DX Suiteを帳票データのデジタル化基盤として導入している企業は多いものの、OCR結果の確認や仕分け、他システムへの転記・保存などを手作業で行っているケースは少なくありません。こうした状況では、せっかくのOCR処理も業務効率化の効果を十分に発揮できない可能性があります。
APIを活用すれば、DX Suiteで読み取ったデータを他システムと自動連携でき、ファイル管理の効率化や業務の属人化解消、セキュリティ強化までを同時に実現できます。ただし、「APIの設定が難しそう」「社内にエンジニアがいない」「作っても保守できる人がいない」といった懸念から、導入を見送っている企業も少なくありません。
本記事では、DX SuiteのAPI概要とiPaaSによるノーコード連携、さらには業務全体の自動化を止まらせない「インテリジェント フロー」の活用方法まで、実例を交えながらわかりやすく解説します。
- DX SuiteのAPIでできることと主な活用シーン
- ノーコードでのAPI連携(iPaaS活用)の方法
- 情シスが陥りがちな運用課題とその解決策
- 帳票管理業務を止めないための「インテリジェント フロー」の活用法
- 業務全体の設計・運用まで任せられる選択肢とは
DX Suite活用の限界と、業務効率化における課題

DX Suiteは、紙帳票やPDFから文字情報を高精度で抽出できるAI-OCRツールとして、多くの企業でペーパーレス化や入力作業の削減に活用されています。しかし、単体での利用だけでは、前後の工程で手作業が残りやすく、業務全体の効率化にはつながらないケースも少なくありません。
たとえば、ファイルの手動アップロード、CSVデータの再入力、仕分け済みPDFの個別送信・保存、kintoneや基幹システムとの手作業による連携などが、処理スピードや業務負荷のボトルネックとなることがあります。
こうしたOCR後の業務が属人化している場合、入力ミスや作業漏れ、ブラックボックス化といったリスクも発生します。DX Suiteの効果を最大限に引き出すには、抽出したデータをいかに設計的に活用し、他システムと連携・自動化できるかが重要です。
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なぜ今、DX SuiteのAPI連携が注目されているのか?
DX SuiteはAPI機能を備えており、他の業務システムと自動連携することで、OCR結果の利活用はもちろん、その前後にある業務プロセスの自動化まで実現できます。
API連携を活用することで、たとえば以下のような業務改善が可能になります。
- 抽出データをkintoneやCRMに即時登録
- Google Sheetsに自動転記し、集計レポートを自動生成
- Slackへ確認依頼やステータス通知を自動送信
- DropboxやSharePointにPDF帳票とデータを自動保存
このように、DX SuiteのOCR結果を起点として「前後の業務」までを自動化できることが、API連携の大きな魅力といえるでしょう。
API連携によって期待される効果
改善領域 | 効果内容 |
---|---|
データ入力の自動化 | システム間の転記作業が不要に |
承認・通知の自動化 | 対応スピード向上と抜け漏れの防止 |
ファイル処理の一元化 | 保存・整理・共有の手間を削減 |
属人化リスクの解消 | 業務フローの標準化と再現性向上 |
DX Suiteは、API連携を通じて「単なるOCRツール」から、業務全体のDXを推進する中核へと進化しつつあります。現場の業務を止めずに運用を続けるには、“使い続けられる仕組み”としての設計が重要です。
DX Suite APIとは?基本概要とできること
DX Suiteは、帳票やPDFなどの非構造データをAI-OCRで読み取り、構造化されたテキストとして抽出できるクラウド型ツールです。APIを使えば、OCR処理の前後に発生する転記や保存といった作業も自動化できます。
DX Suiteの主なAPIには、ドキュメントのアップロード・OCR処理の実行・抽出結果の取得・テンプレートの操作などがあり、各種SaaSや業務アプリケーションと組み合わせて柔軟に利用することが可能です。
たとえば、以下のような活用が実現できます。
- DX Suiteで読み取ったデータをGoogle Sheetsに自動転記
- 処理完了をSlackで通知
- DropboxやSharePointに原本PDFとデータを自動保存
- kintoneや基幹システムに自動登録して一元管理
これにより、OCR処理だけでなく、その前後に発生する関連業務まで自動化・最適化することが可能になります。DX Suiteは、単なる読み取りツールにとどまらず、業務全体の起点としてデータ活用を広げられるAPI基盤を備えています。
※関連記事:APIとは?仕組みと連携メリットを簡単に解説
ノーコードでDX Suite APIを活用する方法
DX SuiteのAPIは、OCR処理の自動化や抽出データの他システムへの活用を実現するためのインターフェースです。非常に柔軟かつ高機能な一方で、活用にはプログラミングやシステム設計の知識が求められる場面も多く、「エンジニアがいないと運用が難しい」と感じている企業も少なくありません。
そうした課題を解決する手段として注目されているのが、ノーコードでDX Suiteと外部ツールを接続できる「iPaaS(Integration Platform as a Service)」の活用です。
BizteX Connectで実現するDX Suiteのノーコード連携
iPaaSとは、異なるクラウドサービスや業務システムをノーコードで接続し、自動化フローを構築できるクラウド基盤のことです。
中でも「BizteX Connect」は、DX SuiteのAPIと各種外部ツールをマウス操作だけで連携できる点が大きな特長です。

たとえば、以下のような処理をノーコードで自動化できます。
- アップロードされた帳票をDX SuiteでOCR処理し、抽出データをGoogle Sheetsへ転記
- 帳票の種別や項目内容に応じて、kintoneやSalesforceに自動登録
- 処理結果に応じてSlackに確認通知やエラーメッセージを送信
- 元帳票と抽出結果をDropboxやSharePointに自動保存
これらはすべて、APIドキュメントを読み解く必要なく、業務部門でも構築・運用が可能です。属人化しがちなOCR後の転記・通知・保存といった定型処理を、現場主導で安定的に自動化できるようになります。
※関連記事:iPaaSとは?仕組みとメリットをわかりやすく解説
ノーコードAPI連携の落とし穴|属人化しない運用設計の重要性とは
従来、API連携の設計や保守は情報システム部門の専任業務とされてきました。しかし、BizteX ConnectのようなiPaaSを活用すれば、業務部門の要望に対して迅速かつ柔軟に対応できる体制を構築することが可能です。
DX Suiteでも、こうしたノーコード連携を取り入れることで、OCR処理だけでなくその前後の業務工程まで自動化できます。特に少人数の体制でIT運用を担う企業にとっては、開発・保守負担を軽減できる有効な手段といえるでしょう。
ただし注意すべきは、「ノーコード=簡単」と安易に捉えてしまうことです。運用ルールが曖昧なまま構築された連携フローは、以下のような課題を引き起こす恐れがあります。
- フローの属人化(作った人しか把握していない)
- 異動・退職時の引き継ぎが困難
- 新しい帳票レイアウトや業務変更に対応できない
こうしたリスクを回避するには、“運用を見越した設計”と“属人化を防ぐ仕組み”の両立が不可欠です。ノーコードで手軽に構築できるからこそ、長期的に安定して運用できる体制づくりが、業務自動化の成果を左右します。
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iPaaSでのDX Suite API連携を定着させるには?継続運用に必要な設計とは
iPaaS(Integration Platform as a Service)の普及により、DX Suiteと社内のさまざまな業務ツールをAPIで接続し、OCR後のデータ登録・通知・ファイル保存といった一連の処理をノーコードで構築できる環境が整いつつあります。
一方で現場では、「連携フローは作ったが使われなくなった」「運用できる人がいなくて止まってしまった」「一度作ったきり改善されていない」といった課題も見受けられます。
こうしたトラブルの多くは、導入時点で運用設計が十分に整備されていなかったことに起因しています。
たとえば、下記のような状態では、構築したフローを継続的に運用するのは困難です。
- フローの更新・修正を誰が担うのかが明確でない
- エラー発生時の対応手順が決まっていない
- 現場からの改善要望を吸い上げる仕組みがない
実際、BizteXが実施した調査でも、iPaaS未導入企業のうち約4割が「スキルを持つ人材がいない」ことを障壁として挙げています。

この結果は、技術的な難しさ以上に、「自動化を支える体制の不在」こそが継続的な業務改善の最大の障害であることを示しています。
DX Suite連携を止めないために──仕組みとして機能する運用設計を
DX SuiteのAPI連携をiPaaSで構築する際に重要なのは、単に「動く仕組み」を作ることではありません。
求められるのは、「止まらずに使い続けられる仕組み」として設計することです。
業務連携のフローは、以下のような変化によって、思わぬ停止リスクが生じる場合があります。
- DX Suiteや他システムの仕様変更
- 業務フローや帳票レイアウトの更新
- 担当者の異動・退職
こうした変化に柔軟に対応するには、あらかじめ体制とルールを整備しておくことが欠かせません。たとえば、下記のような「仕組みとしての設計」が重要になります。
- 属人化を防ぐためのフロー管理体制の構築
- 改善要望に応じて設計を見直せる仕組み
- バージョン管理・更新履歴・運用権限の明確化
ノーコードツールは「誰でも使える」ことを前提としていますが、より本質的に重要なのは、「誰でも、止めずに使い続けられる環境」を整えることです。
DX Suiteを業務の中で活用し続けるには、テクノロジーそのものだけでなく、それを支える運用体制と設計の工夫が、成果の持続と拡張のカギを握っています。
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DX Suite連携を止めない仕組みへ|インテリジェント フローによる継続運用の自動化設計

- インテリジェント マイニング(業務分析)
AIが業務実態を可視化し、どこに無駄があるか、どの業務を改善すべきかを定量的に特定。
- インテリジェント オーケストレーション(設計・構築)
自動化テンプレートをベースに、自社特有のルールやシステムに合わせて柔軟にプロセス設計。
- インテリジェント HUB(効果測定・改善)
導入後の稼働状況や効果をダッシュボードで可視化し、改善点をAIが自動で提示・実装。
DX SuiteのAPI連携により、OCRで抽出したデータを他システムに自動で連携することで、帳票処理の効率化やペーパーレス化が一気に進みます。しかしながら、現場任せで構築された連携フローは、運用体制が曖昧なまま形骸化し、やがて使われなくなるといった課題も多くの企業で見受けられます。
こうした継続運用の課題を根本から解決するのが、BizteXが提供する業務最適化サービス「インテリジェント フロー」です。
インテリジェント フローは、DX Suiteを含む業務プロセス全体に対して、設計・構築から運用・保守・改善までを一括して代行するサービスです。単なるツール導入にとどまらず、「仕組みが止まらず動き続ける状態」を前提としたプロセス設計により、自動化の成果を継続的に創出します。
ツール操作を現場に求めず、自動化の仕組みごと導入することで、DX Suiteのメリットを継続的に引き出せます。
インテリジェント フローの中核:IPOという考え方

インテリジェント フローの根幹にあるのは、BizteXが提唱する「IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)」という概念です。これは、AIと人間の力を組み合わせて業務プロセス全体を再設計・最適化する枠組みで、従来のツール単体導入では実現できなかったプロセス全体の自動化・改善を可能にします。
IPOは以下の3つの要素で構成されています。
- プロセス・インテリジェンス(業務の可視化と改善ポイントの発見)
- ヒューマン・イン・ザ・ループ(AIと人の最適な役割分担)
- クロスプラットフォーム統合(複数システムの横断連携)
▼それぞれの詳細は以下の記事で解説しています。
>>プロセスインテリジェンスとは?
>>ヒューマンインザループとは?
>>クロスプラットフォーム統合とは?
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DX Suiteと他ツールのAPI連携事例
DX SuiteのAPIを使えば、あらゆるツールとの連携が可能です。ここでは、各業務でよくある問い合わせ処理・通知・記録の自動化フローを、ノーコードで構築した例を紹介します。
OCRで読み取った書類を自動で保存・通知|DX suite × Box × Slack

DX SuiteでOCR処理した帳票や書類を自動でBoxに保存し、その完了通知をSlackに送ることで、情報共有をリアルタイム化できます。保存作業や進捗確認を手作業で行う必要がなくなり、チーム全体のドキュメント連携と業務スピードが大幅に向上します。
受信メールの添付ファイルを自動でOCR処理・保存|Gmail × DX Suite × OneDrive

Gmailで受信した添付ファイルをDX Suiteで自動的にスキャン・デジタル化し、OneDriveに整理された状態で保存します。これにより、ファイル確認や保存の手間が不要になり、メール対応から文書管理までを一連の業務フローとして無人化できます。
OCRで出力されたCSVデータを自動連携|DX Suite × CSV × kintone

DX Suiteで抽出した帳票データをCSV形式で出力し、そのままkintoneのアプリに自動で取り込むことで、情報登録の省力化と正確性向上を実現します。転記やアップロードなどの定型作業をなくし、帳票と業務システムのシームレスな連携によって作業ミスや確認工数を大幅に削減できます。
※連携可能なアプリ一覧はこちらからご確認ください。
BizteX Connectの導入事例

株式会社愛新鉄工所様では、PDFやFAX、メールなど、形式が異なる受注書をDX Suiteで読み取り、BizteX Connectを活用してkintoneへの入力作業を自動化しています。従来は毎月、手作業で100件以上行っていた受注書の入力作業をDX Suiteを使って自動化することで、業務負担を大幅に軽減しました。
これにより、手入力にかかる時間が大幅に削減されただけでなく、業務運用にかかるコストも減少しました。また、入力ミスや遅延もなくなり、全体の業務効率が飛躍的に向上しています。
★導入事例全編はこちらから★
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よくある質問(FAQ)
DX SuiteのAPI連携や、iPaaS・インテリジェント フローを活用した業務自動化について、よくいただくご質問をまとめました。
- DX SuiteとのAPI連携フローは、どれくらいの時間で構築できますか?
-
シンプルな連携であれば、1〜2日ほどで構築可能です。たとえば、OCRで抽出した日報データをSlackに通知したり、他のシステムに転記するようなフローは、短期間で運用を開始できます。より複雑な業務連携が必要な場合でも、「インテリジェント フロー」を活用することで、設計から運用までを短納期かつスムーズに実現できます。
- Q:ノーコードツール(iPaaS)は、どこまで柔軟に設定できますか?
-
BizteX Connectでは、条件分岐・定期実行・通知連携(Slackやメールなど)に加え、エラー処理やデータ更新等もすべてノーコードで設定可能です。DX SuiteのOCR結果を起点に、ファイル保存やシステム登録などのフローをプログラミング不要で構築できます。
- IT人材がいない現場でも導入・運用できますか?
-
はい、可能です。インテリジェント フローであれば「設計・構築・運用・改善」までをまるごと代行できるため、専門知識がなくてもDX Suiteのデータを業務に取り込む仕組みを整えられます。社内負荷を最小限に抑えながら、安定した自動化を継続できます。
- DX Suite以外のツールとも連携できますか?
-
はい。Google Workspace、kintone、Salesforce、Box、Slackなど、さまざまなツールと組み合わせて活用可能です。業務全体を横断的に最適化するための連携基盤として機能します。
※無料プランでは、BizteX Connectを使った1フローの構築・試用が可能です。
まとめ|DX Suite連携の成功は“継続運用の仕組み化”で決まる
DX SuiteのAPIやiPaaS連携は、帳票処理の効率化に有効ですが、構築だけで終わると形骸化のリスクがあります。重要なのは、誰が運用・改善を担うか、変更時にどう対応するかといった仕組み化です。
インテリジェント フローを活用すれば、設計から保守・改善までを一括で代行し、DX Suite連携を止まらない業務基盤として定着させることが可能です。
DX Suite活用の次のステップとして、「繋げるだけで終わらせない」仕組みづくりに取り組んでみてはいかがでしょうか。
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