バックオフィス業務の自動化について
企業が活用するクラウドサービスには、メールやチャットをはじめ、MAやSFAなどいくつものツールがあります。
数年前までは、自社の基幹システムがメインとなり、それ以外の案件管理はExcelでおこなうと企業が多くみられました。しかし、ここ数年で、新たなクラウドサービスが続々と登場。業態や業界にあわせたSaaSサービスの導入をすすめる動きが日本全体で進んでいます。
とはいえ、業務や部署に特化したクラウドの新しいサービスが増えたことで、クラウド化がすすみ、それによる弊害がうまれてきているのも事実です。
便利になっている反面、部門によって異なるシステムを導入していることから情報が分断してしまい、転記作業の工数が発生したり、各システムの定期確認が必要になるなど、非効率的な業務が発生するといった新たな課題が目立つようになりました。
本記事ではそのような課題に対して、営業や事務、経理、管理といったバックオフィス業務において、iPaaSやRPAの活用でどのように解決できるのか解説していきます。
iPaaSとはなにか
iPaaSは、サービスの概念です。弊社で取り扱っているのがBizteX Connectというサービスで、簡単にいうとシステム連携プラットフォームになります。
- データの所在がバラバラで管理が大変……
- 業務効率化のためにサービス同士を連携させたい
このような悩みを解決するため、導入をすすめる企業が増えています。iPaaSは、これまで課題とされてきたオンプレミスとクラウドサービスの連携やクラウドサービス同士の連携を可能にします。
iPaaSでどんなことができるのか
たとえば、新入社員が入社した場合。情報がGoogleフォームなどに入力されたさい、それを裏側でGmailのシステムと繋ぐことで、メールシステムのアドレスを発行したり、各種CRMや顧客管理システムといった社内で活用している管理システムのアカウント発行を自動でおこないます。各クラウドサービス同士を裏側のAPIという仕組みを使って、パイプを裏側で繋ぐイメージです。
iPaaS「BizteX Connect」の利用イメージ
BizteX Connectのシステム連携イメージをご紹介します。たとえば、kintoneとGoogleスプレッドシートを連携したい場合です。
BizteX Connectの利用イメージとしては、まずは連携したいサービスのアイコンを選択します。次に動作の選択肢が表示されるので、「レコードの情報を取得する」を選択、画面に従いGoogleスプレッドシートの「データを出力する」を選び、最後にチャットツールに「通知する」を選択します。画面に従って選んでいくだけで、一連の自動化フローが完成します。
\さまざまなシステムとの連携が実現/
RPAとはなにか
BizteXでは2種類のRPA(ロボティック プロセス オートメーション)を開発しています。それが、クラウドRPAとデスクトップRPAの2種類です。
働き方改革や業務改善、生産性向上、DXに関するキーワードで注目を集めており、社内の業務効率化や社外対応の自動化のために導入を検討している企業も多いでしょう。
パソコン上でおこなわれる繰り返しの定型業務をロボットに覚えさせることで、自動で実行することが可能になります。もちろんロボットであるため、24時間365日動き続けることが可能です。
【関連記事】>>【RPA活用セミナーレポート】RPA選定を失敗させないオンラインセミナー~スマートにローカル上やWEB上の定型業務を自動化し課題解決!~
RPA「BizteX cobit」の利用イメージ
RPAの利用イメージとして、クラウドRPABizteX cobitを例にご紹介します。
RPAは、ふだん人間がパソコンでおこなっている業務をブラウザで再現しながら、ロボットを組み立てていきます。ロボットがNGではないサービスであれば、ID・パスワードの自動入力でログインし、作業することが可能になります。
\事例を含めて5分でRPAがわかる/
iPaaSとRPAで業務自動化の実現が可能に
iPaaSやRPAを活用することで、クラウド領域、いわゆるWebブラウザでおこなうものから、Excelや自社独自の基幹システムなどローカル領域をまたぐ作業の自動化を実現します。
クラウドサービスの繋ぎこみは、APIを活用しながらiPaaSで連携し、定型作業はRPAで自動化することがおおすすめです。
では次に、バックオフィス業務において、どのようなものが自動化できていくのか、そしてそれをおこなう上でのポイントを解説していきます。
【効率化のポイント】バックオフィスでは、どのような作業を自動化すべきか
バックオフィスの効率化を進めるうえで、ポイントとなる業務があります。それが、
- 繰り返しおこなわれる
- 定期的におこなわれる
- 移動が発生する
といった3つの業務です。これらには、データ転記・変換作業や複数サービスの閲覧・定期チェック、ファイル移動といった定型作業が多く発生します。
・データ転記・変換作業
各種サイトからの情報収集。SFA→CRM、CRM→会計システム等の情報転記。Excelやスプレッド
シートに情報を集めて、データ変換し別システムさらに転記する業務など
・複数サービスの閲覧・定期チェック
承認の完了チェックや申請対応。情報の更新が発生しているか定期チェックを行い対応する業務。
システム担当しか確認できない情報の現場への周知など
・ファイル移動
報告書や請求書など届いた添付ファイルの格納。
保存してある見積もりや契約書データ、スクショなどのエビデンス画像の移動作業など
以下で一つひとつの自動化事例みていきます。
1.データ転記・変換作業の自動化事例
各種サイトからの情報収集。SFA→CRM、CRM→会計システム等の情報転記。Excelやスプレッド
シートに情報を集めて、データ変換し別システムさらに転記する業務など
まずはデータ転記・変換作業の自動化例です。
よくある転記業務として、紙書類のデータ入力があります。紙関連業務としてよく発生するのが、受注書類や契約書類です。
顧客から受け取った申込書を目視で、システムにデータ転記している企業も多いです。
システム転記の部分については目視でおこなうことで、時間がかかるだけでなく、打ち間違いなどのヒューマンエラーが発生します。これらをiPaaSやRPAを活用することで自動化することが可能になります。
書類をデータ化する、PDFを読み込んでExcelやCSVにするAI-OCRを間に挟み、iPaaSがデータ化した情報を受け取り、そのままデータを入力して新しいレコードを作成します。SFAでいうとリード情報であったり取引先責任者情報がそれにあたるでしょう。kintoneであればレコードを作成するというアクションを自動化できます。また、外部の管理システムや自社の基幹システムであれば、RPAによるレコード作成が可能です。
これらを自動化することで、作業工数の削減はもちろん、ヒューマンエラーの防止、後続処理までの時間削減などが実現。対応をスピーディーにおこなうことで、対応満足度も高まり、お客さまからの印象もよいものとなります。
次に、データ転記だけでなく、ある程度加工をしたうえで転記していく作業です。
たとえば、見積書発行の部分です。上記は実際に対応しているBizteX製品ユーザーの事例です。
上記企業の場合、見積書の発行は管理部がおこなっています。営業担当者からこういった内容で見積書が必要なので発行してくださいという依頼を受け、その内容をExcelにまとめてPDF化し、営業担当者に渡すという作業が発生していました。一件一件を手作業でおこなっていたため、月末月初に作業が集中してしまい、それによる遅延が発生するなどの問題が発生することも。
これらをiPaaSやRPAで自動化することで、営業担当者から管理部へのコミュニケーションはもちろん、作業工数の削減が可能になります。部署をまたぐ複数のやり取りが発生する場合、心理的負荷が増えがちですが、自動化することでそれらの負荷軽減にも寄与します。
データ転記でいうと上記のように、王道のものがいくつかあります。たとえばHubSpotで獲得したリード情報を基にkintoneのレコード情報を自動追加・修正することが可能です。(図左上)
さらに、スプレッドシートに記載されているセミナーの参加者情報を基にSFAのレコードの自動作成も実現します。(図右上)
また、ある条件下でのみ新規レコードを作成するなども可能です。たとえば、新入社員の情報をGoogleフォームで回収し、各業務管理ツールやLINE WORKSなどの社内チャットをはじめ各業務管理ツールのアカウント作成を自動で行います。これらは入社日にあわせたスケジュールで予約実行することも可能です。(図左下)
特定条件下での商談作成例として、kintoneで商談が受注になったらfreee内に取引先情報を作成することも可能。さらに一方に受注のフラグがたった際にはもう一方も自動で受注変更します。データをそろえることで、業務効率化はもちろん、情報の点在化による煩雑化した業務フローの改善が可能になります。(図左下)
\さまざまなシステムとの連携が実現/
2.複数サービスの閲覧・定期チェック
承認 の完了チェックや申請対応。情報の更新が発生しているか定期チェックを行い対応する業務。
システム担当しか確認できない情報の現場への周知など
次に、複数サービスの閲覧・定期チェックの自動化についてです。
クラウドサインを例にあげて解説します。クラウドサインは契約に関する内容がメールで届き、WEB上で契約を締結できるシステムです。
この場合、クラウドサインとチャットを連携することで、WEB上で契約が締結したら、それをチャットなどのコミュニケーションツールに、タイムリーに通知することが可能になります。却下が発生したさいも同様に、通知をだして、即座に担当者に知らせることができます。これにより、担当者が状況の変化に気づきやすくなり次のアクションへ取り掛かる工数を削減します。
そしてもうひとつが、社内やり取りの自動化です。上記はSlackを用いた例となります。
iPaaSやRPAを活用することで、ふだん社内コミュニケーションで使っているチャットツール上での稟議申請が可能になります。Slack上でフォームを呼び出し・入力、内容を承認者へ通知し、承認者はSlack上で承認作業を実行。さらに承認完了連絡をslackで自動通知するといった一連の作業の自動化が可能です。
また、同時にスプレッドシートなどに申請内容の履歴を残すことも可能なため、どのような申請があがっていたのかを一覧化し、内容や各申請の進捗を管理することも可能です。
3.ファイル移動
報告書や請求書など届いた添付ファイルの格納。
保存してある見積もりや契約書データ、スクショなどのエビデンス画像の移動作業など
最後に、ファイルの移動についてです。請求書などのファイルを受け取るさいには、メールに添付されたものやメール内にダウンロード用のURLが記載してあり、そこからDLしていく作業が発生するケースがあります。
取引先がfreeeやマネーフォワードなどを利用している場合にはたびたびこういったことがあるでしょう。この場合も、iPaaSやRPAを活用することで、自動でファイルストレージに添付ファイルを格納したり、まとめてGoogleドライブやboxのファイルストレージにアップロード、さらにfreeeなどのシステムにアップロードするなどの自動化を実現します。
たとえばCRM(kintone)の場合、報告用にファイルをシステム内にアップロードすることもあるでしょう。ARMは、ファイルストレージサービスではないため、容量に限度があります。そういったものを定期的に自社で活用しているファイルストレージに移動していき、空きを作ることが可能です。さらに、対応の完了を自動通知で、人を介さない業務フローを確立、効率化を実現します。
【まとめ】「バックオフィスの業務自動化をはじめたい」まず取り組むべきことは
業務の自動化にあたり、何から取り組んでいけばよいのかわからないといった方も多いでしょう。そういった場合には、まず、どの部署で・どんな方が・どんなサースを使っているのかなど、業務フローを可視化させることがポイントです。
そうすることで、このシステムとこのシステムの連携が必要だな、という点が見えてきます。業務をまるまる自動化することをゴールに置くのはよいですが、まずは、ミニマムスタートではじめ、一つひとつの作業の自動化を進めながら、範囲を広げていくということが、業務自動化成功のカギとなります。
BizteXでは、簡単なアンケートに回答するだけで、現状の業務体制が把握できる無料サービス「業務自動化診断レポート」を提供しています。不要な業務や過剰な業務を減らし、さらに時間コスト削減の効果を実感できるアイデアと、無駄な作業を可視化したレポートを作成します。ぜひご活用ください。
\自社の自動化できる業務がわかる/
そして、本記事で解説した以下の3つを押さえて、業務自動化・効率化をすすめていきましょう。
- サービスとサービスを裏で繋ぐiPaaS、画面操作を覚えるRPAで、自動化の実現が可能
- 繰り返し、定期、移動 が効率化のキーワード
- 業務フローを可視化し、まずはミニマムスタートで進める
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BizteXでは、システム連携プラットフォームiPaaS「BizteX Connect」、国内初のクラウドRPA「BizteX cobit」、デスクトップRPA「robop」の開発・提供しています。 中小企業さまから大手企業さままで豊富な導入実績があり、万全のサポート体制によりお客さま満足度が非常に高いのが自慢です。
iPaaSやRPAの導入に関するお悩みはもちろん、業務効率化や業務の自動化、業務改善に関することなど、御社のお悩みをお聞かせください。
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