BPaaSとは?外部委託型の業務効率化ソリューションをわかりやすく解説

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業務の効率化やコスト削減を目的に、クラウドを活用した外部委託の手法が注目されています。中でも「BPaaS(Business Process as a Service)」は、SaaSの柔軟性とBPOの実行力を融合させた、新しい業務委託モデルとして多くの企業で活用が進んでいます。

本記事では、BPaaSの基本概念から導入メリット、他クラウドサービスやBPOとの違い、そして今注目される次世代型ソリューション「IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)」と、その具体的なサービス「インテリジェント フロー」まで、段階的にわかりやすく解説します。

目次

BPaaSとは?外部委託型の業務効率化ソリューション

BPaaSは、クラウド上で提供されるソフトウェア(SaaS)を活用し、企業の業務プロセスの一部または全体を外部に委託するサービスです。従来のBPO(Business Process Outsourcing)のような人的リソースへの依存ではなく、自動化ツールと専門知識を掛け合わせることで、持続可能で高効率なアウトソーシングを実現します。

たとえば、経理や人事、カスタマーサポートなどのバックオフィス業務を対象に、業務フローそのものをクラウド上で実行・管理することが可能です。

BPaaSの市場規模

2024年の世界BPaaS市場は1,000億米ドルに達し、今後も年平均成長率(CAGR)8%で拡大が見込まれています。特にアジア太平洋地域は成長の牽引役となっており、財務・経理関連の業務が市場の約40%を占めると予測されています。

日本国内でも、クラウド技術やAIの普及により、企業のデジタル変革(DX)を支えるソリューションとして注目が高まっています。

参考:SDKI

BPaaSが注目され始めているのはなぜ?

企業のIT投資が加速する中、「業務プロセスの効率化」は常に上位の課題として挙げられています。とくに「業務を属人化から解放したい」「IT部門の工数を減らしたい」というニーズが強く、BPaaSはその有力な選択肢となっています。

IT投資で解決したい短期的な経営課題の結果データ画像
引用:企業IT動向調査

また、業務効率化には高度なITスキルが求められる場面も多く、既存社員のリスキリングや実践の場の確保が課題となる中、BPaaSのように設定・運用代行まで担うサービスへの需要が高まっています

BPaaSの認知度はまだまだ低い

jinjer株式会社が実施した調査によると、「BPaaSを知らない」と答えた人は約60%。一方で「導入済みまたは検討中」と回答した企業は約半数に達しており、ニーズの高まりと認知のギャップが存在します。

導入理由は「工数削減(59.2%)」「コスト削減(54.4%)」が上位を占め、導入企業の8割が業務効率の向上を実感しています。

参考:jinjer株式会社

BPaaSは他のクラウドサービス(SaaS、PaaS、IaaS)とどう異なるのか

BPaaS(Business Process as a Service)は、他のクラウドサービスと連携しながら、特定の業務知識やワークフローを組み込んだ“業務プロセス単位の支援”を提供する点が最大の特徴です。

これにより、ツールやインフラの提供だけにとどまらず、企業の実務に直結する形で業務効率化を実現することができます。

SaaS、PaaS、IaaSの特徴とBPaaSとの関係

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サービス主な特徴BPaaSとの関係
SaaSメールやCRM、ERPなど、業務支援ツールをクラウドで提供するモデル。アプリケーション単位で利用される。BPaaSにおける業務ツールの構成要素として活用される。
PaaSアプリケーションの開発・設計を行うための開発基盤やミドルウェアを提供。BPaaSにおける業務プロセスのカスタマイズ・拡張に活用される。
IaaSサーバーやストレージなど、インフラ基盤をクラウドで提供。物理環境や仮想環境を構築。BPaaSにおけるプロセス運用の基盤を構成する土台となる。

混同しやすい外部委託手法「BPaaS」と「BPO」の違いとは?

BPaaSとBPOは、どちらも業務の外部委託を通じて効率化を図る手段ですが、その提供方法や活用技術、対応範囲に大きな違いがあります。下記の表でそれぞれの特性を比較してみましょう。

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項目BPaaSBPO
目的業務プロセスの自動化・効率化により、持続的なコスト削減と業務最適化を実現業務を外部に委託し、短期的な負担軽減や専門性の高い対応を実現
提供方法クラウド上で業務プロセス(給与計算や請求処理など)を自動実行人材を活用し、業務を外部の作業者が対応(例:カスタマーサポートなど)
技術の活用クラウドサービスを活用人的リソースを活用
メリット高い自動化・スケーラビリティ・透明性により、迅速かつ安定的な運用が可能専門スキルを持つ人材を活用できる。社内リソースをコア業務に集中できる

BPaaSはクラウド技術を活用した最新の長期的な外部委託手法であり、特に自動化やスケーラビリティに優れ、継続的な効率向上が期待されます。

一方、BPOは人材に依存した短期的な負担軽減に適した外部委託手法であり、人的対応が必要な業務に適しています。企業の目的や課題に応じて、これらを適切に使い分けることが重要です。

BPaaSの活用事例:経理部門の請求書処理を完全自動化

BPaaS(Business Process as a Service)は、企業内の定型業務に特化した外部委託ソリューションとして注目されています。とくに経理部門における請求書処理業務は、手作業や属人化、ミスの発生といった課題を抱えやすく、BPaaSによる効率化が期待されている領域のひとつです。

以下は、仮にBizteXがBPaaSを提供するなら──という前提で構成された請求書処理自動化の一例です。RPA、AI-OCR、iPaaSなどのクラウド技術を活用し、請求書の受領から会計システムへの登録までを一貫して自動化することが可能になります。

BPaaS導入後の請求書処理業務プロセスイメージ

請求書処理業務プロセスをBPaaSで自動化した画像

このように、ツール連携とプロセス自動化を組み合わせれば、転記ミスや処理漏れといったヒューマンエラーを防ぎ、経理担当者の負担を大幅に軽減できます。

さらに、プロセス構築から運用までを専任担当者が担う体制であれば、社内にITスキルや専門知識が不足していてもスムーズに導入が可能です。

とはいえ、こうした高度な自動化は、あくまで理想的なBPaaSの一形態です。実際に提供されているBPaaSサービスの多くには、以下のような制限がある場合がほとんどです。

  • 自動化の対象範囲が限られている
  • オンプレミス環境には対応していない
  • プロセス設計や業務整理は、基本的に企業側が担う必要がある
  • 非定型業務や例外処理への対応が難しく、結果的に手作業が残る

特に、イレギュラー対応が求められる業務や、状況に応じた判断が必要なプロセスにおいては、BPaaSの“標準化された枠組み”だけでは十分な柔軟性を持たせることが難しいのが実情です。

こうした課題を踏まえ、BizteXではBPaaSの枠を超えた次世代ソリューションとして、より柔軟で業務全体の最適化を可能にする「IPO(Intelligent Process Orchestration)」を提唱しています。

IPOとは?BPaaSを超える次世代の業務最適化ソリューション

IPOとは画像1

BPaaSは、業務の外部委託とクラウド技術を組み合わせた効率化ソリューションとして、今後一定の成果が期待される手法です。定型業務の自動化に適しており、業務負荷の軽減やコスト最適化を目指す企業の間で徐々に活用が広がっています。

しかし近年、より柔軟で高度な業務改善が求められる中で注目されているのが、Intelligent Process Orchestration(IPO)という新しい概念です。

IPOは、RPAやiPaaSといった自動化ツールに加え、AIと人の知見を組み合わせることで、業務全体をエンドツーエンドで再設計・最適化するソリューションです。特定の業務単位ではなく、部門をまたいだプロセスの統合や、継続的な改善サイクルまで視野に入れている点が、BPaaSやBPOとは大きく異なります。

IPOは、以下のような課題を持つ企業に最適です
  • 部門ごとの業務を全体最適の視点で統合したい
  • 業務の属人化やブラックボックス化を解消したい
  • ツールを導入しても成果が出なかった

IPOは、「どの業務を自動化するか」ではなく、「業務全体をどう設計し、どのように最適化していくか」という視点で、真のデジタル変革を実現します。

IPOの詳しい解説や、RPAとの違いについては下記記事をご覧ください。
インテリジェント・プロセス・オーケストレーション(IPO)とは?概要・メリット・活用方法
BPaaSとIPOの違いとは?AI活用&プロ支援で広がる自動化の可能性

インテリジェント フローとは?IPOをサービス化したBizteXの統合型支援

インテリジェント フロー提供イメージ画像

>>インテリジェント フローのサービスページはこちら

「インテリジェント フロー」は、BizteXが提唱するIntelligent Process Orchestration(IPO)を実現するための統合型支援サービスです。30,000件を超える業務自動化の実績をもとに、さまざまな業種・部門に対応した豊富な自動化テンプレートを備えており、それらをベースに各企業の課題や業務特性に応じて柔軟にカスタマイズすることが可能です。

単なるツール提供ではなく、業務プロセスの設計から運用、改善までを一貫して担うことで、現場に根付く業務最適化を実現します。

インテリジェント フローの主な特長

30,000件超の実績をもとに、最適な業務フローをスピーディーに構築
 業種・部門ごとの特性に合わせて、効果が出る自動化フローを短期間で立ち上げ可能。

AI+人の知見で業務課題を自動分析し、最適な改善案を提示(インテリジェント マイニング)
 業務ログや構造を解析し、ボトルネックや改善点を可視化します。

導入後も改善提案を自動化し、継続的な最適化が可能(インテリジェント HUB)
 実行データをもとに、効果測定から改善提案までを仕組み化。

スモールスタートにも対応しており、無料プランから始めることも可能です。「インテリジェント フロー」は、ツールに依存せず、業種・業態・部門(業務)・環境(ツール)に応じた柔軟な業務プロセス最適化を実現する“動く業務設計”のサービスです。

\業務プロセス全体を柔軟かつ継続的に最適化/

無料プランから始められる、現場に優しい自動化サービス

BPaaSのQ&A

Q1. BPaaSとBPOは何が違うのですか?

BPOは主に人材を活用して業務を外部に委託するのに対し、BPaaSはクラウド技術と自動化ツールを活用して業務プロセスを効率化・可視化する点が大きく異なります。

Q2. 自社にITスキルがなくても導入できますか?

はい。BPaaSは専任人材が設計・運用までを担うため、自社に高度なITスキルがなくても導入・活用が可能です。

Q3. どのような業務がBPaaSに向いていますか?

経理(請求書処理・発注管理)、人事(入社手続き・給与計算)、営業(見積・契約管理)など、定型化された繰り返し業務が特に効果的です。

Q4. BPaaSとIPOの違いは何ですか?

BPaaSは、定型業務を中心に外部委託とクラウド技術を組み合わせた効率化手法です。
一方、IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)はそれを発展させ、業務全体の構造を可視化・再設計し、継続的な改善までを含めて最適化する“次世代型”の業務改善ソリューションです。

Q5. インテリジェント フローの導入までの流れを教えてください

無料プランから始められます。
BizteXが業務分析(インテリジェント マイニング)→最適なフローの提案→設計・構築→運用・改善までを一貫して代行するため、ITスキルがない企業でもスムーズに導入できます。

まとめ|定型業務の効率化から、業務全体の最適化へ

本記事では、BPaaSの基礎や導入メリット、BPOとの違い、さらにはその限界と次世代型ソリューションであるIPO、そして「インテリジェント フロー」までを通して、今の業務効率化が直面している課題と未来像を整理しました。

クラウドや自動化ツールの活用は、もはや当たり前の選択肢です。これからは「どの業務を効率化するか」ではなく、「どう業務全体を調和させ、継続的に最適化していくか」が企業に問われるフェーズに入っています。

BizteXが提供する「インテリジェント フロー」は、業務プロセスを構築・運用・改善まで一貫して担いながら、企業にとっての“動く業務設計”を実現するサービスです。

まずは無料プランで、貴社の業務課題を可視化することから始めてみませんか?

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この記事を書いた人

DX hacker編集部 瀧澤のアバター DX hacker編集部 瀧澤 マーケティング部オウンドメディア担当

DX hacker編集部の瀧澤が不定期で更新します。
DX推進や業務自動化に役立つ最新情報、SaaS情報、すぐに使えるノウハウまで、わかりやすくご紹介します。

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