iPaaSとは?読み方・仕組み・導入メリットをわかりやすく解説

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クラウドサービスの利用が急速に広がる一方で、勤怠・会計・営業支援などのデータが分断され、二重入力や情報の不一致が発生しやすくなっています。

こうした非効率を解消する仕組みとして注目されているのがiPaaS(アイパース)です。システム間のデータ連携を自動化し、業務の正確性と効率性を高める基盤として、多くの企業が導入を進めています。

本記事ではiPaaSの基本から導入メリット、RPAとの違い、導入の現実的な課題までわかりやすく解説します。

記事の後半では、iPaaSのおすすめサービスや自動化事例も解説!

この記事でわかること
  • iPaaS(アイパース)の正しい意味と読み方
  • iPaaSの仕組みと他手段(RPA・ETL等)との違い
  • 導入によって得られる3つの主要メリット
  • 導入で注意すべき課題と失敗を防ぐポイント
  • BizteX Connect・BizteX robop・インテリジェント フローの活用法
目次

iPaaSとは?読み方と基本定義

iPaaSとは Integration Platform as a Service の略で、複数のシステムやクラウドサービスをつなぐためのプラットフォームを指します。読み方は「アイパース」となり、誤って「アイパス」や「ipass」と表記されることもありますが正しくはiPaaSです。

従来、担当者がCSVを出力して別のシステムに手作業で取り込むといった煩雑な業務が多く存在しました。iPaaSを利用すれば、これらの作業をクラウド上で自動的に連携でき、業務のスピードと正確性を高めることができます。

iPaaSが生まれた背景

企業の業務は勤怠管理や会計、営業支援、マーケティングなど多様なシステムに分かれており、クラウドサービスの普及によってその数は急増しました。その結果、データが部門やツールごとに分断され、CSVの手作業転記や二重入力、照合作業といった非効率が顕在化しました。

RPAによる画面操作の自動化や個別のAPI開発は一時的な解決策となりますが、保守や拡張の負担が大きいのが現実です。こうした課題を根本的に解決し、持続的な業務効率化を実現するために登場したのがiPaaSです。

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iPaaSの仕組みとできること

iPaaSは、異なるシステムやクラウドサービス同士をつなぐための仲介基盤として機能します。あらかじめ用意された「コネクタ」と呼ばれる部品を利用し、条件(トリガー)と処理(アクション)を組み合わせることで、システム間のデータ連携を自動的に実行できます。これにより、担当者がCSVを取り出して別システムに取り込むといった手作業を大幅に削減できます。

また、ノーコード/ローコードで設定できるため、専門的なプログラミング知識がなくても運用が可能です。監視や通知機能も備わっており、データの受け渡し状況を可視化できる点も大きな特徴です。

RPA・ETL・個別API開発との違い

iPaaSは他の自動化手段とよく比較されますが、それぞれ得意分野や課題が異なります。以下に整理しました。

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手段得意領域強み課題・弱点
RPAPC画面操作・ファイル処理APIがない業務でも自動化可能システム間連携や拡張性は弱い
ETLデータ抽出・加工・格納データ分析や基幹システム連携に強い業務フロー全体には不向き
個別API開発特定システム間の連携高い柔軟性・自由度開発・保守コストが大きい
iPaaS複数SaaS・システム間連携ノーコードで短期導入・拡張容易製品によって連携範囲が異なる

iPaaSは、RPAやETL、個別API開発に比べると「標準化された仕組みで持続的に運用できる」という点に優位性があります。特にSaaS利用が広がる現場では、ノーコードで素早く連携フローを構築でき、運用負荷を軽減できることが強みです。

代表的な活用ユースケース

iPaaSは、日常的な「システム間のデータ受け渡し」を自動化し、業務効率を大きく改善します。代表的な部門ごとの活用例をまとめると以下の通りです。

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部門ユースケース例効果
人事勤怠データを給与計算ソフトへ連携/入社手続き情報を複数システムに登録手作業の削減、入力漏れ防止
経理請求書情報を会計システムに自動反映/発注データを在庫・会計と連携二重入力防止、支払い漏れ防止
営業・マーケSFA・MAとSlackなどを連携し、顧客情報や商談ステータスを自動更新対応漏れ防止、リード管理の効率化

こうしたユースケースは一部に過ぎませんが、共通するのは「異なるシステム間のデータを正確かつ自動で橋渡しする」という点です。現場担当者の工数削減に直結し、部門横断の情報活用を促進します。

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iPaaS導入の3大メリット

iPaaSを導入することで得られる効果は多岐にわたりますが、特に重要なのは「工数削減」「データの一元化」「拡張性と運用継続性」の3点です。いずれも日常業務の非効率を解消し、DX推進を加速させる要素となります。

工数削減と人的ミス防止

従来、システム間のデータ連携は担当者がCSVを出力・加工し、別のシステムへアップロードするといった作業に依存していました。iPaaSを導入すれば、これらの一連の処理を自動化し、繰り返し発生する作業時間を大幅に削減できます。

また、人手による転記やコピーペーストはミスが避けられませんが、自動化により入力漏れや誤入力といったリスクも低減できます。これにより担当者は単純作業から解放され、付加価値の高い業務に注力できるようになります。

データの一元化と精度向上

システムごとにデータが分断されていると、部門によって数値が異なる、最新版の情報がわからないといった問題が発生します。iPaaSは複数のSaaSや社内システムを自動でつなぐことで、常に最新かつ正しいデータを各部門が共有できる状態を作ります。

これにより、営業が利用する顧客データと経理が利用する請求データを突き合わせる、といった作業も不要になります。情報の整合性が担保されることで、意思決定のスピードと正確性も向上します。

柔軟な拡張性と運用継続性

業務で利用するシステムは年々増加・変化していきます。新しいクラウドサービスを導入するたびに個別開発を行うのでは、コストも保守も膨らんでしまいます。iPaaSはあらかじめ用意されたコネクタやテンプレートを活用できるため、新規ツールを短期間で既存フローに組み込むことが可能です。

また、ノーコードで修正・拡張できるため、属人化を防ぎつつ継続的な運用が行えます。結果として、変化の激しいビジネス環境にも柔軟に対応できる基盤となります。

導入でつまずきやすい課題

iPaaSは便利な仕組みですが、導入すれば必ず成功するわけではありません。要件定義の甘さや例外処理への対応不足、運用体制の不備などが原因で「思ったほど効果が出ない」「現場に負担が残った」といった失敗例も少なくありません。ここでは特につまずきやすい3つのポイントを整理します。

要件定義の粒度不足

iPaaS導入でよくある失敗が、要件定義の曖昧さです。「どのデータを、いつ、誰が、どこに渡すのか」といった流れを具体的に整理しないまま進めると、連携が不安定になったり、現場の期待と結果がずれることにつながります。

PoC(小規模検証)段階で詳細にフローを可視化し、対象範囲や例外条件を明確にすることが成功の鍵となります。

例外処理・エラーハンドリングの設計不足

業務には必ず想定外のケースが発生します。例えばシステムの通信エラーやデータ形式の不一致などがその典型です。

例外処理やエラーハンドリングを設計しないまま本格運用に入ると、現場が都度手作業で対応することになり、かえって負担が増えてしまいます。通知・リトライ・差分処理といった仕組みを事前に組み込むことで、安定した運用を実現できます。

運用体制・権限管理の不備

iPaaSは一度フローを作れば終わりではなく、システム追加や業務ルール変更に応じて調整が必要です。しかし運用体制や権限管理を明確にしていないと、属人化や管理不全が発生します。

誰が設定変更できるのか、監査ログをどう残すのかを初期段階で定めることが重要です。運用ルールを整備することで、トラブル発生時も迅速に対応できる体制を構築できます。

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RPA・iPaaS・IPOの使い分け

業務自動化の手段は複数ありますが、それぞれが得意とする領域は異なります。RPAはPC操作の自動化に、iPaaSはシステム間連携に強みを持ちます。そして、企業全体の業務を横断的に最適化するにはIPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)が有効です。

ここではBizteXが提供するサービスを例に、それぞれの特徴を整理します。

BizteX robop(デスクトップRPA)が向く領域

BizteX robop紹介画像
操作カンタンの国産RPA「BizteX robop」

BizteX robop」は、Excelや業務システムへの入力作業など、APIを持たないレガシー環境やデスクトップ操作の自動化に適しています。人が行うクリックや入力をそのまま代替できるため、既存システムを変えずに業務を効率化できるのが特徴です。

特に「請求書データをシステムへ入力する」「特定の画面からデータを抽出する」といった定型業務で効果を発揮します。

>>BizteX robopのサービスページ

BizteX Connect(iPaaS)が向く領域

BizteX Connect紹介画像
ノーコード国産iPaaS「BizteX Connect」

BizteX Connect」は、複数のSaaSや基幹システム間をAPIで接続し、データ連携をノーコードで構築できるサービスです。

例えば、勤怠データを人事システムから給与システムに自動反映したり、営業ツールの情報をSlackに通知するといったフローを簡単に作成できます。人手による転記作業をなくし、データの一貫性を保つ基盤として活用できます。

>>BizteX Connectのサービスページ

全体最適が要るならIPO(インテリジェント フロー)

インテリジェント フロー紹介画像
外部委託の業務改善サービス「インテリジェント フロー」

部門ごとの自動化だけでは不十分で、業務全体を最適化したい場合に有効なのがIPOです。BizteXの「インテリジェント フロー」では、AIによる業務分析(インテリジェント マイニング)で改善ポイントを特定し、設計から運用・保守までを専門家が代行します。

さらに効果を可視化する「インテリジェント HUB」により、導入後も継続的な改善が可能です。自社にIT人材が不足していても、無料プランから始められるため安心して導入できます。

無料プランで実現できる自動化事例(kintone × Notion × Slack 連携)

kintone×Notion×Slack連携フロー画像
kintone × Connectアプリ一覧

kintoneで新しいレコードが追加されると、その情報をNotionに自動反映し、Slackにも通知するフローをBizteX Connectで構築できます。これにより二重入力や登録漏れを防ぎ、チーム全体にリアルタイムで情報が共有されます。インテリジェント フローなら、このような業務フローを1つ無償で構築・改善できる無料プランから始められるため、導入負担なく効果を体感できます。

▼インテリジェント フローは下記のAI業務分析(無料)で課題と改善案を洗い出すところから始めます。

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iPaaSを選定する際の観点

iPaaSを比較・検討する際には、細かい機能差を見る前に大きな3つの観点を押さえることが重要です。

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観点確認すべき内容ポイント
対応範囲(接続性)自社で使っているSaaSや基幹システムに対応しているか必須条件。特にオンプレや特殊システム対応の有無は要確認
運用しやすさ監視・通知・エラー処理・権限管理の仕組み日常運用の負担を左右するため、現場で扱いやすいかが重要
将来性(拡張性とコスト)条件分岐やデータ変換、従量課金の仕組み業務が増えてもスケールできるか、コストが膨らまないかを確認

選定時には「いま接続できるか」だけでなく、「運用を続けられるか」「将来も安心して拡張できるか」という視点が欠かせません。ここを押さえることで、導入後の失敗を防ぎやすくなります。

導入ステップ(スモールスタート)

iPaaSは一度に全社展開するよりも、まずは小規模に試す「スモールスタート」が成功の鍵です。現状の業務を整理し、効果が出やすい部分から導入することで、リスクを抑えながら成果を実感できます。

以下の3ステップを押さえるとスムーズに進められます。

業務フローの可視化

まずは現状の業務フローを洗い出し、どこでデータの分断や手作業が発生しているかを明確にします。

勤怠データの転記や請求書処理など「繰り返し発生し、かつ担当者の負担が大きい業務」を優先候補にすると効果が出やすくなります。可視化の段階で関係部門を巻き込むことが、後の合意形成や運用定着にもつながります。

PoC(小規模検証)でROIを確認

いきなり大規模に展開せず、1つの業務フローを対象にPoC(概念実証)を行います。実際にiPaaSを使ってフローを構築し、工数削減効果やエラー削減効果を定量的に確認することで、ROIを把握できます。

この段階で想定外の例外処理が洗い出されることも多く、本格導入前に課題を潰せる点もメリットです。

標準化ルールの整備(命名規則・権限・監視)

PoCで効果が確認できたら、本格運用に向けてフローの標準化ルールを整備します。具体的には「命名規則を統一する」「権限や承認フローを明確にする」「監視・通知の仕組みを設定する」といったルールです。

これにより属人化を防ぎ、トラブル時にも迅速に対応できる体制を作ることができます。

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iPaaSでよくある質問(FAQ)

iPaaSの正しい読み方は?

「アイパース」と読みます。誤って「アイパス」や「ipass」と表記されることがありますが正しくは iPaaS です。

セキュリティは問題ないの?

各製品は通信暗号化や認証機能を備えており、外部からの不正アクセスやデータ漏洩を防ぐ仕組みが整っています。導入時はログ管理やアクセス権限設定を確認することが大切です。

既存の基幹システムやオンプレ環境とも連携できる?

多くのiPaaSはクラウドサービスに強みがありますが、オンプレやレガシー環境もコネクタやRPAとの組み合わせで対応可能です。BizteX Connectは国産製品のため国内システムとの親和性も高いです。

RPAとどう使い分ければいい?

RPAはPC操作の自動化、iPaaSはシステム間のデータ連携に強みがあります。CSV転記や画面操作が残る部分はBizteX robop(RPA)、SaaS同士の連携はBizteX Connect(iPaaS)と併用するのが効果的です。

コストを抑えて試す方法はある?

BizteX Connectは1週間の無料トライアルで機能を体験できます。

一方、インテリジェント フローはBizteX Connectを用いた1業務フローの構築・改善をプロが代行し、ずっと無料で利用できるプランを提供しています。現場の運用負担なく、自動化効果を継続的に確かめながら導入を検討できます。

まとめ|iPaaSを理解し、自社に合ったDX推進を

iPaaSは、クラウドサービスや社内システムをシームレスに連携させ、手作業の削減とデータ精度向上を実現する重要な基盤です。導入メリットは大きい一方で、要件定義や運用設計を誤ると十分な効果が得られない場合もあります。そのため、現場に合わせた正しい使い分けが不可欠です。

PC操作の自動化にはBizteX robop、システム間連携にはBizteX Connectが有効です。さらに「運用を任せたい」「業務全体を最適化したい」場合は、インテリジェント フローを活用することで、プロによる構築・改善を無料から始められます。自社のリソースや課題に応じた選択を行い、着実にDXを前進させていきましょう。

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この記事を書いた人

DX hacker編集部 瀧澤のアバター DX hacker編集部 瀧澤 マーケティング部オウンドメディア担当

DX hacker編集部の瀧澤が不定期で更新します。
業務自動化・DX推進に役立つ最新情報を、30,000件以上の支援実績をもとにわかりやすく発信中。
「インテリジェント フロー」や「BizteX robop」「BizteX Connect」などの業務最適化サービスも紹介しています。

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