DXとデータ活用の現状
DX(デジタルトランスフォーメーション)とは?
DX(デジタルトランスフォーメーション)は、組織や企業がデジタル技術を活用して、業務プロセスやビジネスモデルを改革し、競争力を高め、新たな成長機会を追求するための戦略的な取り組みを指します。DXは従来のアナログや紙ベースのプロセスをデジタル化し、データ分析、クラウドコンピューティング、IoT(モノのインターネット)、人工知能などのテクノロジーを活用して、組織の効率性を向上させ、新しい価値を提供することを目的としています。
DXが昨今注目されている背景やメリットの詳細などは、以下の記事をご覧ください。
DXとは?意味やITとの違い、DXツール、事例をわかりやすく解説 | 業務効率化・自動化を知るならDXhacker
日本企業のDX推進の現状
独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が、2023年5月に公表したレポート「DX推進指標 自己診断結果 分析レポート(2022年版)」によると、以下のような傾向があることが分かります。
- 過去4年と比較して、多くの中小企業及び幅広い業種でDXへの取り組みの広がりが見られた
- 中小企業と大企業の比較では中小企業のほうがが相対的にDXの成熟度レベルが低い
- しかし、項目レベルで比較すると「データ活用の人材連携」「 データ活用」は大企業と中小企業で成熟度レベルの差が小さく、中小企業においてデータ活用の重要性が浸透してきている
- 特に小規模企業では事業の成長につながるデータ活用に力を入れている傾向がある
これらの傾向から、データ活用は組織規模に関わらず事業成長に繋がりやすく、DX推進において取り組みやすいことが分かります。では、データ活用を実現するためには何が必要になるのでしょうか?そこで提案したいのが、「データ連携から始めるDX」というアプローチです。
「データ連携」とは、システムやアプリケーションの垣根を越えて、データを共有・活用することを指します。
データ連携がDXにもたらす5つのメリット
全体像の把握
データ連携により、異なる部門やシステムからの情報を統合することで、企業全体の状況やパフォーマンスを正確に理解することが可能になります。これは、戦略的な意思決定を下す上で欠かせない要素です。
迅速な対応
リアルタイムのデータ連携を実現することで、変化する市場や顧客ニーズに対して迅速に対応することができます。これは、DX時代において競争優位を保つための鍵です。
顧客体験の向上
データ連携により、顧客の購買履歴、行動、フィードバックなどの情報を一元化することで、パーソナライズされたサービスやプロモーションを提供し、顧客満足度を向上させることが可能になります。
新しいビジネスモデルの創出
統合されたデータを活用することで、新しいビジネスの機会や可能性を見つけ出すことができます。例えば、データ分析を通じて新しい市場のニーズやトレンドを予測し、新しいサービスや商品を開発することが考えられます。
コスト削減と効率化
データの重複入力や手作業による誤差を減少させることで、業務の効率化とコスト削減が実現します。また、適切なデータ連携による自動化や最適化は、組織全体の生産性の向上をもたらします。
データ連携の価値を最大化するための5つの検討ポイント
データサイロの解消
データサイロとは、異なる部門やシステム間でデータが独立して保管・管理され、他の部門やシステムとのデータ共有が難しい状況を指します。データがサイロ化すると、情報の非効率的な流れや冗長な業務、情報の非対称が生まれる可能性があります。
データ連携を実現することで、異なるデータ源間の情報を統合し、一元的なデータの視点を持つことが可能となります。これにより、迅速な意思決定や業務の効率化が期待できます。
リアルタイム連携の活用
現代のビジネス環境では、データをリアルタイムで捉え、適切なタイミングで対応することが企業の競争力を高める鍵となります。
データ連携を通じてリアルタイムデータを適切な部門や人に提供することで、迅速な対応や、より適切な意思決定が可能となります。
ユーザーエクスペリエンスの向上
シームレスなユーザーエクスペリエンスとは、ユーザーが何の障壁も感じずにサービスを使用できる状態を指します。データ連携が不足していると、ユーザーが必要な情報や機能にアクセスする際の遅延や不具合が生じる可能性があります。
適切なデータ連携を実現することで、ユーザーが必要とする情報やサービスへのアクセスがスムーズになり、結果としてユーザー満足度の向上が期待できます。
セキュアなデータ管理体制の構築
データ連携は情報の共有を促進しますが、それと同時にセキュリティリスクも高まる可能性があります。特に個人情報や機密情報の取り扱いには十分な注意が必要です。
データ連携の際には、適切な暗号化技術の採用やアクセス権限の管理、そして定期的なセキュリティ監査を行うことで、データの安全性を確保します。
連携の持続的最適化
ビジネスのニーズやテクノロジーの進化は常に変わっています。そのため、一度設定したデータ連携のルールやフローを固定してしまうと、最適ではなくなる可能性が高まります。
定期的なデータの品質確認や連携のフローの見直しを行い、常に最適なデータ連携を保つための取り組みが必要です。
データ連携を容易にする「BizteX Connect」
「BizteX Connect」は、複数のクラウドサービスやオンプレミスなどで管理されているデータを一元的に連携するための iPaaS(Integration Platform as a Service)です。 APIを用いてシステム間のデータ登録や修正、更新のほか、書き出しや読み込みなどの処理をノーコードで実行できます。
プログラミングのスキルがなくても、マウス操作で簡単にデータ連携ができるため、作業コストを削減し、業務の効率化を実現します。
▼下記資料でそもそもiPaaSとはなんなのかご確認ください。
\さまざまなシステムとの連携が実現/
まとめ
本記事を通じて、DXの基本的な意味や定義から始め、現在の日本企業におけるDXの推進状況を探ると共に、DXを成功に導くためのキーポイントとしてデータ連携の重要性についても詳しく触れました。
DXにおいて、データ連携は中核をなすものです。データを有効に活用し、システムや部門間での連携を強化することで、業務の効率化、新しいビジネスチャンスの創出、そして最終的には企業全体の競争力の向上を実現することができます。
DXは単なる技術の導入やシステム更新に留まるものではありません。それは組織全体の変革を目指すものであり、そのためにはデータの適切な連携と活用が不可欠です。企業各々の状況や目的に応じた最適なデータ連携の方法を見つけ、DXの成功を目指していきましょう。
\さまざまなシステムとの連携が実現/