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RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは
RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)とは、主に事務作業の分野に導入することで定型的、反復的な業務をロボットとよばれるソフトウェアに代行させて自動化すること。
その自動化による作業時間やヒューマンエラーの大幅な削減が生産性の向上に貢献するような取り組みやサービスを含めてRPAと呼ぶこともあります。マクロやAIに似た印象ですが、マクロはデータ管理がPCごとに独立して行われ、AIは状況に応じた自律的な判断ができるという点でRPAとは異なっています。
RPA導入のニーズが高まった背景
欧米での動き
RPA導入に対するニーズは2016年位から急速に欧米諸国で高まりました。その背景には、多くの企業が行ってきた間接業務を人件費の安い国に外部委託するコスト削減方法(BPO – Business Process Outsourcing)が、委託先諸国の人件費上昇に伴い効果が薄れてきたことがあげられます。
そして、それら間接業務を自動化するデジタルテクノロジーの進化により、ソフトウェアによる業務の代行が可能となり、導入に際しての技術的・コスト的なハードルが低くなってきました。このため、従来の間接部門のコスト削減方法と比較してよりメリットを享受できるRPAの導入が増えてきたのです。
日本での動き
日本では、企業・団体へのRPA導入は欧米より少し遅れ2017年より本格化しました。欧米と同様の背景に加え、日本独自の問題である深刻な少子高齢化社会への突入、労働力人口(15歳以上のうち就業者と完全失業者を合わせた人口)の減少、長時間労働の常態化などの社会的問題に対して、AIやロボットの導入により解決する方針を政府が策定しています。
RPAの導入メリット
労働生産性の向上
現在RPAが代行可能といわれる業務は、PCを介して行う事務作業のうち反復性・定型性の高いもの。同じ業務をRPAに代行させた場合、作業スピード、稼働時間(24時間・毎日)、ミスのないクオリティなど、質・量が改善し、それらの業務に費やしていた時間を付加価値の高いほかの業務に充てることができます。結果として生産性が向上するのです。
システム開発より低い導入コスト
RPAはソフトウェアで提供されるサービスのため、ゼロから新たなシステムを開発するより、低コストでの導入が可能となっています。最近ではRPAの主流であるオンプレミス型にくらべ、比較的安価な料金プランを提供できるクラウド型のRPA(BizteX cobit はクラウド型)も登場しコスト的なハードルがさらに下がりました。
RPAが活用されている業界
審査・照会業務やシステムを横断し大量のデータを処理する業務の多い産業で活用されています。バックオフィス系の業務(人事、経理、総務など)には業界をまたがり幅広く活用されています。
代表的な業界 | 業務具体例 |
金融 | ローン審査、クレーム等照合処理、新規口座認証、データ確認 申込書記入、報告書作成など |
保険 | 新規顧客情報入力、保険請求処理など |
通信 | 顧客データ収集、アプリ間情報転送、アプリバックアップ作成など |
メーカー | 戦略立案用途での市場・売上データ収集、売掛金消込など |
小売 | 在庫状況確認、商品情報の更新、売上データ収集・統合、Web注文情報の転記、ERPへの入力、売掛金消込など |
官公庁 | 各種手続きの照合処理など |
情報セキュリティ | サイバー監視など |
代表的なRPA製品
システムなどインフラをすべて自社内に保有するオンプレミス型が主流である一方、最近はコスト面で比較すると中小企業にとって使い勝手の良いクラウド型のRPAも登場し市場の活性化が期待されています。
オンプレミス型
- Automation Anywhere Enterprise / Automation Anywhere社
- Blue Prism / Blue Prism社
- BizRobo! / RPAテクノロジーズ株式会社
- WinActor / 株式会社NTTデータ
- UiPath / UiPath株式会社
- NICE / NICEロボティック・プロセス・オートメーション