kintoneを活用して業務を管理している企業では、日々のデータ入力や集計、帳票作成などの定型作業を効率化するために、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)との連携を検討するケースが増えています。RPAを組み合わせることで、kintone上の操作を自動化し、担当者の負担を軽減することが可能です。
とはいえ、実際の運用では思わぬ課題が生じることもあります。この記事では、kintone×RPA連携の仕組みや代表的な自動化例を紹介しながら、安定して稼働させるために知っておきたいポイントを解説します。
- RPAでkintone業務を自動化する仕組みと限界
- RPAだけで連携した場合の課題点と改善策
- iPaaS(BizteX Connect)を併用することで得られるメリット
- BizteX robop・BizteX Connect・インテリジェント フローの概要と役割
- 費用対効果を高めるための活用ポイント
kintone業務をRPAで連携・自動化する基本
kintoneは、顧客管理や案件進行などを一元管理できる業務プラットフォームです。入力・集計・帳票作成などの定型作業を効率化する手段として、RPAとの連携が注目されています。
ここでは、kintone×RPA連携でどのような業務が自動化できるのかを具体的に見ていきます。
kintone業務でRPAが活用される背景

kintoneはノーコードでアプリを作成できる柔軟性があり、部門ごとに独自のワークフローを構築しやすい一方で、アプリ間のデータ転記やレポート作成など、定型処理が多くなりやすい傾向があります。
たとえば、営業部門が入力した商談情報を経理アプリにコピーして請求処理を行う、案件進捗を日報やグラフにまとめるといった業務です。こうした作業は単純ながら頻度が高く、人手ではミスや遅延の原因になります。
RPAを活用すれば、これらの繰り返し作業を自動で処理し、入力精度の向上と作業時間の大幅削減が期待できます。結果として、現場担当者がより価値の高い業務に時間を使えるようになります。
kintone×RPA連携の代表的な自動化フロー
RPAとkintoneを連携させると、アプリ操作やファイル処理を組み合わせた多様な自動化が可能になります。
たとえば、営業アプリで登録された顧客情報をRPAが自動で抽出し、Excelに集計して社内共有フォルダへ保存。あるいは、kintoneのレコード更新をトリガーに請求書を生成し、PDF化してメール送信まで自動で完結させることもできます。

また、RPAを使えば外部システムへのログイン、ファイルダウンロード、共有サーバーへの格納などkintone上で完結しないタスクも同じフロー内で実行可能です。
このように、kintone×RPA連携は定型業務の自動化だけでなく、システム間の橋渡しとしても有効な手段です。
>>RPA活用事例完全ガイド!成功事例から学ぶ業界別活用法|BizteX robop
RPAだけでkintone連携を行う場合の課題
RPAを使えば、kintoneのデータをもとに入力や集計などの定型業務を自動化することは可能です。
ただし、RPA単体ではリアルタイム性のある自動化が難しく、またkintone以外の複数クラウドサービスをまたいで連携する場合には、認証管理の面でつまずくことがあります。
ここでは、そうした代表的な2つの課題を紹介します。
リアルタイム処理が難しく、即時性に欠ける
RPAはスケジュール実行や定期タスクの自動化には適していますが、kintoneでレコードが登録・更新された瞬間に他サービスへ即時連携するようなイベント駆動型の処理は苦手です。
RPAは画面操作を再現する仕組みのため、APIのように変更を自動検知して処理をトリガーにすることができません。
結果として、通知送信やステータス更新などリアルタイム性が求められる業務では、処理のタイミングがずれやすく、運用面で課題になることがあります。
クラウドサービスによっては認証が通らない場合がある
RPAはブラウザ操作を自動化してクラウドサービスへアクセスしますが、すべてのアプリで安定して動作するわけではありません。
特にOAuth認証や多要素認証が設定されているサービスでは、ログインや認証がうまく通らず、途中でエラーが発生するケースもあります。
そのため、kintoneのデータを他システムへ送信したくても、アプリによってはRPA経由での自動化が難しい場合があるのが実情です。
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RPAの課題を補うiPaaSとは?安定性と即時性を高める仕組み
RPAは、PC上の定型作業や手動オペレーションを自動化する点で有効ですが、リアルタイム処理やクラウド間の認証連携といった領域では課題を抱えやすいのが実情です。
こうした課題を補い、kintoneをはじめとする複数のクラウドサービスを安定的かつ即時に連携できるようにする仕組みが、iPaaS(Integration Platform as a Service)です。

iPaaSはRPAの代替ではなく、両者を組み合わせることで業務全体をより柔軟かつ効率的に自動化できる補完的な基盤です。
RPAがPC操作やオンプレミス環境の業務を担い、iPaaSがクラウド間をAPIでつなぐことで、安定性・即時性・拡張性を兼ね備えた自動化を実現します。
RPA単体でのkintone連携とiPaaSを併用した場合の違い
RPAだけでkintoneを連携する場合と、iPaaSを併用する場合では、構築・運用・拡張性において大きな違いがあります。
RPAは画面操作を再現してデータ取得や登録を行うのに対し、iPaaSはAPIを介してクラウドサービス間を直接つなぐため、リアルタイム性と安定性に優れています。
| 比較項目 | RPA単体でのkintone連携 | iPaaSを併用した場合 |
|---|---|---|
| 連携方式 | 画面操作によるデータ取得・登録 | API連携で安定的に送受信 |
| トリガー | スケジュール実行が中心 | kintoneの更新をリアルタイム検知 |
| 保守・運用 | UI変更時にシナリオ修正が必要 | UIに依存せず保守負担を軽減 |
| 構築工数 | 操作記録が多く複雑化しやすい | ノーコードで簡易構築が可能 |
| 拡張性 | 単一業務単位での連携が中心 | 条件分岐・並列処理による多段連携が容易 |
iPaaSを併用することで、kintoneのレコード更新などを即時検知し、他のクラウドサービスへデータを安定的に反映できます。
これにより、RPAが苦手とするリアルタイム処理や認証連携を補完し、業務全体のスピードと保守性を高めた自動化が実現します。
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BizteX robopとBizteX Connectによる自動化の実例

BizteXでは、 PC上の操作を自動化するデスクトップ型RPA「BizteX robop」とクラウド間をAPIでつなぐ国産iPaaS「BizteX Connect」を提供しています。
この2つを組み合わせることで、クラウドとローカルを横断した実運用に即した自動化フローをノーコードで構築できます。
たとえば、kintoneで新しいレコードが登録されると、BizteX ConnectがAPI経由でその情報を取得し、オンラインストレージへ自動格納。その格納をトリガーにBizteX robopが起動し、ローカル環境でファイルを処理・整形して社内フォルダに保存します。
処理が完了すると、BizteX ConnectがSlackへ完了通知を自動送信し、データ登録から共有までが一連の流れで完結します。

このように、RPA(BizteX robop)はAPIが届かない領域(ローカル処理・ファイル操作など)を補完し、iPaaS(BizteX Connect)は即時性と安定性の高いクラウド連携を担う構成です。
認証やログインエラーのリスクを抑えながら、オンプレミスを含む幅広いシステム環境をノーコードでつなげる点が大きな強みです。
一方、kintoneやSlackなどクラウド内で完結する処理であれば、BizteX Connect単体でも十分対応可能です。業務の特性に応じて「クラウド=iPaaS」「ローカル=RPA」と役割を分けることで、最小の工数で最適な自動化を構築できます。
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iPaaS併用でのkintone×RPA連携を支えるBizteXのサービス
kintoneを中心とした業務自動化を安定的に進めるには、クラウド連携とPC操作の両方をカバーできる仕組みが欠かせません。
BizteXはその両面を支えるために、複数の業務改善サービスを提供しており、サイボウズオフィシャルプロダクトパートナーとしてkintone連携をサポートしています。
ここでは、それぞれの特徴と役割を紹介します。
BizteX Connect|安定したクラウド連携を実現する国産iPaaS

「BizteX Connect」は、kintoneをはじめとする主要なSaaSとノーコードで連携できる国産iPaaSです。
APIを活用することで、kintoneのレコード登録・更新をリアルタイムで検知し、SlackやHubSpot、Teams、Googleスプレッドシートなどへ即時にデータを連携します。また、条件分岐やループ処理などの高度な制御にも対応しており、現場担当者でも柔軟に業務フローを構築できます。
実際に、IT未経験の担当者がBizteX Connectを使ってAI連携を含むリアルタイム自動化フローを構築できるようになった事例もあり、操作性と安定性の両面で高い評価を得ています。
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BizteX robop|ローカル環境含めた自動化を実現するRPA

「BizteX robop」は、Excelやブラウザ操作、ファイル整理、帳票出力など、ローカル環境を含むPC上の作業を自動化できるデスクトップ型RPAです。
画面上の操作を記録して動作を再現するだけでロボットを作成でき、プログラミング知識がなくても運用可能です。画像認識の精度が高いため、他社RPAからリプレイスしたことでエラーが発生しなくなったという事例もあります。
また、クラウドと連携させることで、kintoneのデータを自動で取得・整形・出力し、ローカル業務を含めた自動化を実現できます。
2週間の無料トライアルを利用して、自社の業務に合うかを検証することが可能です。
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インテリジェント フロー|社内リソースが足りない場合の代行サービス

「インテリジェント フロー」は、RPA・iPaaS・AIなどの複数技術を組み合わせ、業務設計から構築、運用、改善までを一括で代行するBizteXの次世代IPO(Intelligent Process Orchestration)サービスです。
自社でツール操作や構築を行うリソースが不足している場合でも、専任チームが最適なフロー設計を担い、継続的に改善まで行います。
サポート力を重視する企業は、1フローの代行をずっと無料で依頼できる「無料プラン」から始めてみるのがおすすめです。まずはkintone連携を1フロー委託して、実際の運用品質を体感できます。
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FAQ|kintone×RPA連携に関するよくある質問
- kintoneの標準機能だけでは自動化できないのですか?
-
kintoneのプロセス管理や通知機能でも一部の自動化は可能ですが、複数アプリ間のデータ転記や外部システム連携など、より高度な処理を行う場合はRPAやiPaaSを併用するのが効果的です。
- RPAとiPaaS、どちらを先に導入すべきですか?
-
クラウドサービス同士の連携を主目的とする場合はiPaaS(BizteX Connect)から導入するのがおすすめです。ローカル操作や帳票出力などPC上の作業が多い場合はRPA(BizteX robop)を優先するのが適しています。
- RPAを使うとkintoneの動作が遅くなったりしませんか?
-
適切に設定すれば影響はほとんどありません。特にiPaaSと組み合わせることで、API経由で処理を分担できるため、RPA単体で実行するよりも安定性が高まります。
- RPAとiPaaSを両方導入するとコストが増えるのでは?
-
初期費用はやや増えますが、保守工数やトラブル対応の削減に加え、自動化できる業務範囲が大きく広がるため、結果的に費用対効果が高まります。
RPAだけでは難しかったクラウド間連携やリアルタイム処理も可能になるため、全体最適の観点で見ればコスト以上の成果を得やすい構成です。
- 自社にノーコードツールの運用経験がなくても導入できますか?
-
はい。BizteX Connectや BizteX robopは直感的に操作できる設計になっており、IT未経験者でも構築・運用が可能です。
もしリソースが限られている場合は、業務代行サービス「インテリジェント フロー」を利用することで設計から運用までを専門チームに任せられます。
まとめ|RPA×iPaaSで実現する即時性と安定性のあるkintone連携
kintoneを活用した業務自動化では、RPAによる入力・集計などの効率化が有効ですが、RPA単体ではリアルタイム処理やクラウド間連携の面で制約が生じる場合があります。
こうした課題を補うのが、iPaaSを組み合わせた連携です。「BizteX Connect」がクラウド間をAPIで安定的につなぎ、RPA「BizteX robop」がオンプレミスやローカル操作を担うことで、即時性と安定性を両立した自動化フローを構築できます。
さらに、業務リソースが不足している場合には、設計から運用までを代行できる「インテリジェント フロー」を組み合わせることで、運用負荷を抑えながら全体最適を実現可能です。
BizteXでは、これら3つのサービスを柔軟に組み合わせ、自社の環境に最適なkintone連携を実現できます。kintone×RPA連携を安定的かつスケーラブルに運用したい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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