iPaaSとIPOの違いとは?「この連携、誰がつくるの?」からの脱却法

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iPaaS(Integration Platform as a Service)は、クラウドサービス間のデータ連携を自動化する手段として多くの企業に活用されています。しかし実際の導入現場では、「ツールの操作が難しい」「社内に運用できる人材がいない」「期待した効果が得られない」といった課題も少なくありません。

こうした課題を解決する新たな選択肢として、BizteXが提唱するのがIPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)です。 この記事では、iPaaSとIPOの違いをわかりやすく比較しながら、それぞれの特性と導入メリット、そして企業にとってどちらが最適なのかを明らかにしていきます。

目次

iPaaSとIPOの違いとは?まずは基本を整理

企業の業務効率化やシステム連携を検討する際、代表的な手段として挙げられるのが「iPaaS(Integration Platform as a Service)」です。iPaaSは、クラウドサービスやアプリケーション同士のデータ連携を自動化するための統合基盤として、多くの企業で導入が進んでいます。

一方、BizteXが提唱する「IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)」は、業務プロセス全体の最適化と持続的な改善を実現する新しい業務改善ソリューションです。

どちらも業務効率化を目的としていますが、その導入アプローチや運用体制には明確な違いがあります。まずは、それぞれの基本的な特徴を整理していきましょう。

iPaaSとは?ツール主導型のシステム連携手法

iPaaS(Integration Platform as a Service)は、主にクラウドサービスやSaaSアプリケーション間のAPI連携をノーコードまたはローコードで実現できる、統合型の連携プラットフォームです。IT部門や業務部門が中心となり、GUIベースで連携フローを構築できるため、スモールスタートに適しています。

一部のiPaaSでは、エージェントの設置などによりオンプレミス環境との連携も可能ですが、全てのサービスが対応しているわけではないため、導入前の検証が重要です。

また、連携シナリオの設計や保守・管理は自社内で行う必要があり、システム連携のノウハウを持つ人材がいない場合、運用の属人化やブラックボックス化といった課題につながる可能性もあります。

IPOとは?外部委託型のプロセス最適化ソリューション

IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)は、業務プロセス全体の可視化から最適化・自動化までを一貫して支援する、外部委託型の業務改善ソリューションです。RPAやAI、iPaaSなど、複数のテクノロジーを適切に組み合わせながら、業務改善に精通したプロフェッショナルが導入・運用・改善を担います。

導入企業側は、ツールの操作や設定を自社で行う必要がないため、「スキルを持った人材がいない」「IT部門の負荷が高い」といった理由で自動化を見送っていた企業でも、現場負担を最小限に抑えつつ、業務統合と継続的な改善が可能です。

iPaaSとIPOについて下記記事でも詳しく解説しています。
iPaaSとは?SaaS連携をノーコードで実現する統合型プラットフォーム
IPOとは?業務プロセスを柔軟に最適化する新しい業務改善ソリューション

iPaaSとIPOを比較|本質的な2つの違いに注目

iPaaSとIPOはいずれも、企業の業務自動化を実現するためのソリューションです。しかし、その提供形態や運用スタイルには根本的な違いがあり、導入後の成果や社内への定着にも大きな差が生じます。

スクロールできます
項目iPaaSIPO
サービスの提供形態ツールを提供し、構築・運用は社内で実施ベンダーが業務全体の構築・運用を代行
自動化できる範囲API連携可能なクラウドサービス間の連携自動化業務プロセス全体を対象に、設計から最適化まで対応
現場の負担高い(構築・操作・保守を現場が担当)少ない(設計〜保守までベンダーが代行)
必要なスキルツールの操作や設計を行うITスキルが必要現場にスキル不要

特に注目すべきは、以下の2つの視点です。

  1. 連携の目的と自動化範囲(業務のどこまでを自動化できるか)
  2. 構築・運用の実行主体(誰が手を動かすのか)

この2点を理解することで、自社にとって適切な手法がどちらかが見えてきます。以下で、それぞれの違いを詳しく解説します。

違い1|連携の目的と自動化範囲

iPaaSは、API連携に対応したクラウドサービス間でのデータの受け渡しや処理を自動化するためのツールです。システム間のデータ連携を効率化するという明確な目的に特化しており、業務の一部を最適化することに強みがあります。

ただし、オンプレミス環境との連携には制約があり、iPaaS単体では対応できないケースも多いため、RPAなど他のツールとの併用が必要になります。

一方のIPOは、単なるツール連携ではなく、企業全体の業務プロセスそのものを対象に、設計・最適化・自動化までを一貫して行うソリューションです。iPaaSやRPA、AIなど複数の技術を組み合わせるとともに、業務改善の専門家が介在し、例外処理や属人化した作業、部門をまたぐ複雑なプロセスにも柔軟に対応できます

その結果、IPOは「ツールで解決しきれない」業務課題にも対応し、継続的な改善を通じて、広範囲かつ実効性のある業務最適化を実現します。

違い2|誰が構築・運用を担うのか(実行主体)

iPaaSは、ツールを提供する形態であり、構築や運用は基本的に自社内で対応する必要があります。ノーコードやローコードといった操作性の高さは魅力ですが、実際の運用ではより高度な設計が求められる場面も多く存在します。

特に、複数のアプリケーションを連携させる中で条件分岐やデータ変換といった処理が必要になる場合、Excel Onlineやスプレッドシートとの連携を組み合わせてシナリオを構成するケースが少なくありません。これらのツールを活用するには関数の理解や分岐制御の知識が求められ、現場担当者にとってはハードルが高くなることがあります。

また、Excelやスプレッドシートを連携対象としていない場合でも、iPaaS上で求める複雑な処理を実現するために、それらを「処理ステップの一部」として活用しなければならない場面もあり、結果的に設計の複雑さと運用負荷が増す傾向があります。

一方でIPOは、業務改善に特化したプロフェッショナルが導入から運用・改善までを一貫して担います。現場がツールを操作したり、複雑なシナリオを構築したりする必要はなく、ITスキルに関わらず導入可能です。企業の業務課題に合わせてベンダー側がプロセス全体を設計・最適化するため、導入後もスムーズに効果を実感でき、継続的な業務改善につなげることができます。

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なぜ今、iPaaSではなくIPOが必要なのか?

iPaaSは、クラウドサービス同士のデータ連携を効率化する手段として注目され、導入を進める企業も増加傾向にあります。しかしその一方で、「思うように現場に定着しない」「期待した効果が得られない」といった課題を抱えるケースも少なくありません。

BizteXが2024年に実施した「SaaSのデータ連携に関する実態調査」では、iPaaSの導入を検討しなかった理由として、最も多かったのが「スキルを持った人材がいない(39.0%)」という回答でした。 次いで「コストがかかる(28.0%)」「上層部の理解が得られない(20.7%)」といった、技術的な対応力の不足や社内体制の未整備が、導入の障壁となっていることが明らかになっています。

iPaaS導入を検討しない理由グラフ画像
引用:「SaaSのデータ連携に関する実態調査

こうした背景を踏まえ、BizteXでは業務自動化の新たな選択肢として、「インテリジェント・プロセス・オーケストレーション(IPO)」を提唱しています。IPOは、単なるツール提供にとどまらず、業務プロセス全体の設計・導入・保守・改善までを、専任のプロフェッショナルが一貫して担う外部委託型のソリューションです。

また、iPaaSやRPA、AIといった既存の技術に加え、業務改善の知見をもつ専門チームの支援を組み合わせることで、属人化しやすい業務や例外処理を含む複雑なプロセスにも柔軟に対応可能。

現場にツールの習得を求めることなく、業務プロセス全体を最適化できるため、スキル不足やリソース不足が課題となっている企業でもスムーズに導入しやすいのが特徴です。

操作が簡単なiPaaSでは解決しないのか?

近年のiPaaSは、初めてでも扱いやすいUI設計が進んでおり、ノーコード/ローコードで操作できるツールも増えています。

BizteXが提供する「BizteX Connect」もその一つで、オンプレミス環境との連携(※RPAとの併用が前提)にも対応しており、実際に工数削減や業務効率化を実現した導入事例も多数あります。

ただし、ツールの操作性が高いこと=課題解決できることとは限りません。業務プロセスを本質的に改善するには、クラウド間のAPI連携だけでなく、オンプレミス環境や手動作業、RPAとの連携も必要になるケースが多くあります。

実際、BizteXの調査レポート「SaaSのデータ連携に関する実態調査」でも、iPaaSに求められる条件として最も多かったのは「API連携だけでなく、ワークフロー上での手動作業やRPAとも連携できること(49.7%)」、次いで「プログラミングの知識がなくても操作できること(48.4%)」でした。

iPaaS導入で重要視していることグラフ画像

RPAと連携可能なiPaaSも存在しますが、その場合、RPAの操作や設定まで現場が担う必要があり、「スキルを持った人材がいない」という根本的な課題は解消されません。実際、RPA導入時の障壁としても「ツール操作の難しさ」は多くの企業で課題視されています。

このように、単に「簡単に使えるツール」では対応しきれない業務課題に対しては、いかに現場負担をかけずに、業務全体を設計し最適化するかが鍵となります。

そこでBizteXでは、RPA・iPaaS・AIといった複数の技術を組み合わせつつ、専任のプロフェッショナルが導入から運用・改善までを一貫して担う外部委託型ソリューションとして、 「IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)」を提唱しています。

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BizteXが提供するIPO「インテリジェント フロー」とは?

インテリジェント フロー提供イメージ画像
インテリジェント フローの提供イメージ

インテリジェント フロー」は、BizteXが提供するIPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)サービスであり、iPaaS単体では実現が難しい部門横断の業務プロセス全体の最適化と自動化を支援する外部委託型のサービスです。

従来のiPaaSでは、ツール操作やAPI連携の設計・保守を社内で担う必要がありましたが、インテリジェント フローでは、業務改善に精通したプロフェッショナルが設計から運用・改善までを一貫して代行。現場に操作負担をかけずに、データ連携・RPA活用・AI分析を組み合わせた、より高度な業務プロセス最適化を実現します。

導入される自動化フローは、あらかじめテンプレート化されており、AIを活用した「インテリジェント マイニング」により、企業の業務内容に応じた最適なテンプレートと想定される費用対効果が自動で提示されます。

テンプレートは業務の特性に応じて柔軟にカスタマイズ可能であり、導入後も「インテリジェント HUB」を通じて効果測定と改善提案が継続的に行われるため、短期間での導入と持続的な業務最適化の両立が可能です。

インテリジェント フローの主な特長
  • 豊富なテンプレートで、現場に負荷をかけずスピーディに導入

自社でのツール操作や構築作業は不要。 SaaSやクラウドサービス同士のAPI連携やRPA対応のテンプレートを活用することで、短期間での自動化と業務連携を実現します。

  • 業務プロセスを可視化し、課題発見から最適化まで一貫支援

AIによる業務分析でボトルネックを特定し、改善案までを自動提案。iPaaSでは難しいプロセス全体の可視化と継続的な最適化を支援します。

  • 30,000件以上の自動化実績をもつプロフェッショナルが対応

専門チームがテンプレート選定から導入、運用・改善までを担い、高品質かつ柔軟な業務改善を支援します。

インテリジェント フローの導入ステップ

インテリジェント フローでは、下記のステップで業務プロセス全体の最適化と自動化を支援します。

STEP
STEP 1|業務課題の可視化(インテリジェント マイニング)

AIによって、業務構造やボトルネックを可視化し、課題とKPIを整理します。

STEP
STEP 2|効果測定とテンプレート提案

抽出された課題に対し、最適な自動化テンプレートと費用対効果などの効果予測を提示します。

STEP
STEP 3|ソリューション設計

業務データをもとに、AIやRPAなどのツールを組み合わせた、部門横断で動く最適な業務プロセスを設計します。

STEP
STEP 4|導入・実装

テンプレートのカスタマイズを行いながら実装を進行。運用開始後も継続的に改善を行い、成果の最大化を図ります。

STEP
STEP 5|成果可視化と次の改善提案

AIによって自動化の成果を可視化し、次の改善アクションを提案。継続的なプロセス改善を行います。

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iPaaSとIPOの違いに関するよくある質問

iPaaSとIPOの一番の違いは何ですか?

自動化の「範囲」と「実行主体」が決定的に異なります。

iPaaSはクラウドサービス間のAPI連携に特化したツールであり、構築・運用は基本的に社内のIT担当者が担います。一方でIPOは、業務プロセス全体を対象とし、ツール選定から設計・運用・改善までをプロフェッショナルが一括して代行する外部委託型の業務改善ソリューションです。

そのため、社内にスキルがなくても高度な業務最適化を実現できるのがIPOの大きな特長です。

操作が簡単なiPaaSがあれば、IPOは不要では?

操作性が高くても、プロセス最適化には限界があります

調査結果からも明らかなように、多くの企業が「プログラミング不要」「操作しやすい」iPaaSを求めていますが、それだけでは手動作業やオンプレミス連携、複雑なワークフローへの対応が難しい場面もあります。

IPOは、複数のテクノロジーを組み合わせながら、業務全体を俯瞰して設計・改善できるため、ツール単体ではカバーしきれない業務にも対応可能です。

IPOはどのような企業に向いていますか?

社内にIT人材が少ない企業や、複雑な業務を抱える企業に適しています。

IPOは、ツールの導入・操作を現場に任せるのではなく、外部の専門家が代行する仕組みです。

そのため、「iPaaSを使いこなせる人がいない」「業務が属人化している」「部門間の連携が複雑」といった悩みを持つ企業にとっては、特に効果を発揮します。中堅・中小企業から大企業まで、幅広く対応可能です。

iPaaSをすでに導入していますが、IPOへの切り替えにメリットはありますか?

はい、あります。IPOサービス「インテリジェント フロー」であれば、iPaaS単体では対応しきれない領域まで自動化でき、現場負担も大幅に軽減できます。

インテリジェント フローは、業務特性に合わせたテンプレートを活用し、SaaSやクラウドサービス間のAPI連携に加え、RPAによる手動業務の自動化も実現。ゼロからの構築は不要で、専任プロフェッショナルが設計・運用・改善まで一括して担うため、社内にスキルがなくても安心して導入できます。

さらに、AIによる業務分析により、最適な自動化パターンと費用対効果を事前に提示できるため、無駄な試行錯誤を減らし、短期間で効果創出と高いROIを期待できます。

まとめ|ツールではなく「業務全体」を見直すならIPOという選択を

iPaaSは、システム連携を効率化する上で有効なツールですが、ツール操作や設計・保守を社内で担う必要があるため、現場負担の大きさや人材不足といった課題に直面する企業も多くあります。

一方で、IPO(インテリジェント・プロセス・オーケストレーション)は、業務プロセス全体を対象に、設計から運用・改善までを外部の専門チームが一貫して担う新しい業務改善ソリューションです。

特に、「iPaaSを導入したが効果が出なかった」「そもそもスキル不足で検討が進まない」といった課題を抱える企業にとって、IPOはツールでは解決できない領域をカバーする実践的な選択肢となるはずです。

業務改善の成果を最大化するために、いま一度「どこを、誰が、どう最適化するのか」を見直してみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

DX hacker編集部 瀧澤のアバター DX hacker編集部 瀧澤 マーケティング部オウンドメディア担当

DX hacker編集部の瀧澤が不定期で更新します。
DX推進や業務自動化に役立つ最新情報、SaaS情報、すぐに使えるノウハウまで、わかりやすくご紹介します。

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