既に存在するレコード内容を自動で更新
HubSpotなどのMAツールのフォームで新しい情報が追加されると、kintone内の既存レコードを自動で更新できます。これにより、手動入力の手間を削減し、MA側とkintone間のデータ不整合を解消します。常に最新情報が同期されることで、営業やマーケティングチームの連携が強化され、業務効率とデータ活用が向上します。
kintone・Chatworkの連携例
自動化例▶kintone内のステータス変更を検知して、Chatworkに通知する
kintoneのステータス変更があった際に、ChatworkやSlackなどの最も利用しているコミュニケーションツールへリアルタイムで通知を送ることが可能です。たとえば、見積りのステータスが「申請中」から「承認済」に変更されると即座に通知が届き、タイムリーにお客様へ対応できます。これにより、迅速なフォローアップが可能となり、商談成功率の向上に繋がります。
kintone・Googleカレンダーの連携例
自動化例▶kintoneに登録された商談情報をもとに、Google カレンダーに予定を自動登録
kintoneに登録された商談情報を基に、Google カレンダーに予定を自動登録できます。これにより、手動でのカレンダー入力が不要となり、関係者への招待も自動化されます。予定共有の漏れを防ぎながら、スムーズなスケジュール管理と業務効率化を実現します。
▼デモ動画で連携フローを確認しましょう
kintone・Outlookの連携例
自動化例▶kintoneに登録された商談情報をもとに、Outlookのカレンダーに予定を自動登録
kintoneに登録された商談情報を基に、Outlookのカレンダーへ予定を自動登録できます。手動入力を省き、関係者への招待も自動化されるため、工数削減や予定共有の漏れ防止が可能です。これにより、スムーズなスケジュール管理と業務効率化が実現します。
LINE WORKS・kintoneの連携例
自動化例▶LINE WORKSのトークbotからkintoneへコメント自動書き込み
LINE WORKSの投稿をkintoneアプリのコメントに自動連携することで、案件管理や会話ログを効率的に記録できます。手動転記の工数を削減し、ヒューマンエラーによる情報の抜け漏れも防止。スムーズな情報共有と管理が実現します。
kintone・Salesforce・Slackの連携例
自動化例▶kintoneのステータス変更に合わせて、Salesforceを自動で更新
kintoneとSalesforceで共通のIDを設定することで、kintoneのステータス変更を検知し、Salesforceの該当レコードを自動更新します。同時にチャットツールへの通知も可能で、作業負担と共有にかかる工数を大幅に削減できます。
MiiTel・kintone・Slackの連携例
自動化例▶MiiTelから通話ログを取得し、kintoneに自動で登録、Slackに自動通知
MiiTelで取得した通話要約文をkintoneに自動連携し、SlackやChatworkなどのチャットツールへ通知することも可能です。これにより、情報共有がスムーズになり、手動作業を省いて業務効率化を実現します。
kintone・Google Sheets・RPA・HubSpotの連携例
自動化例▶kintoneで絞り込んだレコードを表データとして取得し、リストデータを作成、MAに自動で登録
kintoneで「特定の業界」や「今月作成データ」など条件を絞ったレコードを自動取得し、HubSpotなどのMAツールにインポート可能です。これにより、お客様のフェーズや業界に合わせた最適なコンテンツを効率的に提供でき、マーケティング活動が強化されます。
\AIや各種SaaSを連携した自動化事例を多数紹介/
>>kintoneと連携できるアプリ一覧はこちら
▼下記よりConnect×各種SaaSの連携記事をご覧いただけます。(アイコンクリックで遷移できます)
kintoneのAPI連携はiPaaS「BizteX Connect」ならカンタン
kintoneと他のシステムとのAPI連携をプログラミング不要で実現できるのが、iPaaS(Integration Platform as a Service)の一つである「BizteX Connect」です。
このツールを使えば、専門的な知識がなくても直感的な操作でAPI連携を構築できます。
iPaaS「BizteX Connect」とは
kintoneをはじめとするさまざまなアプリケーションを簡単にAPI連携できるiPaaSツール「BizteX Connect」は、ノーコード操作に対応しており、プログラミング知識がなくてもドラッグ&ドロップで設定が可能です。
豊富なテンプレートが用意されているため、初心者でもスムーズにAPI連携を構築できます。直感的な操作性と多機能な連携サポートが魅力です。
\マウス操作のみでサービス連携が実現できる/
BizteX Connectの導入事例
業務効率化を進める中で、kintoneと他システムの連携は多くの企業で注目されています。
森松工業株式会社ではGoogleスプレッドシート、日産自動車株式会社ではSharePointなどとの連携を通じて、手作業の負担を軽減し業務を効率化した事例をご紹介します。
森松工業株式会社様が行ったkintoneとGoogleスプレッドシートの連携例
森松工業株式会社は、ステンレス製タンクの製造を手掛ける企業で、業務効率化のためにkintoneを導入しています。しかし、各部署や現場作業員が日々入力するスプレッドシートの情報をkintoneに手動で登録する作業が負担となっていました。
そこで、BizteX Connectを活用し、スプレッドシートのデータをkintoneに自動反映する仕組みを構築。これにより、手作業による入力ミスの削減や、データのリアルタイム共有が実現し、作業効率が大幅に向上しました。
さらに、プログラミング知識がなくても直感的に操作できるBizteX ConnectのUIやサポート体制により、スムーズな導入と運用が可能となりました。
>>導入事例の詳細はこちら
日産自動車株式会社様が行ったkintoneとSharePointや各種システムとの連携例
日産自動車株式会社では、購買部の申請業務にkintoneを活用していましたが、従来使用していたRPAではブラウザのUIアップデートに迅速に対応できず、業務に支障をきたす課題がありました。この課題を解決するためにBizteX Connectを導入し、kintoneと他システムをAPI連携させることで、安定した業務フローを実現しました。
BizteX Connectを活用することで、自社で使用しているツールで収集した申告データや、SharePointでの承認結果をkintoneに自動連携できるようになりました。ノーコード環境を採用しているため、プログラミングの知識が不要で、複雑な連携も簡単に構築できる点が大きな魅力です。
この仕組みにより、データ転記や手作業の負担が削減されるだけでなく、申告から承認、結果確認までのプロセスがスムーズかつ正確に行えるようになりました。さらに、ブラウザのUIアップデートにも影響を受けない安定した運用が可能となり、業務効率が大幅に向上しています。
>>導入事例の詳細はこちら
\AIや各種SaaSを連携した自動化事例を多数紹介/
まとめ
kintoneは、業務効率化や情報管理をサポートする強力なツールであり、API連携を活用することでその可能性をさらに広げることができます。
本記事で紹介した事例では、GoogleスプレッドシートやSharePointなどとのAPI連携により、手作業の削減やデータ管理の一元化を実現しました。
プログラミング知識が不要なノーコードツールの活用で、効率的かつ正確なプロセスが構築可能です。kintoneを活用した業務改善の第一歩として、API連携の導入をぜひ検討してみてください。
業務自動化・効率化のお悩みは、ぜひお気軽に下記よりお問い合せください。