無料で使えるRPAの類似ツール「UWSC」とはどのようなツール?
単純業務の自動化に効果を発揮する「UWSC」とは一体どんなツールなのでしょうか。その機能をRPAとの比較の中でご紹介してまいります。
「UWSC」は、Windowsの作業を自動化できる一部無料のツール
「UWSC」とは端的に説明すれば、Windowsの作業を自動化するものです。
フリーソフト版とシェアウエア版の2種が用意されており、「UWSC」の公式ホームページからダウンロードできます。
実はこの「UWSC」の歴史は古く、1999年にリリース、バージョンアップを繰り返してきました。
ただし、2020年12月現在で、アップデートはおこなわれておらず、2017年に最新バージョンをリリースされてからは更新が止まっている状態です。とはいえ、作業自動化の機能は十分に整っているため、依然として愛用している利用者も少なくありません。
「UWSC」には大きく分けて2種類の機能があります。それが次の2点。
- マウスやキーボードの動きを「録画:記録」し、「再生」で、PC操作を自動化する。
- 一定の条件下で書いたプログラムにそってPC操作を自動化する。
録画と再生を活用した手軽かつ直感的に運用できる点がメリットで、録画と再生を繰り返す事で、同じ作業を繰り返してくれます。
基本的にマウスをクリックする位置、リストから項目を選ぶ、チェックボックスにチェックを入れる――などなど「デスクトップ上の座標と対応する動作やキー」さえ定まって入れば自動化が可能です。担当者が日々業務でPCのキーボードやマウスを操作するのと同じことを、スクリプトで再生できます。
同様のものとしてExcelのマクロの記録と似ていますが、これに追加してマウスの動きも自動的に録画できること、途中でコメントを表示できることなどが異なる点といえます。
さらに、Windows上で操作するものであれば環境を選ばない点、メモ帳や電卓など基本的にVBAのような自動化機能を持たないソフトも自動化できる点も特徴です。
RPAとUWSCの違い、選定基準とは
業務自動化を可能にするという点において、RPAと変わりないように思われますが違いはどこにあるのでしょうか。それぞれの違いや強みをご紹介しますので、導入時の参考などにしてみてください。
UWSCの場合、難しい作業にはプログラミングの知識が必要
「UWSC」とRPAの違いについて、主な違いを図版化してみました。
項目 | RPA | UWSC |
---|---|---|
初期費/運用費 | ともに費用発生 | 無料版とシェアウエアあり |
動作環境(OS) | 限定なし | Windowsのみ |
プログラミング言語 | 必要なし | 拡張にあわせて必要 |
サポート体制 | 各ベンダーによる | 有志によるFAQサイト |
他システムとの連携 | 可能 | Windows上のみ |
まず前提条件として覚えておきたいのが「UWSC」の利用範囲がWindows上のみという点。
当然ですが、Windows以外のiOSやLinux、UNIXなどのOSで動くソフトウェアに対しては自動化できません。そのため、そのような環境下で業務の自動化を検討している場合は、必然的に「UWSC」は利用できません。
次に注目したいのが業務領域です。ダウンロードした「UWSC」が自動化できるのは基本的には単純作業で、扱うデータ量が多いものに関しては向いていません。
これはあくまでも「決められたキーやマウス操作を繰り返すのみ」というメリットでもある機能的な面からもそうですし、最終アップデートが2017年という点も考慮しての話です。万が一の場合のサポートがない点を考えても、例えば個人業務の自動化程度に抑えておくのがベターと言えます。
とは言え、プログラミングの知識があれば物理的に大規模業務を自動化することは可能ですが、その場合の工数などを考えると、自社で大規模業務を自動化することにメリットのある企業はそう多くないかもしれません。
RPAには初期、運用費用がかかりますが、これらは「他システムの連動」「万が一のサポート」費用と考えればそう高くないでしょう。
一方でいきなりRPAを導入する予算がない場合などは、対象範囲を絞って、「UWSC」で業務の自動化の概要をつかむというのは悪くないかもしれません。
▼RPAの基礎は下記記事で解説しています。
UWSCを導入する際の注意点、留意点
プログラミングによる拡張化を進めた場合、気をつけておきたいこともあります。それはプログラミング担当者による属人性が強くなること、言い換えればブラックボックス化です。
例えば、「UWSC」はスクリプト内で決められたルールを忠実に再現して作業してしまうため、仮に誤作動が起きていても途中で止まりません。録画した時と別の状況やウィンドウやファイルが開かれていたとしても、強引にマウスとキーボード操作を入力し続けてしまいます。
もちろん、プログラミングの基礎である条件分岐やループを考慮していれば問題ないですが、それがない状態で担当者が不在、いなくなってしまった場合などは取り返しのつかないことになってしまいます。
また、現在でも十分に利用できる機能を有しているとはいえ、最終アップデートから3年以上が経過しています。有志によるFAQサイトが存在しているとはいえ、脆弱性などが発見されたさいのフォローも磐石とは言えないでしょう。
さらに重要な個人情報などを取り扱っている場合、「UWSC」はテキストベースのスクリプトのため、テキスト内に自動ログインするためのIDやパスワードが含まれていた場合、ログイン情報が漏洩してしまう可能性は低くありません。
UWSCを導入するさいには、企業や事業にとって重大な懸念となるこれらの問題点を十分に考慮することを強くおすすめします。
【まとめ】自動化の対象業務やカバーする領域を熟考した上での導入検討が必須
使用環境やそれぞれの強みや注意点はあるものの、単純業務の自動化という点においては「UWSC」もRPAもどちらも効果を発揮します。ただし、本格運用するにあたっては、まずは自社の自動化の対象となる業務は何かのか、どこまでの領域をカバー、考慮すべきかは十分に検討する必要があります。
一方で業務の自動化とはどういったものなのか、それを体験、実感するのであれば個人ベースで「UWSC」を導入し、効果を測定するのは有益です。この結果を踏まえつつ、やはり「RPA」の方が良いな、興味があるというのであれば各ベンダーが展開する無料体験などを活用してみるのも手です。
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