IT人材育成を目的に2009年に創設された資格
ITパスポートは、日本国の産業構造審議会のワーキンググループの議論をもとに創設された資格です。
このワーキンググループでは、IT人材育成のためには、必要なスキルの獲得状況を客観的に評価できるように、情報処理技術者試験を4つにわけるように提言しました。
ITパスポートは国家資格
レベル①:職業人に共通に求められる基礎知識
レベル②:基本的知識・技能
レベル③:応用的知識・技能
レベル④:高度な知識・技能
ITパスポート試験はこのうち、情報処理技術者試験のなかでもっとも基礎の段階の試験にあたり、レベル①の職業人に共通に求められる基礎知識の取得を証明する資格です。
ITパスポートの試験は、経済産業省が認定する国家試験です。
ITパスポートで身につくもの
ITパスポートの出題分野として、AI、ビッグデータ、IoT などの新しい技術やアジャイルなどの新しい手法に関する知識をはじめ、経営戦略、マーケティング、財務、法務など経営全般の知識、セキュリティ、ネットワークなどのITの知識、プロジェクトマネジメントの知識など幅広い分野に関する総合的な知識が問われます。
これによりITを正しく理解し、業務に効果的にITを利活用することのできる“IT力”を身に着けることができるのです。
身につくもの
ITパスポートでは、パソコンの操作に関する知識ではなく、情報システム、ネットワーク、データベースなどのITの基礎知識に関するものです。これにより、企業や顧客、社内の情報システム部門との円滑なコミュニケーションに役立ちます。
ITパスポート試験の応募者の中の8割が社会人
引用:https://www.jitec.ipa.go.jp/1_00topic/topic_20220414.html
ITパスポートの応募者は、2017年度はおよそ9万4千人だったものの、22年3月の実施分では24万人を超えるまでになりました。さらに、応募者の8割が社会人であるということもわかっています。
この背景にはDX推進があり、高度IT人材の育成を目的としたITパスポート試験は、企業にリスキリングへの取り組みのが求められるなかで、ITリテラシーの底上げを目的に受験を推奨するケースも見られる試験となっています。
【関連記事】>>リスキリングとは?
ITパスポート受験概要
受験申込
試験会場
各都道府県指定の会場
試験時間
試験時間:120分
問題数:100問
※100問を解き終えた後、退席することが可能
受験手数料
受験手数料:7500円
会場に持ち込めるもの
本人確認証明書・確認表
※腕時計を含むその他のものは、会場に入る前にロッカーにしまう
実施方法
CBT方式
試験は実際に会場へ足を運び、パソコンを使うCBT(コンピューターベースドテスティング)方式でおこなわれます。
問題数
問題数は100問。複数の選択肢から正しい答えを選ぶ択一式です。
合格ライン
ITパスポートの総合評価点は1000点満点中600点が合格ラインです。
※問題は100問ですが、採点対象となるのはその中の92問。どの問題が採点対象・対象外であるかは非公表
ITパスポートの出題問題例
ITパスポート試験では下記のような問題が、100問出題されます。
【 問題例 】
年齢、性別、家族構成などによって顧客を分類しそれぞれのグループの購買行動を分析することによって、集中すべき顧客層を絞り込むマーケティング戦略として最も適切なものはどれか。
【 選択肢 】
ア:サービスマーケティング、イ:セグメントマーケティング、ウ:ソーシャルマーケティング、エ:マスマーケティング
【 問題例 】
自社開発した技術の特許化に関する記述a~cのうち、直接的に得られることが期待できる効果として、適切なものだけを全て挙げたものはどれか。
a.当該技術に関連した他社とのアライアンスの際に、有利な条件を設定できる。
b.当該技術の開発費用の一部をライセンスによって回収できる。
c.当該技術を用いた商品や事業に対して、他社の参入を阻止できる。
【 選択肢 】
ア:a、イ:a,b、ウ:a,b,c、エ:b,c
ITパスポート受験の合否結果はいつわかるのか
ITパスポート受験のおおよその合否結果はその場でわかります。問題を解き終えた後に表示される「試験終了」のボタンを押すことですぐに総合評価点が表示されるためです。
正式な合格発表については、ITパスポート試験を受験した月の翌月15日前後の正午に合格者の番号がITパスポート試験ホームページにて公表されます。
企業が社員にITパスポート取得を促すメリット
既存メンバーに情報処理技術の基本的な知識を身につけさせることはもちろん、社員がITへの興味関心をもち、自己けんさんをするきっかけにもなります。さらに試験を受けるなかで、ITにかかわる部門や経営戦略への理解が進む点も大きなメリットと言えるでしょう。
社員にとっては、ITパスポート試験の勉強をするなかで基礎を学ぶことで「IT部門との連携やコミュニケーションがスムーズになる」「システムの開発ステップを理解できるようになったことで連携が容易におこなえるようになる」「資格合格後のキャリアチェンジを視野にいれられるようになる」といったプラスの効果を得ることができます。
まとめ
DXを推進するには、既存の業務体制を見直し、IT技術を活用するなどして業務の効率化をすすめながら新たな変革を生み出すことが重要なポイントになります。
そのなかで、ITパスポート試験は、ITだけでなくマネジメントに関する基礎知識も問われることから、まさにIT人材の育成や企業のDXを進めるカギとなる資格と言えるでしょう。
▼下記資料ではDX推進についてRPAという観点から解説しています。ご興味がある方はぜひこちらもご参照ください。
\DX推進やRPA活用について紹介/
【関連記事】>>2022年発売のDX(デジタルトランスフォーメーション)を学べるおすすめ本
【お問い合せ】DX推進に関するご相談はこちらから【無料】
DXhackerを運営するBizteXでは、プログラミング不要で簡単に使えるiPaaS「BizteX connect」や日本初のクラウドRPA「BizteX cobit」、デスクトップRPA「robop」の開発・提供しています。
中小企業さまから大手企業さままで豊富な導入実績があり、万全のサポート体制によりお客さま満足度が非常に高いのが自慢です。
業務効率化、業務の自動化、業務改善に関すること、その他クラウドサービスの連携や自動化についてなど、御社のお悩みをお聞かせください。
ぜひお気軽に下記よりお問い合せください。