Excelが活用されている理由とは
Excelがいま、ここまで浸透している理由にはその操作性と利便性もさることながら、「考える力を養い、活かすことが出来る」点が挙げられます。シート内で情報を完結させることが出来たり、集計・編集・加工等がスムーズにできるため、データベースとしても扱えます。
この使い勝手の良さからさまざまな用途で活用され、表計算ツールとしてはもちろん、会議の議事録やプロジェクトの進捗管理などでも利用できることから様々な部門で使える汎用性があります。
- 文章や表、グラフを同じシートで管理できる
- 関数設定ができ、集計・編集・加工ができる
- リンク挿入ができるため、データベースとして扱える
- 周りのユーザーや取引先企業と連携・共有ができる
- 自分のノウハウが詰まったシートを手軽に作成できる
全社観点でExcel・ERPシステムが活用される領域とは
図のマトリクスについて、横軸は人・モノ・金といわゆる経営資源を表しています。そして縦軸は、過去・現在・未来と時間軸からなるデータです。
ちなみに、過去のデータとは実績データ、現在のデータとは実績になる前の現場で管理したい進行中のデータ、未来のデータとは見込みデータを意味しています。
このマトリクスの場合、ERPシステムで処理する範囲は黄色の部分となっている事が多いです。会計及び、その周辺の販売・生産管理業務で比較的使用が安定しているデータが中心となっています。
周辺業務の領域は一旦開発したシステムでも運用後に仕様変更が出てくる箇所です。また、確定前のデータ管理を行うためデータの変更頻度も高くなります。営業の受注前の見込み顧客リストをイメージしていただけるとわかりやすいでしょう。このようなデータを管理する場合、そのリスト全体を確認しながら、意思決定をし、その場で内容変更も入力をしたいというニーズが高くなります。この要求に最もフィットしているのが、Excelなのです。
ERPにまったく入力できないかと言われればそうではないのですが、現場が要求するような入力方法が実現できないケースや仕様変更が多く発生する領域であるため、逐一仕様変更をしてしまうとコストが膨大になってしまうのが実情です。
つまり、仕様が安定しているところに絞ってERPシステムを立ち上げ、仕様変更が多い現場での周辺業務にはExcelを使用するケースが多くなっています。
Excelを活用する上での課題とは
周辺業務での活用など、それぞれの現場でExcelの活用が広がる一方で、多岐にわたる業務で利用できる柔軟性があるため、使い方によっては課題を生み出してしまうケースもあります。
さらに、Excelが持つ、共有やアクセスのしやすさが招く課題もあります。
- 不慮の事故でシートが破壊
- バージョンの違いでの不都合
- 集計の前作業に時間がかかる
- 必要なタイミングでデータが出せない
- 使い勝手の良さが “うっかりミス” を誘発する
キーマンズネットが2017年に実施したMicrosoft Excelの利用状況調査では、全体の63.3%が方がExcel利用に課題があると回答をしています。また、従業員規模が100名以上を超えている場合、課題があると認識している方の割合が10ポイント以上も上がっています。
これらの課題によって、人による作業工数が増加すると、人為的ミスなども誘発する可能性が高くなります。そして求められるのが、作業プロセスや繰り返しの作業を自動化できるような仕組みづくりです。
業務効率化の現状
業務効率化について考える中で、参考にしたいデータあります。これは、1日の仕事の中で定型作業を2時間以上していると回答した年代×男女別の割合を示しています。
働き盛りの30代男性の半数以上が「1日に2時間以上単純作業を繰り返している」と回答しています。こういった単純作業、ルーティンワークなどの効率化を進めていかなれければ、その先のDXを推進することが難しく、企業としての競争優位性を築くことが難しくなります。
DX実現に向けてExcelに代わる技術・ツールとは
業務効率化はDXの第一歩ですが、実際にDXのどの領域にあたるかについて、触れていきます。
DXとはデータやデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、サービスやビジネスモデルを変革するとともに、組織やプロセス・企業文化をも変革し、競争上の優位性を確立することとされています。
その目的達成において、業務効率化はこのフェーズ1のDXにあたります。
上の図はそれぞれのフェーズのDXを実現するために必要な技術とツールをマッピングしたものです。
働き方改革の浸透もあり、脱ハンコやクラウドサービス等は、すでに市場に浸透しており、この技術・ツールを活用した業務の自動フローの構築においては、RPAやiPaaSが有効となっています。
\事例を含めて5分でRPAがわかる/
DXを達成するための手段「RPA」「iPaaS」
DXを実現するためにはIT技術の活用が必須となります。業務効率化を目的に複数のツールを活用する中で、転記や確認作業といった定型業務の自動化や、システム連携による一気通貫の業務フローの構築がDX化をする上で重要なポイントになってきます。
DX化を進める上でカギとなるのが、「RPA」と「iPaaS」の活用です。
RPAとiPaaSが有効な理由
RPAは、定型的な業務を自動化します。ロボットによって実行されるため、ミスのない正確な処理が可能になるだけでなく、24時間365日作業することが可能です。人間が作業する場合には、ヒューマンエラーの発生は不可避ですが、ロボットであればその心配がありません。
これらの特性から、RPAはDXを達成するための手段になります。DXのために、ロボットで既存業務を自動化し、新たな価値を製品やサービス、ビジネスモデルの変革に繋げていきます。
【関連記事】>>【初心者向け】RPAとは?簡単にわかりやすく説明!【事例】
iPaaSは、活用しているツールとツールを連携することができることから、一気通貫の業務フローを構築するのに有効です。
DXを進める上で、自社にとってどのようなツールの導入が必要なのか見極めることが、DXの実現へと導く一歩になります。
【関連記事】>>【初心者向け】iPaaSとは?メリットや事例、RPAとの違いをやさしく解説
【DXの手段】RPAの活用
DXに有効なRPAですが、ひとことでRPAといってもRPAには、デスクトップ型・クラウド型・サーバー型といった3つの種類があり、それぞれロボットを設置する場所が異なります。
また、導入・運用にかかる費用はもちろん、RPAを扱う際の人的コストも種類によって大きな差があるので、導入にはそれぞれの特徴をしっかりと比較したうえで、自社に合ったものを選びましょう。
デスクトップ型RPA【部門レベルで導入しやすい】
ふだん使用しているPCへ直接ソフトウェアをインストールし、利用する方法です。別名RDA(Robotic Desktop Automation)と呼ばれています。デスクトップ型RPAの得意分野は、デスクトップ上における操作(作業)の自動化です。
デスクトップ型は、情報システム設備を自社内に導入設置・運用する形態、いわゆるコンピュータにインストールされるソフトウェアであったり、自社の資産として保有するハードウェアに関連する業務の自動化に適しています。
デスクトップで働くため、サーバーの構築も必要もなく、比較的低コストでの導入が実現します。つまり、自社内のコンピュータにインストールしてはじめて作動するRPAソフトウェアなので、端末一台に対してロボット一台をインストールする必要があります。
そのため、全社的にロボットによる業務効率化を図る場合にデスクトップ型を選択すると、端末の台数分のコストがかかるということになります。業務に使用しているPCの数が少なく、少数でRPAを活用していきたい企業などには特におすすめの設置法です。
【関連記事】>>パソコン業務を自動化するデスクトップRPA「robop」とは
クラウド型RPA【導入コスト少なめ】
サーバーやデスクトップといった会社所有のハードウェアに依存せずに、プロバイダーなどのクラウドプラットフォームからインターネット経由で利用するタイプがクラウド型です。
クラウド型はもっとも新しい形態で、ネット環境があればすぐに導入することができることから、費用負担も上記二つに比べて抑えやすいといったメリットがあります。 2017年7月、 BizteX cobit がクラウドRPA®として国内で初めて誕生しました。
クラウド型RPAの大きな特徴は、コスト削減効果や高いストレージの拡張性、インターネット環境さえあればどこでも使える利便性などが挙げられます。
【関連記事】>>BizteX cobitの導入効果とは【業界別】
RPAは、働き方改革を進める中で企業が取り組むべき手段としても重要視されており、総務省の公式サイトでは下記のように記述されています。
日本の生産労働人口が減少局面にあるなか、労働力を維持しつつ国際競争力を強するためには労働力の有効活用や生産性を向上させるための方策が必要です。近年の働き方改革の動きの中でも、人手不足を補いながら生産効率を上げるためのさまざまな施策が講じられてきています。たとえばテレワークの推進をはじめとするワークスタイルの柔軟化による人材の確保や、ICTの高度活用による業務効率改善といったものがあげられます。
このような背景の下、従来よりも少ない人数で生産力を高めるための手段として、現在、RPA(ロボットによる業務自動化:Robotics Process Automation)が注目を集めています。2017年の調査によると、国内では14.1%の企業が導入済み、6.3%が導入中、19.1%が導入を検討中でした。市場規模は2017年度が31億円、2021年度には100億円規模になると予測されています。
RPAはこれまで人間が行ってきた定型的なパソコン操作をソフトウエアのロボットにより自動化するものです。具体的には、ユーザー・インターフェース上の操作を認識する技術とワークフロー実行を組み合わせ、表計算ソフトやメールソフト、ERP(基幹業務システム)など複数のアプリケーションを使用する業務プロセスをオートメーション化します。
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/02tsushin02_04000043.html
サーバー型RPA【エンジニア向け】
サーバー型は、名前のとおり社内のサーバーにインストールするタイプのもの。
複数台のパソコンで同時にRPAツールを利用することができるため、大量の業務を一括管理することができます。100体以上のソフトウェアロボットを稼動させることも可能で、膨大な量のデータを扱い、将来的に自動化をスケールアップしたい業務に向いています。
自社にプログラミング知識を備えたエンジニアが常駐しており、自由にカスタマイズできるRPAを導入したい企業に特におすすめです。サーバーに設置する特性上、セキュリティ強化や一元管理が可能というメリットもあります。
一方で、サーバー型は数百万から一数千万円以上とインパクトのある費用感のものはほとんど。
さらに、プログラミングの知識が必要になるため、知識のない従業員でも扱えるようにしたい場合や気軽に自動化を進めていきたいと考えている場合には不向きかもしれません。サーバー型のRPAを導入する場合には、その費用対効果をよく検討してから導入しましょう 。
▼DX推進に活用されるRPAについて下記資料でより詳しく解説しています。
\DX推進やRPA活用について紹介/
【DXの手段】iPaaSの活用
iPaaS(アイパース)とは、Integration Platform as a Service(インテグレーション プラットフォーム アズ ア サービス)の略です。サービスとサービスを繋ぐことで、統合したフローを構築し、実行・管理します。
クラウドサービス(SaaS)ごとに管理されているデータを統合し、システム間の連携を円滑にするため、「橋渡し役」としての機能を持つとイメージしやすいでしょう。iPaaSで業務管理システム同士を繋ぐことで、業務自動化や効率化を加速、個人はもちろん組織全体の生産性向上に大きく貢献します。
クラウドサービスとクラウドサービス同士をつなげることはもちろんのこと、デスクトップ型やサーバー型にも対応可能です。
iPaaSでGoogleスプレッドシート(Google Sheets)をその他ツールと連携させた場合
ビジネスユーザーの多いクラウド型表計算Webアプリ、Googleスプレッドシート。スプレッドシートはメールやチャット、SFA、CRMなど業務管理ツールとのデータ連携で、さらなる業務効率化ができます。Googleスプレッドシートとふだん利用しているサービスを連携することで、次の自動化を実現します。
- 行の自動更新・自動追記
- セルの自動更新
- 値の自動クリア
- シート全ての値の自動クリア
- データの自動検索
- 指定した範囲のセルを自動取得
- 指定した範囲の自動更新
Googleスプレッドシートまわりの上記業務を自動化することで業務効率化はもちろん、生産性向上にも大きく寄与する業務フローの構築を実現します。
【例】『Googleスプレッドシート』・『Googleドライブ』・『Slack』を連携
自動化例▶Googleスプレッドシートに自動出力し、見積書の自動発行をおこなう。作業内容をSlackに通知
見積もり情報をGoogleスプレッドシートに自動で出力し、見積書としてPDF化。さらに完成ファイルをファイルストレージに格納し、Slackへ通知をおこないます。
【関連記事】>>APIを使ったGoogleスプレッドシートの連携方法「BizteX Connect」
>>BizteX robop製品ページはこちら
>>BizteX cobit製品ページはこちら
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BizteX製品は、中小企業さまから大手企業さままで豊富な導入実績があり、万全のサポート体制によりお客さま満足度が非常に高いのが自慢です。無料トライアルを実施しておりますので、お気軽にお申しつけください。
Excel作業の自動化はもちろん、業務効率化や業務自動化、デジタラルトランスフォーメーションに関することの他、クラウドサービス(iPaaSやRPA、AI-OCR、受発注システム)のことなど、御社のお悩みをお聞かせください。