RPAを前提にしたシステム構築をおこない経営との融合を意識する
SBペイメントサービス株式会社
代表取締役副社長兼COO兼CISO
堀田智宣(ほった・とものり)氏
【プロフィール】
1971年、京都府生まれ。大学卒業後、NTTグループのソフトウエア開発会社に入社。
営業SEとして幅広い業種の顧客企業の業務効率化を提案/構築する業務に従事するが、事業会社のシステム部門で働くことに興味を持ち、2004年ソフトバンク株式会社に入社。
グループの情報システム構築や法人事業の経営企画室で大きなプロジェクトを手掛けた後、2013年に現在の会社に異動、2015年より現職。
インターネット決済は今や社会インフラ。このビジネスのキモは“信用”に尽きる
―――まずはSBペイメントサービスの事業内容、今後の目標についてお聞かせください。
弊社は創立15年の会社です。最初の5年はソフトバンクグループ内の決済領域を束ねてグループのコストリダクションに寄与するのが主なビジネスでしたが、そのアセットを活用してグループ外の企業向けにもサービスを提供し、現在ではグループ外の売り上げの伸び率は毎年25-30%。さらなる成長をめざしています。
当社が取り引きしている事業者数は約9万。現在の売上は約2.5兆円になりました。今後は増え続ける海外からのインバウンド決済をどう取り込むか、特に中国からの旅行客が自国で使っている決済を日本で使えるようにすることが重要な戦略だと思っています。
―――グループ外の売り上げ伸び率はすごいですね。御社の「強み」と「選ばれる理由」はどこにあると思われますか?
当社の強みはインターネットビジネス向けの決済サービスに特化し、デジタルコンテンツに強いことだと思います。インターネットで決済することが当たり前の現在、これまでの実績が信用となり、数あるサービスの中から選んでいただいている理由ではないでしょうか。
通信事業を手掛ける親会社・ソフトバンクのグループであることも信用力となっています。また、同業他社のなかでも、カード会社としての立場を保有し、決済を一気通貫で提供可能としているのも当社だけです。そんな利便性も「強み」となっていると思います。
経営目標の達成のカギは、最適なITシステムの構築
―――今後も大きな成長を計画されていますが、経営目標達成のための現在の課題は何でしょうか?
業界全体の課題とも言えるのですが、日本では電子決済の普及が遅れています。日本国内の個人消費300兆円のうち、現金決済が約70%を占めています。日本人はカードなど電子決済の手段を保有しているのに圧倒的に現金で払っているわけです。しかし、2020年の東京オリンピックを控え、インバウンドの増加などの環境の変化もあり、国内利用も電子決済へのシフトに拍車がかかるはずです。
国内においてもインターネットでは電子決済をほとんどの人が利用しているわけです。このネットでの利便性をリアルと融合するのが一つの鍵だと思っています。例えばタクシー料金の支払いを乗車中にQRコードでカードと紐づけ、降車時はレシート受け取りのみで時間を取らせない。そんな利便性の高いサービスもすでに始まっています。
―――課題解決、目標達成のために取り組んでいること、例えば組織体制などの強化はどのようにお考えですか?
目標達成に必要な組織体制として、システム側だけでなく業務部門側にもある程度情報システム知識のある人材を育成・配置し、効率のよい要件を上げられるチームを作りたいと考えています。そのような組織横断の専任チーム発足のための準備をしています。
システム間の「つなぎ」としてRPAを導入。作業時間削減だけでなく、現場の意識改革が経営的にプラス
―――クラウドRPAのBizteX cobitを導入いただいた経緯をお聞かせください。
どこの会社も共通の課題だと思うのですが、ビジネスの成長に伴い、提供するサービスの量や内容などが多様化すると、当初のITシステムでは対応ができなくなります。結果、機能を後付けすることになりシステムや業務の「つぎはぎ」が多くなります。そこで、業務改革を行う中でどうRPAを使いこなすか考えることになりました。
―――BizteX cobit導入にはそのような背景があったのですね。現在は具体的にどんな業務で活用していますか?
現在は財務経理部で外部データとの連携業務に利用しています。事業の性格上、財務経理の作業量は大変多くなります。
――RPA導入後の具体的な効果は?
RPA導入により月にして約100時間の削減を見込んでいます。またシステム同士の連携、いわゆる「つぎはぎ」をつなぐという意味だけでなく、導入や運用についてシステム部の社員ではなく、業務に携わっている現場の社員で実施可能な点です。とくに BizteX cobit はシステム知識としての敷居が低く、業務担当者自身が利用しやすい製品だと思います。これにより、自分たちの業務を改善させるという意識が芽生えやすいという効果があったと思います。
こうした従業員の意識改革は経営者にとっての大きな課題の一つでもあります。本来の業務効率化での目的はもちろんのこと、自らが改善していくマインドを育てるという側面を持つ、一石二鳥のサービスだと思っています。
〈インタビューを終えて〉
90年代の通信事業の規制緩和に始まり、インターネットの登場・隆盛など、今日に至るまで激変するITテクノロジーの波を常に最前線で走り続けてきた堀田さん。その広い視野と、豊富な経験に基づいた考察は、テクノロジーベンチャー企業の経営者である自分にとって、本当に学ぶことばかりでした。
経営者として多忙な毎日を送りながらも、息抜きはゴルフではなく数台所有するバイクや機械いじり、と根っからの理系趣味を楽しむ一面も。お忙しい中、インタビューにご協力いただきありがとうございました!
〈会社概要〉
社名 | SBペイメントサービス株式会社 SB Payment Service Corp. |
事業内容 |
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所在地 | 東京都港区東新橋1丁目9番2号 汐留住友ビル25階 |
代表者 | 代表取締役社長 兼 CEO 榛葉 淳氏 |
資本金 |
6,075,000,000円(資本準備金 6,075,000,000円) ソフトバンク株式会社 100%出資 |
設立 |
2004年10月1日 |
URL | https://www.sbpayment.co.jp/ |
※2018年8月10日現在
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