「人手不足」に大きな課題を持つコールセンターの事業者様は多いです。ですがRPAを導入すれば、業務を自動化・効率化することで人手不足の解決が期待できます。
そこで本記事では、コールセンターにおいてRPAがどのように役立つのか、事例も踏まえながら解説します。
コールセンターへのRPA導入を検討している方は、ぜひご一読ください。
コールセンターの現場で起きている課題と原因
多くのコールセンターが抱える大きな課題として「人手不足」があります。その主な原因は、高い離職率と採用難です。
コールセンター業務を遂行するうえで、
・商品やサービスへの深い理解
・クレームといった強い刺激へのストレス耐性
などは欠かせません。
ですが、実際に業務に就くと「こんなに大変だと思わなかった」として、理想とのギャップを感じて辞めてしまう方は多いです。
実際、「新人オペレーターの1年以内の離職率」が31%以上にのぼる現場は、半数近くにものぼります。
また、
・採用競争の激化
・労働力人口の減少
などにより、人材の採用はますます厳しくなっています。
このような理由から、「常に人手不足で業務が回らない」というコールセンターは多く、早急な対策が必要といえるでしょう。
コールセンターの課題を解決するRPAとその仕組み
人手不足の解決策にはさまざまな方法がありますが、そのなかでも近年は「RPA」に強い注目が集まっています。
RPA(Robotic Process Automation)とは、ロボットと呼ばれるソフトウェアが「PC上における単純業務」を自動化してくれることです。
たとえばデータ入力やリスト管理などは
・手順が決まっている業務
・繰り返し行う業務
なので、RPAに任せて自動化が可能です。
ほかにも、RPAなら以下のような業務を自動化・効率化できます。
・問い合わせ内容の転記
・ターゲットリスト作成
・顧客データ収集
・新入社員のアカウント登録・発行
RPAはデジタルレイバー(仮想知的労働者)ともいわれており、人間に代わる新たな労働力として期待されています。
業務を効率化して一人あたりの生産性を高められるRPAは、人手不足の解決に役立つとても頼もしい存在です。
コールセンターでRPAを導入するメリット・効果
コールセンターでRPAを導入するメリットや効果は、大きく3つあります。
1. 生産性を向上できる
2. コストを抑えられる
3. 働き方改革を推進できる
一つひとつ解説します。
1. 生産性を向上できる
RPAはロボットなので、手作業と比べると
・スピーディに業務を処理できる
・人的ミスがなく、業務品質が安定する
といった特徴があります。
従来よりも作業時間を50〜90%も削減できた例もあり、生産性を大幅に向上できます。
また、空いた時間でより顧客対応に注力できるので、結果として顧客満足度アップにもつながります。
2. コストを抑えられる
新しい人材を雇うためには、採用費・教育費・人件費など多大なコストがかかります。特にコールセンターは、売上に占める人件費の割合が大きくなりがちです。
ですがRPAなら、導入・運用にかかるコストを抑えやすいです。離職する心配がないうえに、設定したルールに基づいて忠実に動くので、教育コストもかかりません。
このようにコストを大幅に抑えたうえで、生産性の維持・向上を図れます。
3. 働き方改革を推進できる
RPAによって業務を自動化・効率化することで、
・労働時間の短縮
・生産性の向上
などが可能になり、人手不足の改善にもつながります。
より良い労働環境を実現すれば、従業員の満足度や働きやすさが向上し、職場の定着率アップも期待できます。
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コールセンター業務を自動化するRPAの活用事例
コールセンターにおけるRPA導入の活用事例を一部まとめました。
1. データ出力・転記業務の自動化
2. 営業リスト作成の自動化
図解を用いながら、一つ一つ紹介します。
【活用事例①】データ出力・転記業務の自動化
RPAとCTI(コンピュータと電話の機能を統合するシステム)を連携すれば、
・通話ログ
・コール履歴(架電数・アポ数など)
を案件や担当オペレータごとに取得可能です。
これらのデータをもとに、
・オンラインストレージへの格納
・集計シートへの履歴反映
などの出力・転記業務を自動化すれば、品質管理や報告に関する工数を大幅に減らせます。
計100名ほどのオペレーターを抱えている場合、約100時間/月ほどの業務時間を削減できるでしょう。
【活用事例②】営業リスト作成の自動化
アウトバウンド型の業務の場合、電話をかける営業リストの作成が必須です。
RPAなら、
・ターゲットとなる媒体(サイト)を検索
・その後、個別に企業情報をコピー&ペースト
という一連の流れを自動化できます。
さらには、人材系・不動産系など、案件やクライアントごとに異なる営業リストの作成が可能です。
このように時間のかかる定形業務を自動化することで、本来の業務により注力して成果が出やすくなります。
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RPA導入の注意点やAIとの違い
コールセンターにおけるRPA導入のメリットや活用事例などを紹介しました。とはいえ、自社にとって最適なRPAを選び、適切に運用しなければ思うような成果は得られません。
そこで、RPAの導入・運用を検討するにあたり、知っておくべきポイントを厳選して3つにまとめした。
1. RPAには自動化が得意・不得意な業務がある
2. RPAにはクラウド型・オンプレミス型がある
3. RPA導入はスモールスタートがおすすめ
一つひとつ解説します。
1. RPAには自動化が得意・不得意な業務がある
RPAは、設定したルールに基づいて幅広い定型業務を処理できます。
逆にいえば、AIが得意とする
・主体的な処理が必要な業務
・手順やルールの変更が多く、複雑な業務
などについては、自動化が難しいです。
その分、高度な専門知識がなくても操作できるケースが多いですが、導入前にRPAで自動化ができるかは必ず確認しておきましょう。
2. RPAにはクラウド型・オンプレミス型がある
RPAツールは「クラウド型」と「オンプレミス型」の大きく2種類があります。
・クラウド型:ネット環境があれば、いつでもどこでも利用できる
・オンプレミス型:自社内にサーバなどを導入して利用する
オンプレミス型は、コストが比較的高く、利用できる人数や場所にも制限がありますが、セキュリティ性やカスタマイズ性に優れています。
クラウド型は、ネット環境があれば誰でも使えるうえに、サーバなどの導入・運用コストを大幅に削減できます。
3. RPA導入はスモールスタートがおすすめ
RPA導入でよくある失敗が、
・一気に業務の自動化を図ろうとする
・現場でRPAの利用がなかなか浸透しない
というものです。
これらの失敗に共通するのは「いきなり大規模な自動化を目指している」ことです。
まずは小規模で、かつ自動化しやすい業務から始めないと、RPAを使いこなす感覚や成功体験は得られません。
そこから徐々に適用業務を増やしたり、複数部門に拡大させたりして、少しずつRPAの輪を広げていくのがおすすめです。
まとめ:RPAでコールセンター業務を効率化しよう
これまでの内容を改めてまとめます。
・RPAは、コールセンターが抱える人手不足などの課題解決に役立つ
・RPAによって、生産性の向上・コスト削減・働き方改革を実現できる
・自動化できる業務は、データ出力・転記業務や営業リスト作成など多岐にわたる
人手不足を中心に、人材の採用・定着などで課題を抱えるコールセンターは多いです。ですがRPAなら、そのような課題を解決する一手になりえます。ぜひ本記事の内容を参考に、RPAの導入を検討してみてください。
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