Excelは多くの企業で利用される業務効率化の定番ツールですが、「マクロ」と「VBA」の違いを正しく理解できていない方も少なくありません。両者はどちらも自動化に役立つ機能ですが、適した用途や限界は異なります。
さらに近年はExcel Onlineやクラウドサービスの活用が進み、マクロやVBAだけでは対応できない場面も増えてきました。
本記事では、マクロとVBAの基本から、RPAやiPaaSといった自動化ツールの活用、そしてBizteXが提供する最新の自動化サービスと実際の事例までをわかりやすく解説します。
- ExcelマクロとVBAの基本的な違い
- マクロ/VBAで対応できない領域とその解決策
- 自動化ツール(RPA・iPaaS・IPOサービス)の特徴
- BizteXのサービス紹介(robop・Connect・インテリジェント フロー)
ExcelマクロとVBAの違いをわかりやすく解説
Excelを効率的に活用するうえで、多くの人が気になるのが「マクロ」と「VBA」の違いです。両者はどちらも作業を自動化できる機能ですが、仕組みや活用できる範囲は大きく異なります。マクロはExcel上の操作を記録して繰り返す機能で、プログラミング知識がなくても扱いやすいのが特徴です。
一方、VBA(Visual Basic for Applications)はExcelを制御するプログラミング言語であり、条件分岐やループ処理など、より複雑で高度な制御が可能です。ここではそれぞれの特徴を整理し、比較しながら理解を深めていきましょう。
マクロの特徴
マクロはExcelの「操作記録機能」として使えるシンプルな自動化手段です。ユーザーが実際におこなったセル操作や数式入力、コピー&ペーストなどの手順をそのまま記録し、ワンクリックで繰り返せます。特に日次や週次で同じ作業を繰り返す場合に有効で、プログラミングの知識が不要なため、初心者でも導入しやすい点がメリットです。
ただし、処理の範囲はExcel内に限定されるため、複雑な条件分岐や外部システムとの連携には不向きです。
VBAの特徴
VBA(Visual Basic for Applications)は、Excelに組み込まれているプログラミング言語で、マクロよりも高度な処理を実現できます。たとえば「条件に応じて異なる処理を実行する」「特定の条件を満たすまで繰り返す」といった柔軟な制御が可能です。
また、ユーザーフォームを作成して入力画面を設けるなど、Excelの機能を拡張する用途にも活用されます。一方で、コードを書く必要があるため学習コストが高く、誰でもすぐに扱えるわけではない点が課題です。
マクロとVBAの比較表(難易度・用途・得意分野)
マクロとVBAは「簡単さ」と「自由度」で大きな違いがあります。マクロはシンプルで初心者向け、VBAは複雑な処理に対応できる代わりに習得が必要です。以下のように整理できます。
項目 | マクロ | VBA |
---|---|---|
習得難易度 | 低い(操作記録のみ) | 高い(コードを書く必要あり) |
自動化範囲 | Excel内の操作に限定 | Excel内外の高度制御が可能 |
得意分野 | 繰り返し作業の簡易自動化 | 条件分岐やループを伴う複雑処理 |
メリット | プログラミング不要、誰でも使いやすい | 柔軟性が高く、自由度のある制御が可能 |
デメリット | 複雑処理や外部連携に弱い | 学習コストが高い、属人化しやすい |
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そもそもExcelのマクロとは?
マクロとは、Excelに標準搭載されている「操作記録機能」です。ユーザーがセルの入力やコピー、書式設定などを行った一連の操作を記録し、後から再生することで同じ処理を自動的に実行できます。プログラミングの知識が不要で、繰り返し作業を効率化できるため、初心者にも導入しやすいのが特徴です。
特に毎日の定型業務や、同じ手順を繰り返す業務において大きな効果を発揮します。ここでは、マクロの代表的な活用シーンを整理します。
データ整理の効率化
Excelで大量のデータを扱う際、並べ替えやフィルタリング、特定の形式への変換などは繰り返し発生します。マクロを使えば、これらの処理を一度記録しておくだけでボタン一つで再実行でき、作業時間を大幅に削減できます。
たとえば売上データを日別に整理したり、特定の条件に合うデータだけを抽出する作業を自動化できるため、手作業によるミス防止にもつながります。
レポート作成の自動化
定期的な業務レポートの作成は、多くの企業で負担となっています。マクロを使えば、指定したセル範囲からデータをコピーしてレポートシートに貼り付ける、グラフを作成する、特定のフォーマットに整えるといった作業を一括で自動化できます。
これにより、報告書や会議資料の作成にかかる時間を削減し、担当者はより分析や提案といった付加価値の高い業務に集中できます。
書式設定やグラフの自動化
Excelではセルの色付けやフォント調整、グラフ作成といった見栄えを整える作業も多く発生します。マクロを活用すれば、これらの書式設定やグラフの作成手順をまとめて記録し、簡単に再現できます。
たとえば毎月の売上データを同じレイアウトでグラフ化する場合、マクロを利用すれば一瞬で同じデザインを適用でき、資料作成の統一感と効率性が向上します。
そもそもVBAとは?
VBA(Visual Basic for Applications)は、Excelに組み込まれているプログラミング言語です。マクロが操作を記録して繰り返す仕組みであるのに対し、VBAでは自分でコードを書いてExcelの動きを制御します。
条件分岐や繰り返し処理を使った高度な自動化、ユーザーインターフェースの追加など、Excelをより柔軟かつ強力にカスタマイズできる点が特徴です。業務の複雑さに応じて、単純なマクロでは対応できない処理を補完する役割を果たします。
マクロとの関係性(VBAでマクロを拡張可能)
Excelのマクロは、実際にはVBAのコードとして記録されています。そのため、マクロで生成されたコードを編集することで、さらに高度な処理を追加することができます。
例えば、マクロで記録した単純なコピー&ペースト処理に条件分岐を加えることで、「ある条件を満たすときだけ実行する」といった柔軟な自動化を実現できます。
条件分岐・繰り返し処理による効率化
VBAの大きな強みは、If文やFor文といったプログラミングの基本構文を利用できることです。これにより、Excelの操作を単純に繰り返すだけでなく、「条件に応じて処理を分ける」「データがなくなるまで繰り返す」といった動きを組み込めます。
たとえば、特定の数値以上のデータだけを集計するなど、業務に応じた柔軟なルールを適用可能です。
ユーザーフォームで操作性を拡張
VBAを使うと、Excel上に独自の入力画面(ユーザーフォーム)を作成できます。これにより、複雑な処理をユーザーがボタン操作やフォーム入力で実行できるようになり、非エンジニアでも扱いやすい環境を整えられます。
たとえば顧客情報を入力する画面を作り、入力内容を自動的にExcelシートへ登録するといった仕組みを作成でき、現場担当者の作業負担を大幅に減らすことが可能です。
マクロやVBAではできない領域と自動化ツールの活用
ExcelのマクロやVBAは便利な機能ですが、あくまで「Excelの中」での処理に強みを持つ仕組みです。そのため、Excel Onlineのようなクラウド環境や、kintone・Salesforce・Slackといった外部システムとの連携には制約があります。
また、複雑な処理を記述するほど属人化やメンテナンスコストの増大といったリスクも避けられません。こうした課題を補うのがRPAやiPaaSといった自動化ツールです。ここでは、それぞれの特徴を整理して解説します。
RPAでできること(Excel操作の代替・システム間連携)
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、人がPCで行っている操作をソフトウェアロボットに代行させる仕組みです。マクロやVBAでは対応できない「アプリケーション間の操作」や「ブラウザでの処理」も自動化できる点が強みです。
たとえば、Excelに入力されたデータをWebシステムに転記する、メール添付ファイルを自動でダウンロードして集計するといった作業を効率化できます。
iPaaSでできること(Excel OnlineとクラウドSaaSをAPI連携)
iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウドサービス同士をAPIでつなぎ、自動化フローを構築するための基盤です。Excel OnlineのデータをSharePointに保存したり、kintoneに登録した情報をSlackで通知したりといった「クラウド間の連携」をノーコードで実現できます。
マクロやVBAでは触れない領域をカバーできるため、近年はExcel Onlineユーザーを中心に活用が進んでいます。
自動化ツールを導入すべき判断基準
マクロやVBAが得意なのは「Excel内の作業の効率化」です。
一方、RPAは「Excelを含むデスクトップ操作全般」、iPaaSは「クラウド環境でのシステム連携」に強みを持ちます。もし現場の課題がExcel単体で完結するならマクロやVBAで十分ですが、複数システムをまたいだり、クラウド利用が前提になったりする場合はRPAやiPaaSを組み合わせるのが現実的です。
選定時には、業務の範囲・頻度・担当者のスキルレベルを踏まえて判断することが重要です。
BizteXの自動化サービス紹介
ExcelのマクロやVBAは有効な自動化手段ですが、クラウド環境や他システムとの連携を含む業務効率化には限界があります。そこで注目されるのが、自動化領域ごとに特化したBizteXのサービス群です。
BizteXでは、PC操作を代行するデスクトップ型RPA「BizteX robop」、クラウド間をノーコードでつなぐiPaaS「BizteX Connect」、そして業務全体を分析から設計・運用まで担う「インテリジェント フロー」という3つのサービスを提供しています。ここでは、それぞれの特徴を整理して紹介します。
BizteX robop(デスクトップRPA)

「BizteX robop」は、現場担当者が自分で扱えるように設計されたデスクトップ型RPAです。Excelのマクロ代替として活用できるだけでなく、ブラウザやメール、基幹システムなどPC上での幅広い操作を自動化できます。ドラッグ&ドロップ中心の直感的なUIで、プログラミング知識がなくても短期間で習得可能。
既存のExcel業務をより安定的に運用したい場合に有効な選択肢です。導入前には2週間の無料トライアルが用意されており、実際の操作感を確かめながら検討できます。
BizteX Connect(ノーコードiPaaS)

「BizteX Connect」は、Excel Onlineをはじめとしたクラウドサービス同士をノーコードで連携できるiPaaSです。kintone、Salesforce、Slack、SharePointなど多彩なSaaSとAPI接続でき、データ登録や通知を自動化します。
従来マクロやVBAでは制御できなかったクラウド環境に対応できるのが最大の特長で、Excel Online利用者や複数システムを併用する組織に適しています。まずは1週間の無料トライアルを利用でき、短期間で効果を実感しやすい仕組みが整っています。
インテリジェント フロー(業務全体最適化サービス)

「インテリジェント フロー」は、BizteXが提供する業務改善ソリューションをサービス化したもので、単なるツール導入ではなく業務プロセス全体を代行します。AIによる業務分析(インテリジェント マイニング)、プロセス設計・運用の担い手となる専任チーム、導入後の効果測定と改善提案(インテリジェント HUB)までを一貫して提供。
現場に操作や学習コストをかける必要がなく、課題を伝えるだけで業務最適化を継続的に実現できるのが特長です。さらに、無料プランでは1フローを無料で構築・運用依頼できるため、小規模な範囲から安心して始められます。
※DX Suiteや有料プランのChatGPT、RPAとの連携は有料プラン(月額5万円~)での契約が必要となります。
▼より詳しく知りたい方は下記記事をチェック
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Excel業務自動化の具体例
実際にどのようにExcel業務を自動化できるのか、イメージしづらいという方も多いかもしれません。ここでは、BizteXのサービスを活用した具体的な事例を3つ紹介します。
クラウドサービスとExcel Onlineを組み合わせたAPI連携の例や、従来マクロで処理していた集計作業をRPAに切り替えた事例、さらにはマクロとRPAを併用して業務全体を効率化した事例などです。実際の効果を知ることで、自社での活用イメージを描きやすくなるでしょう。
kintoneから取得したデータをExcel Onlineに貼り付け、Slackで通知

クラウドサービス同士をつなぐiPaaS「BizteX Connect」を使えば、Excel Onlineと他システムを簡単に連携できます。例えば、kintoneに登録された顧客データを自動で取得し、Excel Onlineに貼り付けると同時にTeamsやSlackへ通知を送信する、といった仕組みをノーコードで構築可能です。
これにより担当者は通知を確認するだけで最新情報を共有でき、手作業による転記ミスや更新漏れを防止できます。さらにBizteX Connectは1週間の無料トライアルがあるため、短期間で効果を実感しやすい点も魅力です。
POSデータ集計やレポート作成の自動化

株式会社日本能率協会マネジメントセンター様では、全国の取扱店から集まるPOSデータをExcelマクロで集計していました。しかしマクロはエラーが発生しやすく、修正や監視に多くの時間を費やしていたのが課題でした。そこで導入されたのが「BizteX robop」です。
RPAによる自動化に切り替えた結果、毎日30分かかっていた作業は完全に自動化され、担当者は確認するだけに。さらに月1回7時間かかっていた処理も約3時間に短縮されました。BizteX robopは2週間の無料トライアルで操作感を試せるため、導入前に自社業務への適合性を確認できます。
>>導入事例を詳しく見る(株式会社日本能率協会マネジメントセンター様)
繰り返し行われるデータの変換や送信作業を自動化

木村屋總本店様では、売上データや発注関連の情報をExcelで加工し、取引先や社内システムへ送信する作業が日常的に発生していました。これらは従来、Excelマクロと人の手作業で対応していましたが、工数が膨大で残業の原因にもなっていたのです。
そこで「BizteX robop」を導入し、マクロとRPAを組み合わせて処理を効率化。繰り返し行われるデータ変換や送信をロボットに任せることで、バックオフィス全体の負担を大幅に軽減しました。結果として残業時間の削減や業務標準化が進み、業務品質も向上しています。
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FAQ|Excel自動化でよくある質問
- Excel OnlineでもマクロやVBAは使えますか?
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一部の機能は利用できますが、デスクトップ版に比べると制約が大きく、完全に同じようには動作しません。外部サービスとの連携には、BizteX ConnectのようなiPaaSを使うのが現実的です。
- マクロやVBAは将来的に廃止されるのでしょうか?
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現時点で完全廃止の予定はありませんが、MicrosoftはPower AutomateやクラウドAPI連携を推進しています。長期的にはクラウド対応を見据えて、RPAやiPaaSを併用するのが望ましいでしょう。
- 自社でメンテナンスできない場合はどうすればよいですか?
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マクロやVBAは属人化しやすいため、運用できる人材がいないとメンテが困難です。その場合は、現場で扱いやすい「BizteX robop」や、業務全体を代行できる「インテリジェント フロー」を選択すると安心です。
- 無料で試せる方法はありますか?
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クラウドサービスだけでなく、オンプレやレガシーシステムとの接続も可能です。
はい。BizteX robopは2週間の無料トライアル、BizteX Connectは1週間の無料トライアルが可能です。さらにインテリジェント フローでは、無料プランで1フローを無償で構築・運用依頼できます。
\業務プロセス全体を柔軟かつ継続的に最適化/
※無料プランから始められる、現場に優しい自動化サービス
まとめ|Excel自動化の選択肢を整理
ExcelマクロとVBAは、日常的な業務の効率化に大きく役立ちます。しかし、クラウド利用や外部システム連携が求められる現場では、それだけでは限界があります。
そこで活躍するのが、自動化ツールやサービスです。デスクトップ業務を効率化する「BizteX robop」、クラウド間をAPIでつなぐ「BizteX Connect」、そして業務全体をAI分析から運用改善まで代行できる「インテリジェント フロー」。これらを組み合わせることで、自社に最適な自動化を段階的に実現できます。
まずは無料トライアルや無料プランを活用し、小さな一歩から始めることが成功の近道です。
▼「インテリジェント フロー」に関するご相談は、下記フォームからお気軽にお問い合わせください。