作成
更新
キーワード

【セミナーレポート公開】ニューノーマル時代のAI活用法

本レポートでは、2020年12月2日に行われたオンラインイベント「ニューノーマル時代のAI活用法」の内容について報告します。 イベントは、ユナイテッド株式会社 執行役員 米田 吉宏氏(モデレーター)、コエステ株式会社 執行役員 金子 祐紀氏、弊社代表 嶋田光敏の3名が登壇。音声領域やRPAの分野について事例を交えながら、AI導入時のポイントから効果的な活用法までお話しました。(以下敬称略)

LINEで送る
Pocket

世界の企業におけるAI導入状況をみると、IT先進国である中国は85%、またアメリカは51%と多くの企業でAIが活用されているのに対し、日本のAI導入率は39%とまだまだAI活用の余地があると考えられます。※

DX推進が必須とされる一方で、AI導入に興味はあるものの自社でどのように活用できるか不明瞭な方も多いのではないでしょうか。
※総務省「令和元年版 情報通信白書」

-AIとは何か

米田:
冒頭なのですが、簡単に私とユナイテッド株式会社のご紹介ができればと思っております。
ユナイテッドでは、現場個人のトランスフォーメーションを支援するという意味で、子会社のキラメックスにてオンラインのプログラミングスクール事業であるテックアカデミーを運営しています。加えて、もう一つの柱として、企業のデジタルトランスフォーメーションを推進するために、DXに関するコンサルティングや、システム開発を行っています。その中で私はどちらかと言うと、後者の企業の変革を推進するような役割の執行役員です。

最初にまず、そもそもAIは、色々な方が色々な形で使っていて、よくバズワード的にも使われている部分です。そこで、「どういうものがそもそも AIというジャンルに入るのか」について、少し初歩的なところからではありますが聞いていきたいと思います。
AIとは、そもそも機械学習などと色々近いような言葉として使われると思いますが、どういうものがまずAIと捉えればよいのかについて教えてください。

金子:
そうですね。 僕実は、大学時代は機械学習の研究者でして、当時は機械学習と人工知能やAI とでは結構明確に区別していました。 しかし昨今ですとそのあたりはあいまいになっていて、機械学習を使っているものは根こそぎ AIと呼んでいる気がしています。ですので、今はあんまり「AIとは」という定義に関して、変にこだわらなくてもいいのかなという気もしています。
ただあえていうなら、機械が新しく完全にプログラマブルなもの、1対1でこうなったらこうしなさいという指示をしなくてもできるものに関しては、 AI と言ってもいいのかなと最近は思っています。

嶋田:
当社の領域と絡めてお話させて頂くと、当社はRPAを扱っており、対象となるのは定型的な業務、同じフローで同じような作業が繰り返し行われていく業務です。
RPAは、判断を伴うものや、複雑な条件があってプロセスが進んでいくものが苦手だったりします。
そのようなものを大量のデータに基づいて、条件付けて判断をできるようにすることが、RPAとAIとの違いと認識しています。

-AIで失敗しないためには、導入後に何がしたいかのゴール設定をすることが重要

米田:
AIで、結構難しいなと思っていることであったり、限界みたいなものがあれば、そちらもぜひお伺いしたいです。
私が認識しているところだと、相関や過去のパターンなどを紡ぎだして、そのパターンで判断するという傾向があるので、割と単純な因果関係とか何が起点でどう起きてるという因果はやはり限界があり、そこは引き続き人が介在しなければならないところなのかなと思っています。
何かその辺りで、どういうところで活用でき、どういうところだと活用が難しいのかについて伺えますでしょうか?

金子:
今の時代も難しいというか抽象度が結構高いのですが、それこそ例えばディープラーニング、あれはある意味中身がブラックボックスでもあります。
こういう入力をした時に、こういうアウトプットが欲しいっていうところはわかっているのですが、どう実現していいかもよくわからない部分において、ブラックボックスのままディープラーニングを走らせるとなんとなくうまくいくというものだったりするのです。そのためある意味、因果関係がきちんと繋がってなくても、アウトプットとして欲しい物がある程度見えていれば、膨大なデータを用いることによって、自動的に出てくるようなシステムを作ることができます。
それは、多分人間の思考や考え方とちょっと違っていて、本当に使い方次第になります。ものによってはこういう手法が役に立つし、こういうユースケースでこういうものが役に立つというだけのもので、色々な使い道があっていいのかなという気がしてます。

嶋田:
私は技術者ではないのでわかりやすいところでいうと、AIはデータを活用してその差分を導き出せます。ですので、活用の方法としては音声の活用だったり、画像の活用であったり、あとは当社のようにシステムやサイトの要素を解析してデータを蓄積したり、といったものがあります。
難しさという観点では、データを綺麗にためていくことがAIの活用において必要になってきます。なぜかというと意味のないゴミデータのようなものがいっぱい溜まってくると、本当に必要な判断ができなくなり、結果的に必要な指示が出せなくなってしまうからです。
いかに綺麗に、自動的に必要なデータを集めるのかというデータのインプットの部分が重要だなと思っています。

米田:
そうですよね。AIとかビッグデータ導入してみたい、という話の流れで、とりあえずデータを取ってみましたみたいなことは、私も結構聞くんですけど、それは良くない失敗事例かなと思っていて、大体うまくいかないですね。

やっぱり AI 導入とかを考える上で最初にゴールを設定することが人間の仕事なので、何を目指すのかを具体化してからデータを集める必要があります。
例えばデータベースにどういう形でデータを格納するかによって、必要なデータを集計していくための処理のコストが全く異ります。あとはデータがない時は別のデータと紐付けないと意味がないのに、元のデータがそもそも無いからどうしようもないという話は本当によく起きます。なのでゴール設定、つまりこの AIを導入して何がしたいのかをちゃんと定義した上で、そこに向けたデータの集め方をしていかないと、だいたい失敗するなという気はしますね。

金子:
そのあたりは我々がコンサルティングをする中でも同じような課題にぶつかるなと思っています。
AI・機械学習の手法かどうかとは別として、データを貯めて分析すればなんか出てくるよねという世界観で行くと、相当苦しいなと思います。大規模なデータであればあるほど、データをためるためだけでお金がかかりますし、分析をするためのインフラを整備することにも相当のコストがかかります。
一方で、データをためただけではリターンは何も得られないので、ある程度分析をして、「どういうアウトプットによってどんな効果を期待したいのか」と「どういう切り口で分析するのか」という仮説がないと苦しい印象があります。

米田:
コストとかも含めて、経営者の方だとかで全然ピンときていない方もいるんじゃないでしょうか。「データなんてとりあえずやればたまるのだからためとけばいいじゃん」のような形で考えると、当然コストもかかるし、うまくいかないというケースも多いですよね。

嶋田:
僕もAIやデータは、「何の目的でどういうデータをどう利用するのか」、また、「そのデータをどう保持するのか」が非常に重要だと思います。
当社もAI活用はこれからなんですけど、データを活用するのも方法論の1つだと思っています。お客様にどういった体験を提供していきたいのか、データは、お客様の業務をしていくために使うものであるというように認識をしています。
データについては、お客様の許諾を得て活用するものなのでプロダクトのデータベース側にデータの保管方法であったり、アクセス権限であったり、必要に応じて削除する方法であったりを用意しなくてはならないと思います。

米田:
実際に僕も過去にコンサルティングする中で、「データは大きければ大きいほどよい」、「分析は高度な分析をする方が何らかプラスになる」のように考える方が多い印象があります。ただ実際は、例えば出口が2つのパターンしかないという場合の分析に、そこまで高度なものが必要なのかと思ったりもします。
例えば、マーケティングの進化といいつつ、予算が99%TV CMに向けられているという場合に、デジタル上の顧客のトランザクションのデータってどこまでTVに活きるのかというと、そんなに活きないと思います。
ですので、出口を想定してその時に適切なサイズのデータの分析をすることや、その時必要なデータを切り取ってくるなどを意識することが重要です。

-今の技術でできること・できないことを理解しておくことがAI活用ではポイント

金子:
あとは音声AIを考える場合には、今の技術でできること、できないことを理解しておくことが重要だと思っています。今は技術が進化して、昔の機械的な音声ではなく、自然な会話のような音声ができたりしてはいますが、とはいえ、なんでもできるわけではないです。

例えばいまのアニメを全て音声合成でおきかえられるかというと、現時点の最新技術を使ってもちょっと難しいかなと思います。表現の幅を全部カバーはできないからです。例えば当社の最新の技術を使うと、結構感情表現とかも色々できますが、あの感情表現ってある意味正解がない問題です。

そのため、どう表現するかというのは人間の指示が必要です。
例えば音声合成に限らずではありますが、「ごめんね」というセリフをどう読ませるのかは、ディレクション次第です。 コンテキストによって、同じごめんねというのもしおらしく表現するケースもあれば、半分逆切れのように「ごめんね」と表現するケースもあると思うので、決して一つの正解があるわけではないのです 。もちろん、いろんな表現が音声AIでできるようになってきてはいます。 ただ、それを人間からするといい感じに読んでほしいと思ってしまいますが、いい感じはAIには分からないので、そのいい感じをきちんと定義して人間が伝えてあげる必要があります。

そのような意味でも、何ができて何ができないかをきちんと理解しておくことは、AIをうまく活用する上では大事なポイントだと思います。

-AIを活用することで生まれた新たな可能性

金子:
顧客データの活用というのは、僕ら自身というよりも、クライアントさん自身が活用して進めていらっしゃいます。音声AIはいろんなところで活用できると思いますが、いくつかの点に絞って導入検討して頂くのが効果的かなと思っています。まずは生身の人間にはできないことをやらせることが、活用の一つの切り口としてあるかなと思っています。

例えば カーナビでちょっと前までだと「あの次の交差点を左折です」と言っていたと思うのですが、最近の真新しいカーナビだと「中野坂上 交差点を左折です。目印はローソンです」と言ってくれまして、そのようなリッチなものは実は音声合成で作成しています。
なぜかと言うと、全国の交差点名で考えるとすごい数になってしまいますし、当然その交差点増えたり減ったりもするので、あの収録の音声でやろうとすると非常に膨大な数になります。その上に追加があるたびに、同じ声優さん連れてきてその部分だけ収録して修正することは、現実的ではありませんでした。そのため、今までは「次の交差点を左折です」しか言えなかったのですが、音声合成コエステなどをうまく使うことによって、そういうリッチなことができるようになりました。

-対象となるシステムと業務用途に応じて、必要なプロダクトを選んで使うべき

米田:
iPaaSについて今日はプレゼンをしていただきましたが、アメリカとかだと結構iPaaSもツールもあるかなと思っていて、もしよろしければ、BizteXならではの特徴もそれらと比較して教えて頂ければと思います。

嶋田:
おっしゃる通り、iPaaSは海外プレイヤーの方が進んでいます。
Zapierとかは個人でも使うケースが多いので、簡単に Gmail とスプレッドシートを連携させてメールきたものをスプレッドシートに蓄積していくというイメージがあると思います。
当社はそれよりもエンタープライズ向けのiPaaSを提供しております。Zapierのようなミニタスクをライトにつなげるというよりも、社内のERPとか何らかのSaaSを繋げるというようなしっかりした業務システムと業務用途に使っていただけることを想定しています。
したがって既存のお客様、年商でいうと100億~300億以上の企業様では、社内のシステムと連携したいというニーズを取り込んでいきながら、連携するシステムを増やしていくというように使われています。

米田:
iPaaSでつないでRPAで連結というのは非常にきれいだなと思っていて、このあたりは最初のタイミングから構想されていてこの形に持って行っていたんですか?

嶋田:
結論からいうと、最初から考えていたというわけではなくて、色々やりながらお客様のニーズ取り込んでいって現状の形になりました。弊社の場合はクラウド型のRPAを最初のプロダクトとして出していまして、RPA自体はGUI上で操作して自動化をしていくソリューションです。よい点でいうと、いろんなシステムを幅広くGUIで操作が可能です。
一方で課題としては、システムのUIが変わると、エラーが起こったり作り直しが必要だったりするため、場合によってはERPや社内基幹システムが操作できなかったりします。

お客様に上記のニーズはありましたが、中には既存システムとの連携の面でクラウドRPAだけでは解決できないというケースが出てきました。
そこで、システムが持っているAPIを活用することによって、社内のシステムを連携しやすくしたり、APIがあるものであればそのまま既存のシステムを使ったりすることで、UIが変わってもエラーが起こらないような仕組みを優先して検討し始めました。実際にそのほうが、お客様の利便性を損なわないということがわかりはじめて、iPaaS側の開発にも踏み出したという流れです。

しかしながら、まだまだ調べると、日本のSaaSでAPIを公開しているものだと30%もないという現状があります。
そうすると、GUI上で操作してお客様の自動化を支援していくということも必要だったりするので、クラウドRPAでもiPaaSでもどちらのソリューションでも支援、自動化できるようにし、お客様のワークフロー全体のカバレッジをしていこうというように考えております。

米田:
どのサービスでも、例えば今流行りのノーコードのアプリケーションなどでも同じだと思いますが、なんでもできるという構造をめざして複雑になればなるほど利便性は落ちます。一方で、シンプルになればなるほど使いやすいし、明快に理解できますが、できることは減ります。その中で、どういうふうにバリエーションの中からサービスをチョイスしていけばよいのかという観点に関して、アドバイスがあればお願いします。

嶋田:
まさしく僕らもそこはよくお客様からよく聞かれます。
一言で言うと対象となるシステムと業務用途に応じて、必要なプロダクトを選んで使うということが正解かなと思っています。
理由は、複雑な業務をやろうとすればするほど、ノーコードのプロダクトだけでは解決できなくて、より高機能で多少コーディングをして自動化をするようなツールがお客様の課題解決で向いていたりします。
一方、フローは複雑でもないし、使う方があまり高度なITリテラシーがない場合にとってはノーコードのプロダクトでシンプルな機能で業務を自動化するというものがあっていると思います。

弊社のプロダクトも、ノーコードのサービスで現場の人がライトに使えるという点が特徴です。お客様によっては、情報システムの方が基幹システムをより複雑に自動化したいみたいなケースですと、別のRPAを使われた方がマッチすると思います。
お客様の中には、システムと業務によって、社内でうまくオンプレ型RPAとクラウド型RPAで使い分けされているケースも非常に増えてきています。

-AI技術が進化する中で、自社の事業成長に活用していくためのポイント

米田:
今回テーマがAIということですが、どんどん技術進化が行われていく中で、AIを取り込んで自社の成長に変えていくためにはどういうところがポイントになりそうか、最後に一言ずつ頂ければと思います。

僕からは、先ほど申し上げたことになってしまうんですけど、結果どういうところで活かせるのかということを突き詰めた上で、導入のジャッジすることが重要だと思います。そうせずに見切り発車で導入して実はインパクトがあまりないですというパターンが、やっぱり一番コストが掛かって意味がないものだと思うからです。本当にここで使えるのかを検討するためにも、最初のタイミングでどこで使うのかに関して具体の仮説を持つことを何より大事にした方がいいと思います。加えてずっとアンテナをはっておくいうことも非常に大切で、どこに活かせるのかを常に情報収集していくことがポイントだと思っています。

金子:
音声 AI の活用という意味では、最初はもちろん利便性とか効率性とかコスト削減みたいな方向性になってくると思います。ただ、その次のステップとして結構大事なキーワードが、僕はエンタメかなと思っていまして、そのような考えもあって、エイベックスと会社を一緒に作りました。これまでだと、例えば店内放送だとか広告だとかはあんまり楽しめるもの、いわゆるエンタメにはなっていなくて、情報伝達手段でしかなかった気がします。

それ自体が間違ってるわけではないので、店内放送とか接客ソリューションで音声を使う時も、効率化や人件費削減、最近だとコロナ感染拡大対策みたいなところで、スタートしていいと思います。ただ、やっぱりそこからさらにもう一歩発展させて、人気芸能人の声が使えることなど、今までにないエンタメの価値が様々な普通のつまらない業務の世界にも広げられると思っています。例えば、楽天みたいな EC サイトで今はショッピングする時、できるだけ安くて良いものを探すことがメインの目的だと思いますが、そこで例えば、自分の大好きな芸能人がコンシェルジュとして買い物相談をしてくれるとなると、相談自体がエンタメとして行きたい動機になったりすると思います。
つまり、コスト削減などの可能性を秘めてると思って効率化するとかだけではなくて、もう一歩進んだエンタメみたいな新しい価値を一緒に作っていけると更なる面白いことができるのではと思っています。

嶋田:
具体的なところは金子さん米田さんがお話されたので、少し抽象的なレイヤーでお話できればと思います。
AIの導入や活用の見出し方などの話は、僕の前職ソフトバンクの孫さんのプレゼンが面白いと思っています。
AIがどの産業でどういうふうに使えるのかということが1番聞けると思っていて、僕も注目しています。

なぜかというと、彼が今一番AIにはっているし、AIに投資しているからです。
実際、彼はプレゼンの中で、世界中の産業で AI が使われているのは今「小売」と「広告」だけで、まだそれは全産業100%とした時の7%だけだ、そしてそれは何かというと「Amazon」と「Google」だと言っています。

まだまだそれ以外の産業、例えば医療だったり、自動車の査定だったり、物流だったり、そういうアナログな産業にテクノロジーがこれからどんどん進化してAI が活用されて、産業はどんどん変わっていく、そしてそこに俺は投資しているんだと孫さんは言っています。データが大量にどんどん溜まっていき、進化していくという将来は読めるので、それをどの産業にかけ合わせて使うのかという観点は、当社も事業の構想を考えたり、お客様の業務課題を解決していくという目線で見ている重要なポイントの一つです。

米田:
以上となります。本日はありがとうございました。

ダイジェスト版の動画はこちらです

BizteXは、AI-OCRとiPaaSやRPAを組み合わせた活用方法をご案内しております。
よろしければ、ぜひチェックしてみてください。

LINEで送る
Pocket