導入事例:川西ほんわか訪問診療クリニック
医療業界においてRPAは、 電子カルテからの情報抽出やデータ加工、 医療器材の管理など、さまざまな業務に活用されています。 今回 は、600ほどの医療関連書類や訪問リストの作成をRPAで自動化した川西ほんわか訪問診療クリニックの院長・上野 圭介さんに、RPA を導入した背景や活用例について、お話を伺いました。
企業概要
クリニック名:川西ほんわか訪問診療クリニック
院長: 上野 圭介
所在地: 兵庫県川西市火打2丁目2-14
設立: 1964年(昭和39年)5月
HP: https://honwaka-zaitaku.com/
川西ほんわか訪問診療クリニックは、訪問診療に特化したクリニックです。 病院に通うのが難しくなってきた方の御自宅に伺い、家で診察などをおこなっています。
RPAの導入背景
書類作成を自動化したかった
―――業務の自動化を検討した背景について教えてください。
私たちのクリニックでは、医療関連の業務がメインですが、 その中でも書類作成が多くの時間を占めています。 また、パソコンを活用した情報共有もおこなっており、 Googleドライブを使用してクラウド上でデータを管理しています。 こうした業務状況の中で、 特に書類作成において同じ内容の文章を複数の文書に繰り返し挿入する必要があり、人手でそれらの作業をすすめることは、非常に効率が悪いと感じていました。さらに各書類に情報が分散しているため、 毎回人手でこれらの情報を収集して整理する作業が必要であり、 その手間はかなりのものでした。
―――その作業は、月に何件くらい発生するんですか?
約200名の患者さんに対して、 個別の書類を3つほど作成する必要があります。 必ず必要な書類であるため、この作業をゼロにすることはできません。これらの書類の内容には一部共通した部分があるため、一つの書類を作成したら、それをもとに自動的に他の書類を生成できる仕組みがないかと考えたことが業務自動化に取り組んだきっかけですね。
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BizteX cobitとrobopを導入
2種類のRPAを導入
―――RPAを導入するにあたり、 何社を比較検討しましたか?
2社のRPAべンダーを比較検討しました。 最終的にBizteXの製品を選んだ理由としては、まずはじめにクラウドRPAのBizteX cobitの導入がきっかけです。 BizteX cobitはクラウド上でも動作し、 パソコンのメモリを占有せず、自動的にバックグラウンドで実行されるため非常に魅力的でした。
―――ありがとうございます。 BizteX cobitをきっかけにrobopを導入いただきましたが、 弊社の2種類のRPAをどのように区別して使っていますか?
BizteX cobitでは、情報を夜中などに継続的に収集し、それをrobopを使用して転記作業を自動化しています。
RPAの活用方法
訪問リストの作成を自動化
―――実際にどのようにしてRPAをご活用いただいていますか?
日々、訪問する患者さんのリストなどを収集し、それをスプレッドシートに記録しています。 これは1日だけでなく、1ヶ月間にわたるもので、各患者さんごとに情報を集めています。 1週間以内に訪問予定のある患者さんや、 今月の残りの訪問回数など、さまざまな情報を取得できるようになってい ます。
―――ベースとなるデータはどのようにして取得しているのでしょうか?
個人情報の保護に注意しながら、電子カルテから取得しています。 電子カルテ内のデータは、セキュリティの観点であったりAPIが公開されていないことから、自動でデータを外部に出すことが難しくなっています。 一部のデータは、手作業でダウンロードできますが、これを毎日手動で行うと非常に手間がかかります。
毎日、このタスクをRPAで自動化し、データをダウンロードしてスプレッドシートに転記することで最新の情報をスプレッドシート上で管理できるようににしています。電子カルテのデフォルトの機能ではダウンロードできない情報も、RPAでは収集することができるため、 独自のデータベースの作成が可能になりました。すべてのタスクがロボットによって実行されているため、人間は最終的なチェックと確認のみをおこなっています。 この変化により、 効率が大幅に向上しましたね。
600枚に及ぶ書類作成業務を自動化
―――RPA導入のきっかけとなった書類作成の自動化についてはいかがですか?
約200名の患者さんに対して1名あたり3~4つの書類を作成しています。合計で月に600の書類が必要だった場合、1つの書類を人手で作成する場合にかかる時間はおおよそ3分から5分でした。 合計で月3,000分、 つまり約50時間かかっていたことになります。
一つの書類を作成するだけで、 それをもとに自動的に他の書類を生成できる仕組みの構築が可能になったため、 人間は確認作業だけでよくなり、この時間をすべてRPAで自動化できています。作業時間は大幅に短縮されています。
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副次的効果として、書類管理の簡素化を実感
―――ありがとうございます。 作業時間の削減以外に、副次的な効果はありましたか?
以前は紙書類を見て名前を確認し、各種書類の有無をチェックするために手作業が発生していましたが、 現在はRPAによってすべての作業が自動的に行われています。ロボットが正確に書類の情報を取得し、その情報を一覧のリストで簡単に表示できるようになったため、 書類管理に関しても簡素化できるようになりました。 書類の有無や一覧といった情報を取得できるようになっています。
サポート体制について
気軽に質問できる環境
―――BizteXでは、 3ヶ月間のオンボーディング、チャットサポート、およびヘルプセンター記事を提供しております。 上野さまについては、ほとんど自己学習で問題を解決されているようで、あまりサポートを提供する機会がなかったように感じていますが、 満足度はいかがでしょうか?
定期的にサポート担当者とお話させていただいていますし、タイミングや頻度もちょうど良いと感じています。わからないことがあれば気軽に質問できる環境で、サポート体制としては十分に満足しています。
―――BizteXでは、 3ヶ月間のオンボーディング、チャットサポート、およびヘルプセンター記事を提供しております。
業務自動化に対する今後の展望
さまざまな自動化フローの構築に挑戦
―――今後の業務自動化の展望について、上野さんが考えていることを教えていただけますか?
現在の段階では、書類作成にかかる作業時間の大幅短縮であったり、 書類管理の簡素化をおこなっていますが、ほとんどの事務作業はコンピュータ上で実行されているため、RPAを活用することでさまざまなタスクを自動化できる可能性があると考えています。
RPAというサービスが提供されていることで、これまで気付かなかった自動化の機会についての認識が高まりましたし、私自身もさまざまな自動化フローの構築に挑戦しようという気持ちになりましたね。
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